軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

217.人類、皆兄弟!

「どうしたの?ジョアン。」

「……ジョアン。お前、悪い笑顔だぞ。それ。」

ミューラとソウヤが言う。

「ミューちゃんが家でご両親の髪の毛切ってるなら、マヌエルさんの髪の毛切ってあげたら良いんじゃないかなーって。」

「えっ!?ぼ、僕?い、いい、いいよ、やらなくて。」

「ダメだよ。ボサボサだもん。いつから切ってないの?」

「えーっと……2年前……かな?」

「よし!切ろう!!さっぱりするよ。今回は私が洗ってあげる。」

「えっ!?ダ、ダメだよ。ご令嬢に洗ってもらうなんて。」

「大丈夫!!」

「何が!!」

「ここでは平等!人類、皆兄弟!!」

「な、何だよそれ!わけわかんないよー!!」

「気にしない、気にしない。さっ、ミューちゃん。やっちゃって。」

「……でも道具がないよ。」

ミューラが申し訳なさそうに言う。

「ジャッジャジャーン。はい。」

カバンからハサミを取り出す。

「「「えっ?」」」

「なんで持ち歩いてるんだ?」

「えっ?なんとなく?」

「何となくで出てくるもんじゃないだろ?」

「まあまあ、そんな事はどうでも良いの。はい、座ってマニュアル……ごめん、マヌエルさん。」

「あっははは。ジョアン、盛大に噛んだな。」

ソウヤから笑われる。

「いいよ、気にしなくて。さん付けもいらないんだけど。」

マヌエルが言う。

「そう?じゃあ、マッさん。」

「マッさんって……まあ、良いけど。」

「っしゃー。じゃあ改めてよろしくね、マッさん。」

「うん。よろしく。じゃあ、僕はそろそーー」

何事もなかったように帰ろうとするマヌエルの腕を、ジョアンはガシッと掴み、笑顔で

「はい、お客様〜。こちらへどうぞ〜。」

「はぁ〜。逃げれなかった。」

「「あっははは。」」

ジョアンとマヌエルのやり取りに、2人は笑う。

「マッさんの希望は?」

「え?希望?別にないよ。」

「じゃあ、ミューちゃん。こんな感じはどう?」

ノートにササッと絵を描く。エアリーヘアで前髪を斜めに流す感じ。

「あっ、いいね。でも、もうちょっとここを……。」

「うんうん、いいかも。」

ミューラと2人で、マヌエルに似合う髪型を考えた。一度マヌエルにも確認してもらうと、許可をもらえた。

切った髪が首元に入らないようにカバンからバスタオルを出してマヌエルにかける。

「すげ〜な、そのカバン。バスタオルまで入ってんのか。」

「えーっと、魔道具だから。」

「マジか!良いなぁ〜。」

「じゃあ、マッさん。まず頭を洗うから、頭下げて。」

「えっ?ここで?テラスだよ。」

「あっ、そうか。んー、じゃあ寮でやろう。食堂のテラスで。それなら先に頭洗ってきてよ。」

「あっ、じゃあ俺がちゃんと監視してやるよ。」

「頼んだ、ソウヤ!」

「おう!任せとけ。じゃあ、帰るか。」

「勝手に決めんなよー!」

「まあまあ。」

4人で寮へ戻り、30分後に食堂のテラスで再び集合することになった。

*****

テラスで待っていると、男子寮の方から風呂上がりのマヌエルとソウヤがやって来る。

「な、なんで増えてんだよー!」

マヌエルが、テラスに来て開口一番に言う。

「……興味があって?」

「だって、面白そうじゃん。」

「皆んながテラスにいたからですわ〜。」

「私も。」

「俺もだ。」

上から、ベル、リキ、レベッカ、サマンサ、ボンの順に言う。

ジョアンとミューラは苦笑するしかない。

2人が制服から着替えてテラスでお茶をしていると、いつの間にかベル達が集合してしまったのだった。

「まあまあ、良いじゃん。」

そう言って、マヌエルを椅子に座らせて再びバスタオルをかける。

「じゃあ、ミューちゃん。」

「うん。マッさん、動かないでね。」

「あ、ああ、わかった。」

カットして、ドライで乾かして……スタートから30分後。

なんと言うことでしょ〜、ボサボサでゴワゴワだったマヌエルが、イケメンのメガネ男子に変身したではありませんか〜。

パチパチパチパチ……「「「「「「お〜。」」」」」」

「うん、良いね。マッさん、格好良くなったよ。」

「ホントだな。」

ジョアンとソウヤが言うと

「すごい……視界が広い……。ありがとう、ミューラ。」

「ううん。こちらこそ、私も自信ついたよ。」

「なあなあ、今度俺もやってくれよ。」

リキがミューラにお願いする。

「うん、良いよ。」

「ミューちゃん、良かったね。」

「ありがとう、ジョアン。」

「ううん、今度は髪の結い方練習しようね。」

「あっ、私が練習台になっても良いわ〜。」

「えっ?そこは私が。」

「……私もお願いしたいです。」

ヘアアレンジと聞いて、レベッカ、サマンサ、ベルが練習台へと名乗りを上げる。

その後、皆んなでテラスでティーブレイク。

「そう言えば、皆んなは帰らないの?」

「俺らは家が王都だし、夕方ぐらいかな。なあ。」

「だな。なんなら、ここで夕飯食ってからかな?」

と、王都出身のソウヤとリキ。

「私達は、王都でお買い物がしたくて〜。ね〜。」

「ええ、行きたい所がいっぱいなんです。」

と、レベッカとサマンサ。

「僕も本屋巡りかな。それに、まだ王都わからないし。」

「じゃあ、明日俺が案内してやるよ。」

「マジか。ありがとう、ソウヤ。」

マヌエルは明日、ソウヤと王都観光。お風呂を一緒に行って裸の付き合いで仲良くなったらしい。

「俺は、親が王都観光するからそれの付き合いだ。母上が行きたい所があるそうだ。」

ボンは意外といい息子らしい。

「んで?ジョアンは?」

「私?帰るよ?ベルがランペイルに遊びに来るの。」

「えっ?ランペイル領って遠いよな?もう帰らないとじゃないのか?」

マヌエルが心配そうに言う。

「ううん、王都の屋敷に転移扉があるから大丈夫だよ。だから、ゆっくりで大丈夫。それに、お兄様たち待ちなの。」

「お兄様たち?」

「うん。魔術科と騎士科に1人ずつ。あっ、生徒代表の挨拶したのが上のお兄様だよ。それから、ベルの従兄弟のエリック様も行くことになっているから。」

「生徒代表……ノエル様ですわよね〜。格好良いですわよね〜。」

「私もそう思います。」

「えっ?レベッカにサマンサ、ノエル兄様推し?」

「推しとやらがわかりませんが……。」

「えーっと、好きとか応援したいとか?」

「なるほど〜。だとしたら、推しですわ〜。」

「へぇー。ノエル兄様、かなりの魔術バ……痛っ……ノ、ノエル兄様!?」

久々にノエル兄様の手刀頂きました〜。

ってか、いつから聞いていたのかな?レベッカとサマンサ、真っ赤な顔で俯いているけど。