軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

253.ヨネスケ

ベルのお陰もあって、ベルパパとハンスさんにスムーズに米について説明が出来た。精米方法は風魔法で出来るので、ジーン兄様にやってもらった。米の炊き方については、明日、厨房で教えることになった。そして食べ方は……

「うっま!!」

「ちょっ、ハンス兄上!全部持っていかないで下さい!」

「エリックうるさい!お前、いつもこんな美味いモノ食べて……ずるいぞ!!あっ、こっちもうっまー!!」

ストレージの中に入っていた、焼き肉丼、おにぎり各種、タケシュートの炊き込みご飯、ジャイアントスネーク丼を思い思いに皿に取って試食中。ちなみに、おにぎりの種類は焼きおにぎり(セウユ味)、焼きおにぎり(メソ味)、オークのションガー焼き、塩にぎり、シャーモンの塩焼きーー鮭のような魚の塩焼き。ちなみにシャーモンの卵はセウユ漬けにしてあるーーの5種類。

「塩味だけのおにぎりとやらは、さらに米の甘さを感じるな。」

「あなた、このタケシュートも我が領で収穫できますわ。それに初めて食べたのに、懐かしい味がするのは不思議ねぇ。」

ベルパパとベルママにも米の美味しさが理解できたみたい。

「ジョアンちゃん、本当に料理が好きなのね。それだけじゃなく、美味しいわ。食べ過ぎて太ってしまいそうよ。」

イザベラ様も先程から、何個目かのおにぎりを食べている。

後で、ベルママとイザベラ様にドライフルーツあげておこう。

来る前に、お母様に確認とっておいて良かった。でも、さすがお母様だわ。きっと、ジョアンのご飯を食べすぎるからって今回は良いわよって、預言者かな?

*****

「本日は、宜しくお願いします!」

「「「「お願いします!!!」」」」

翌日、モーニングティータイム後、ベルと共に厨房へやって来た。

ちなみに、モーニングティータイムでは身を乗り出したベルママとイザベラ様からドライフルーツの効果について質問責めになった。定期的に購入したいと言う希望については、お父様とお母様に要相談案件なので一時保留。そんな2人は、朝から領都のオートクチュールに出掛けて行った。

もちろん、ドライフルーツのことは口止め済み。

後で、冒険者ギルドに行ってギルマスから手紙用転移陣借りて、お父様に連絡取ろう……。

ベルのお屋敷のチーム料理人は、5人。

ベルから聞いた話では、料理長のアトスさんは、濃灰の髪に、口髭の寡黙な人らしい。でも、料理に関してはアツい男なんだとか。副料理長ポルトスさんは、茶色の短髪に、縦にも横にもデカい人で、食べることが大好きなんだそうだ。他に、橙色の長髪を1つに結び、きれいな顔立ちのアラミスさん。使用人だけではなく、外部の人にも人気らしい。黒髪のお調子者でムードメーカーのダルタさん。元冒険者らしく、フットワークは軽いと。そして紅一点、紺色の髪をポニーテールにしたキティさん。可愛い顔してなかなかの毒を吐くらしい。

「まずは、こちらをどうぞ。」

ポーチにストレージを展開して、昨夜も出したおにぎり5種を出す。

「これが……。」

率先してアトスさんが、1つ手に取る。手に取ったのは、塩にぎり。

「じゃ、俺はコレだな。」

ポルトスさんは、オークのションガー焼き。

「じゃあ、俺はこれにしよう。」

アミラスさんは、焼きおにぎり(メソ味)。

「俺、こーれ!」

ダルタさんは、焼きおにぎり(セウユ味)。

「残ったのはコレね。」

キティさんがシャーモンの塩焼きになった。

恐る恐る口をつける5人。

「「うっま!!」」「「美味い!!」「美味しいわ。」

みんな一言言った後は、無言で咀嚼している。

「本当にあの米が食べられるなんて……。」

「これなら、何個でも食べれるな。」

「今まで勿体ないことをしていたんだ……。」

「家畜の餌なのに……。」

「家畜には、そこら辺の草でも食わせておけ!」

上から、アトスさん、ポルトスさん、アミラスさん、ダルタさん、キティさんだ。

若干、キティさんの言葉が、昔見た映画『翔んでなんとか』の名言に似てる気がすると思ったのは、私だけ。

お米の精米の仕方は、冒険者ギルドに行く前にジーン兄様が厨房に寄って教えて行ってくれたらしい。その頃、私は淑女からの質問責めにあっていた……。

なので、私は米の洗い方から火の加減を一から教えた。そして、やっぱり『始めチョロチョロ〜』の説明で、皆んなから詠唱だと思われて警戒させてしまった。

でも、私……【無】属性ですからーーー!残念!!

そんなこんなでご飯が炊き上がり、チーム料理人は鍋から出ている湯気を浴びながら炊き立てのご飯を覗き込んでいる。まるで、寺にある常香炉の煙浴びてるように。それ浴びてもご利益は得られないと思うけど……。

「えーっと、そのままだとご飯……炊いた米のことですけど、ご飯が固まってしまうので、一度混ぜます。でも、混ぜすぎてもダメなので程々に。……よいしょっと。」

「あっ、焦げてる……。」

「この焦げは、オコゲと言って美味しいんですよ。……はい、ダルタさん。」

「えっ……あっつ、あっつ……ん、香ばしくて美味い!」

「でしょう?皆さんもどうぞ。」

「うまっ……本当だ、この焦げが良いアクセントになっている。」

「鍋の底だけしかないから、もしかしてレアなのか?」

「そうですね〜レアです。うふふふ……作り手の特権ですよ。……はい、ベル。」

「ありがとう。……んー、美味しい!」

早速、ランチで出すと言うことになりアトスさんが、鍋ごと時間停止機能のついた袋に入れていた。

教えてもらったお礼をと言われたので、冷蔵庫とパントリーを見せてくれるようお願いしてみた。それには、さすがのベルもチーム料理人と一緒に驚いていた。

いや〜だって、気になるじゃん?

バースト領の名産とかでおかずとかお菓子作れないかなぁ〜と思ったし。

大きなしゃもじ持ってたら、免罪符となってヨネスケみたいに勝手に見て回るけど……持ってないからしょうがない。

大きなしゃもじ……帰ったら、木工工房のダニエルさんにお願いしようかな?