軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

148.エイブの恋

シュン…。「大丈夫?マーサ。」

「はい。これが転移……すごいわ。」

「あっ、平気そうね。ありがとう、アニー。お願いね、マーサ。」

「かしこまりました。では、お顔を失礼……お、王妃様?こ、これは、とんだご無礼を。」

「ごめんなさいね、驚かしたみたいで。今は、ただのアミーだから。」

「ごめん、マーサ。お忍びだから、今回はただのアミー様に化粧直ししてくれる?」

「は、はい。申し訳ありません、取り乱しました。」

「いいえ、構わないわ。こちらこそお願いね。」

王妃様の化粧直しが終わりマーサが出て行くと、入れ替わりでケンさんが戻ってきた。しばらくすると飲み物と軽食が運ばれてきて、4人でたわいもない話をしながら食べているとスージーさんとエイブさんが帰ってきた。

「王妃様、お側を離れてしまって申し訳ございません。」

「俺…私も謝ります。すぐに連れて帰る事が出来たのに、私が引き止めてしまい申し訳ございません。ご処分はいかようにも受ける所存でございます。」

「2人共、顔を上げなさい。わかりました。ここで、処分を言い渡します。……さっ、詳しく話して頂戴。その2人が手を取り合うまでになった話を。」

「「「「「えっ!?」」」」」

よく見ると、スージーさんとエイブさんは手を繋いでいた。無意識だったらしく、パッと手を離す2人。

「さあさあ、ここで2人の恋バナを話すのが2人への処分よ。ふふふっ。」

「あははは、そうですね。それは、かなりの処分だと思います。」

と、私も王妃様のお茶目にのると当の本人達は顔が真っ赤になる。

2人はしどろもどろになりながらも、お互いの好きになった時の話や個室を出てから2人が話し合ったことを話してくれた。今は顔だけじゃなく耳や首まで真っ赤になっている。

「へぇ〜。じゃあ、どちらも一目惚れだったんだ。しかも、2人ともお互いの食べ方で惚れるって、食いしん坊だね〜。」

「うふふふっ。まあ、それだけマナーだけじゃなく美味しそうに食べてたのね。スージーは、エイブが退団した時なんてずーっと泣いていたものねぇ〜。」

「この前、私と会った時に話してくれたらラブレターでも何でも配達したのに〜。」

「いえ、そんな、恥ずかしくて……。でも……書いたら読んで下さいますか?」

「あ、当たり前だ。上手いこと返事は書けないかも知れねーが、大切に読ませてもらう。」

「「「「………。」」」」

もう、見ているこちらが恥ずかしくなるわ……。

続きは2人だけの時にして欲しいわ。

「あー、で、これからどうするの?」

「お嬢、どうってなんだ?」

「いや、結婚とか?」

「け、け、け……。」

「アミー様、妖怪けけけが出ましたよ。」

「うん、出たね。ようやく赤み引いたのに真っ赤ね。」

「お2人とも揶揄わないで下さいまし。」

「「は〜い。」」

「け、結婚は……出来たら俺は願ったり叶ったりだが……現実はそう簡単じゃねーんだよ、お嬢。その……俺は平民だし、スージー…さんは貴族令嬢だし。許してはくれないだろうよ。」

「ん〜、身分差かぁ〜。ちなみに、スージーさんの気持ちは?」

「私も、出来るならエイブさんと添い遂げたいです。私は……身分だって捨ててもーー」

「それはダメだ!……家族に祝ってもらわずに結婚だなんて、俺はできない。」

「そーねー。結婚のことは置いといて、まずは半年程付き合ってみたら?結婚はその後で考えても良いんじゃない?」

王妃様が話をまとめる。

料理屋を出て、そろそろ帰るかとなった時

「あっ、アミー様もう少しだけ時間ある?」

「ん?大丈夫だけど、どうしたの?」

「ちょっと、気になることがあって……。さっきスパイス屋に行った時に店のおばちゃんが腰を痛めてたの。転んで腰を打ったらしくて。ファーストエイドをしたけど、何か違和感を感じたの。もしかしたら、骨にヒビいってそうで……。」

「そうなの……。そこの店主さんと何か繋がりがあるの?」

「ううん、初めて行った店。」

「じゃあ、そのおばちゃんを治すメリットは?」

「スパイス屋は王都に1つしかない。スパイスが常に買える。そしたらカレーがーーー」

「よし!案内して。」

「「「「はーーっ!?」」」」

「えっ?だってカレーだよ?ちゃちゃっと治すだけでカレーが食べれるなら、やる!!」

「お嬢、王妃様がそれだけ言うほど美味いのか?」

「「美味い!!」」

「さっ、案内して。」

「あっ、その前に日本食の在庫補充する?」

「するする〜。スージー、お願い。」

スージーさんがストレージを展開して、中から前にも見た時間停止付き収納袋が出てくる。

「今日はリクエストされていた……ハンバーガーとフライドポテトセットを4つ、芋煮、あと待ちに待ったご飯だよ。塩にぎりと炊き込みご飯のおにぎり、……他に欲しいのは?」

「ん〜、あっ、トンカツと唐揚げが子供達に人気でそれが欲しいのと、ドライフルーツはある?」

「了解。トンカツはソースが入ったから小瓶に入れてるよ。ドライフルーツはミックスを侍女トリオ分もね。」

「私達分まで、ありがとうございます。」

その後、スパイス屋に王妃様と行きおばちゃんの腰を診てもらった。案の定、腰の骨にヒビがいっていたようだった。手遅れにならなくて、本当に良かった。

「じゃあ、またね。ジョアンちゃん。次は待ち合わせしましょう。」

「はい。ありがとうございました。そうですね、その時はエイブさんを護衛で連れて来ますね。」

「お、お嬢……。」

「うふふふ、じゃあ、私もスージーを。んじゃね。」シュン…。

「さっ、帰ろっか。色々とお父様にも話あるしねー、ねっ、エイブさん。」

「あー、そうだな。……お嬢、本当にありがとう。」

「ん?何が?」

「いや、そのスージーとのことだ。お嬢の後押しがなければ、きっと想いも告げれなかった……。」

「うん……でも、良かったね。」

「ああ、お嬢には感謝してもしきれないな。」