軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

187.制服作り

今日は、学院の制服を作るため朝から王都の屋敷へ来ている。

てっきり店舗に行くのかと思っていたら、貴族は屋敷に呼んで採寸したりするらしい。もちろん我が家も、王都の超有名オートクチュールのマダムが直々に採寸にやってきました。

そんな有名な人は、きっとギラギラのアクセサリーを付けてお高くとまってるんだろうなぁ〜と思っていると

「まあ、なんて可愛いお嬢様なんでしょう。お嬢様の制服を作らせて頂けるなんて光栄でございます。」

柔らかい笑みを浮かべる、優しいおばあちゃんでした。

恥ずかしくもマダム、お母様、マーサをはじめとした侍女達の前で下着姿になり、腕を上にあげたり後ろを向いたりなんやかんや、上から下まできっちりしっかり計測がされました。

それが終わると今度はデザイン。

学院の制服はブレザーと色が指定されているだけで、シャツやボトムスは自由で良いらしい。ちなみにサラとアニーのスカートは膝丈のプリーツスカートだった。貴族令嬢は脚を見せることを恥ずかしいと思うらしく、ロングスカートを合わせる人が多いそうだ。

そんな中、私がお願いしたのはラップキュロットスカート。一見スカートに見えるが、裾が分かれたキュロットに覆いの布を付けたもの。

「「「「「「………。」」」」」」

「あの……ダメですか?」

「……ジョアン、どうしてスカートの中にキュロットとか言う半ズボンのようなモノをつけるのかしら?」

お母様が不思議そうに聞く。

「えっと……中に穿いていれば、スカートがはだけても下着を見られないから?」

「どうしてスカートがはだけるようなことになるの?」

「その……走ったり、戦ったりする時?」

「どうして戦うの!学院に何しに行くつもり!!」

「はい……。すみません。」

お母様に怒られてしまった……。

「でもお嬢様のデザインは画期的でございますよ。確かに理由は御令嬢としては、如何なものかと思いますが……。ラップスカートというのも初めて拝見しました。今まで、布を巻きつけただけのスカートなど考えもしませんでしたから。ちなみにお嬢様?このスカートは巻きつけてどう留めるのですか?」

「えっと、ボタンで留めたり、ブローチで留めたり。リボンや紐をつけて結んだりです。私のお願いしたのは膝丈ですが、ロング丈だと、立体的でアシンメトリーなシルエットが上品に見せてくれると思います。」

「す、素晴らしいですわ!ぜひ、そのデザインを 私(わたくし) に作らせて下さいませ。」

私の手をガシッと両手で握り、お願いしてくるマダム。

「は、はい。」

マダムの圧に負けて、勢いで返事してみたもののお母様の方をチラッと見ると、目の笑っていない笑顔だった。

「コホンッ……グッドマン夫人。ジョアンのデザインについては、後程お話し致しましょうか。」

「えっ、ええ、そうでございますね。奥様、取り乱しまして申し訳ございません。」

結局、膝下辺りの丈、ミモレ丈のフレアジャンパースカートと膝丈のラップキュロットスカートを作ってもらうことになった。

ラップキュロットスカートは、ランペイル領で販売する事も考え私が広告塔になるという事で、お母様には妥協してもらった。

制服の注文を終えランチが終わる頃、転移扉からお父様が王都へやって来た。この後、未だになぜ呼ばれたのかわからないが王城に行かなければならない……。正直、面倒くさい。王城に行くぐらいなら、ギルドに行きたい……。

「はぁ〜。」

「どうしたジョアン?」

馬車の窓から外を眺め、ため息をついた私にお父様が聞いてくる。

「……面倒くさいです。」

「クッククク……。確かにな。何で呼ばれているかもわからんしな。」

「でも、アラン兄様に会えるかも知れないので我慢します。」

「そうだな。誕生日プレゼントのお礼もしなければならないからな。」

「はい。」

前回同様に陛下の執務室に通される。

人払いをし、防音の魔術を使用した陛下は

「待っておったぞ、ジョアン嬢。久しぶりだな、大きくなったな。」

「ご無沙汰致しております。陛下におかれましてはーーー」

「えー、ジョアン嬢。前のようにアレックスおじ様って呼んではくれないのか?」

「ご勘弁下さい。あの時はまだ幼かったのでーー」

「その敬語も止めて良いぞ。」

困ってお父様の方を見ると、呆れ顔でため息をつき頷く。

「わかりました。アレックスおじ様、お変わりないですか?」

「ああ、それだ、それ。」

そう言うと両手を広げる陛下。

ん?何だろ?

「……おい!アレックス、用件はなんなんだ?」

「スタン……ハグぐらい良いじゃないか。減るもんじゃないだろ?」

「いや、減る!」

「お前ら、うるさい!……ジョアン嬢は元気だったか?」

「はい。元気です。ホルガーおじ様。」

そう言うと、優しく頭を撫でてくれる。

「「ホルガー……。」」

ふふふっ、相変わらず仲良いのね、お父様たち。

「で、本題なのだが……ジョアン嬢。以前欲しい物を聞いたであろう?」

「あ〜……ありましたね。」

「忘れていたのか……。」

「えへへ。」

「まあ、いいが。して、決まったか?併せて誕生日の祝いもと思っているのだが。」

「………。失礼ですが、どの様な意図で贈り物をくださるのですか?」

「意図……なぜそう思う?」

「私に贈り物をするメリットがないです。いくら前世の食べ物を差し上げたとはいえ、贈り物とは仰々しいのではないですか?もしメリットがスノーのことやパールの事であれば、臣下ですので贈り物をしなくても従います。ただ契約しているので、寄越せと言われても困りますが……。」

「「「………。」」」

「子供であれば、何も考えず喜ぶところだぞ?」

「お言葉ですが、タダより怖い物はないですよ。無償で物をもらうと頼みごとを断れなくなったりして、かえって高くつきます。うまい話には裏がつきものです。」

「ジョアン嬢は聡すぎる……。ホルガー……。」

「なぜ、私に振る。自分で説明をしろ!」

「宰相だろ?俺、陛下だし!」

胸を張りながらドヤ顔で言う陛下。

「はぁ〜、ジョアン嬢実は……。」

と、宰相様はダイヤウルフの討伐の際、魔物討伐団の団員数名が私を揶揄った詫びだと説明をしてくれた。

「ん〜、でも4年前の話ですし……。気にしてもいないので、やっぱり、いらないです。」

「「ジョアン嬢……。」」