作品タイトル不明
154.カレー作り
カレーを作る人員は確保された。
さすがに厨房が狭くなったので、材料を持って外に移動する。
アニーと王都のバリーさん、デルコさん、ケリーさんはご飯係の為厨房に残ってもらう。
バリーさんは水色の肩より長い髪を結んだ長身の人で王都のお屋敷の副料理長だった。デルコさんとケリーさんは褐色の肌の兄妹で、2人とも髪は濃茶色でくせ毛で短髪の兄デルコさん、全ての髪の毛をアップにしてシニヨンにしている妹ケリーさん。
カレー担当は私、ノエル兄様、ジーン兄様、エイブさん、ケンさん、私兵団 jr.、チームメイド、そしてタニちゃん、コア君、ルーにデニス君。
「じゃあ、メイドの皆んなとタニちゃん、コア君、ルーにデニス君は野菜の皮むきをお願い。……ルー、聞いてる?」
「ん?ああ。」
生返事をするルーに近づいて
「……メーガンのメイド服、可愛いでしょ?でも、見過ぎ。」
と小声で言うと、ルーは顔を真っ赤にして
「な、な、何を。だ、誰が……。」
「顔真っ赤だよ。」
「う、うるせーよ。」
これ以上言うのも可哀想なので、
「はい、剥いて。」
と、タマオンを手渡してルーの元を離れる。
「よし、じゃあお兄様と私兵団メンバーで、皮を剥かれた野菜を切って下さい。」
「「「「「「了解。」」」」」」」
「エイブさん、ケンさんは、鶏肉をお願いします。……鶏肉、足りるかな?」
「あー普通の鶏肉は足りないだろうが、ルフバードの肉なら結構あるぞ。」
「んじゃ、ルフカレーだね。ルフバードを皮目カリカリになるまで、焼いて欲しい。あっ、焼いた時に出た脂は捨てないで、こっちの小鍋に溜めておいて。」
「は?どうするんです?」
ケンさんが聞く。
「鶏肉の脂は、 鶏油(ちーゆ) って言って野菜を炒めたりすると美味しいから、後で使う。」
「なるほど。わかりました。」
約1刻間で、材料が切り終わり大鍋に入れ茹でる。野菜に火が通ったら焼いたルフバードを入れる。最後にカレールーを入れると、周囲にカレーのいい匂いが漂う。
「うわぁ〜、すげぇいい匂い。匂いだけで腹減るな。」
「何だろ?食べたことないけど、絶対美味しいのわかる気がする。」
うふふふ、兄様2人ともカレーに釘付けね。
でも、わかるわ。カレーの匂いって堪らないのよねぇ〜。でも、食べたら病みつきになるわよねぇ〜。
「じゃあ、味見しよう。」
「「「「「「「「「イェーーイ!」」」」」」」」」
「「「「「「「「うっまーー!!」」」」」」」」
「「「「「「「「美味しいー!!」」」」」」」」
やっぱり、老若男女誰にでも受け入れられる味なのねぇ〜。
「「「「あーーー!!ずるーーい!!」」」」
厨房でご飯係の4人が走ってくる。
「いい匂いするから、見に来たら先に味見なんて……。呼んで下さいよー。」
アニーが口を尖らせる。
「あっ、ごめん。じゃあ、4人には特別。」
そう言って、前に炊いてあったご飯を小皿に一口分ずつのせ、その上からカレーをかける。
「あの、どうしてお嬢様のストレージからご飯と皿が出てくるんです?」
ケリーさんが不思議そうに、首を傾げながら聞いてくる。
「ん?あー、いつでも食べれるように。」
「いつでも?」
「うん。いつ何が起こるかわからないからね。」
「「「「うっまーーい!!」」」」
ミニカレーライスは、好評でデルコ&ケリー兄妹は皿まで舐めていた。
後で、ちゃんと食べれるのに……。
「お嬢様、俺カレーって言うから辛い物だと思ってましたよ。」
とバリーさんが言うので、ストレージからチリパウダーを出す。
「このチリパウダーを掛けて食べたら辛くなるよ。初めての食べ物だし、辛いの好きな人がいるかわからなかったから入れなかったの。」
「なるほど〜。じゃあ、食べる時にかけたら良いんですね。後でやってみます。」
あとは、討伐に行った人達が戻って来るのを待つだけとなった。
「ん〜、どうしようかな?」
「お嬢、何を悩んでるんだ?」
「カレーだけだと、皆んなのお腹満たされるかな?」
「あー、確かにな。追加で何か作るか?」
「前世では、カレーのトッピングとしてトンカツ、ハンバーグ、唐揚げ、素揚げの野菜、チーズをのせたりしたんだよ。」
「それは、美味しそうですね。」
「今から出来るのは、トンカツかな?揚げるなら野菜も揚げちゃうかな?」
「じゃあ、やるならさっさとやるか。オーク肉で良いか。」
「そうだね。野菜はナッスー、ピーパー、カボキン(かぼちゃ)を揚げよう。」
トンカツとスライスした野菜を揚げて、トッピングも作り終わった。
空は日没前の薄明かりの時間帯、マジックアワーで綺麗なオレンジ色に染まっている。
ジェイコブさんは、夕方には帰って来れるだろうって言ってたのに……何かあったのかしらねぇ〜。
そんなことを考えて、ボーッとしているとノエル兄様が近寄ってきた。
「ジョー。ちょっとスノーで上から見に行かないか?さすがに遅すぎる気がするんだ。」
「はい。私も思っていました。」
「じゃあ、行こう。父上には許可貰ったから。」
ノエル兄様とスノーちゃんに騎乗して、お屋敷の上空を飛ぶ。
クリムゾンウッズの方向を見ると、大勢の人が街の方へ歩いて来るのが見える。
「あっ、ノエル兄様いたよ。」
「ああ、良かった。あの距離なら30分ぐらいだろう。」
「ん?ノエル兄様?誰か担架に乗ってるみたい。」
「えっ!?ホントだ。どうしたんだろ?」
「行こう、ノエル兄様。スノーちゃん、お願い。」
『はーい。』
私とノエル兄様はスノーちゃんで、討伐に行ったメンバーの元へ急ぐ。