軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

22.報告

アフタヌーンティータイムが終わり、私は急いで厨房に向かった。

パタ、パタ、パタ……。

「お嬢様〜。走っちゃダメですってー。ちょっと、待って下さいよー」

バンッ!!厨房の扉を思いっきり開けた。

「「「「うわっ!!!!」」」」

「ご、合格もらえましたーーー。また料理を作っても良いって、許可もらえました」

「おう、良かったなぁーお嬢。色々教えてやるからな」

ジョアンの頭を撫でながら優しく言うエイブ。

強面なのに、優しいなぁ〜。

ぎゅっ。

「お嬢様おめでとうございます。本当に良かったですね」

優しくハグをしながら祝ってくれる、アーサーさん。

バシッ。エイブさんに、叩かれたわ。

「お嬢様、また一緒に料理できるんですね?良かったです」

きゅっと、ジョアンの手を握ってくれて、嬉しいことを言ってくれるアニー。

「お嬢さん、これからも俺がビシバシ指導してやるよ」

「はい、お願いします。師匠」

「はぁ、はぁ、お嬢様、走ったらダメですって。ハァハァ……グレイさんに怒られますよ!」

「っ!!ご、ごめんなさい。もう走らないから、グレイには内緒で」

グレイには怒られたくない。

「「「「あはははーーっ」」」」

*****

ーーースタンリーの執務室。

「なぁ〜ジョアンが変わったように思えるのは俺だけか?」

モグモグ「いいえ、スタン。私もそう思うわ。以前のジョアンとは、何かが変わった気がするの。ワガママを言わなくなったし、癇癪を起こさなくなったわ」

モグモグ「それだけではないよ、スタン。私達、使用人に対しての接し方も変わった。今までお礼を言ったり、頭を下げたりはしなかった。何だったら、やってもらう事が当たり前に思っていたぞ」

モグモグ。「だよなぁ〜。洗礼式で倒れてから、なんか変わったよな。まぁ、良い方に変わったような気がするんだけど…。しかも、俺達でさえ知らない様なクッキーやドライフルーツやら、どこから知識を得たんだ?」

モグモグ「サラが言うに、本から学んだと言っているらしいが、屋敷の図書室にはそんな本はないぞ。お前だって、買ってないだろ?」

モグモグ「だよなぁ〜」

モグモグ「それとね、スタン。あの子、口調が変わったと思わない?今までは『 私(わたくし) 』と言っていたのに、『 私(わたし) 』になっているし、ご飯の前だって、必ず『いただきます』って言うじゃない?」

モグモグ「確かに、あの『いただきます』はどうして言うんだろうな?もう少し、様子を見てみるか」

モグモグ「そうね。使用人たちにも、あの子の事で気がついたことがあれば、報告するように。お願いね、グレイ」モグモグ。

「かしこまりましたよ、奥様」

「それにしても、マギー食べすぎじゃないか?」

「だって、美肌よ?それに便秘解消もするって言うじゃない?食べないわけには、いかないじゃない?それに、私のことばかり言ってるけど、貴方達もじゃない。しかも、2人揃ってミランジばっか。どんだけ疲れてるアピールよ」

「いや、だってなぁ〜。疲れてるのは確かだぞ。なぁ、グレイ」

「俺にふるなよ。俺はスタンとマギーが、ちゃんとやってくれれば疲れないんだよ。なのに、2人して……早く仕事しろ!」

この3人、家はスタンリー、マーガレットが貴族、グレイが平民。スタンリーとグレイは幼馴染で、ずっと仲が良かった。さらに魔物討伐団と魔術師団として遠征などで共に戦ったこともあり、マーガレットとも旧知の仲。戦友とも言える。

だから、表向きは主従関係でも、3人だけの場合は昔の時の様に、口調も態度も戻り、友としての付き合いをしていた。