軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

113.ファンタズモの街へ

ファンタズモに来てから、1週間がたった。お祖母様直々に鍛練を指導されたり、仲良くなった料理長のマックさんと料理しまくったり、お祖父様から乗馬を習ったり楽しかったけど……でも、私は不満です!!

未だに街に行ってないから、生魚を食べていない!!

マックさんの魚料理は美味しいよ?でも、違うの!私が求めているのは、生魚!!刺身なの!!

という事で、やって来ましたマーケット!!

みんな予定があるので、メンバーは私とサラとアニーとザック。さすがに未成年だけだと心配だというので、キラさんとお祖父様の私兵団のガッツさん。ガッツさんは漁師の息子さんということもあり、魚に詳しいそうだ。ちなみにキラさんと同じ年で、ガタイが良くて、日焼けが似合うイケメンさん。

小高い丘の上に建つお屋敷から街まで散歩がてら歩くことになった。歩きながらガッツが

「で?お嬢さんは何を見たいんだ?」

「生魚を食べたい!!出来たら刺身が良い!」

何が見たい?と聞かれたのに、食べたい!と答えたジョアンを見て、全員が苦笑する。

「いや、ほら綺麗な貝殻のアクセサリーが見たいとか、海岸で水遊びしたいとかは?」

「ん〜アクセサリーはお母様にお土産にしたいから見たいかな?水遊びはきっと身長的にすぐ足がつかなくなるし、水着を着るならボンキュッボンになってからでしょう?」

「なんだ?ボンキュッボン?って。」

「えっ?だから、胸がボーン、腰がくびれてキュッ、でお尻がボン。」

「「「はっ!?」」」

ガッツさん、ザック、キラさんが驚く。サラとアニーは顔を赤くしてる。

「だって水着着るなら出るとこ、出ないとでしょ?」

「えっ、えっ、待って待って。ジョアン、その前に水着って何?」

何でザックがあたふたしてるの?

「泳いだり、水遊びする時の服?あれ? 異世界(こっち) はないの?」

「ないよ。しかも、その……出るとこ出ないとって……どんなの言ってるの?」

「ん〜説明しにくい。ちょっと待って……こんな感じ?こっちがワンピース、これがセパレート、んでこんなのがビキニ。」

ストレージからメモ帳とペンを出して、水着の絵を描く。

「「「「「っ!!!!」」」」」

あら?皆んな真っ赤っかね。何かおかしな事言ったかしら?

「あの、ジョアンちゃん……こちらの世界で水着という物はありませんし、女性が無闇に素肌を出すことはないです。」

サラがこちらの水着事情を教えてくれる。

「えっ?そうなの?じゃあ、どうやって水遊びするの?」

「肌を出さない薄手のパンツスタイルが多いです。」

えー。それって着衣水泳じゃない。

「へぇ〜、じゃあ作ったら売れーー」

「「「売れる!!!」」…あっ。」

あっ、男性陣が食いついた。しかもザックだけ、言い切った後に恥ずかしくなってる。

「まぁ、それはお母様に聞いてみてかな?」

「そんなことより今日は刺身が食べたい!!」

「そ、そっか(色気より食い気か)。わかった。じゃあ、オススメの店に案内するか。」

ガッツさんは何かを諦めて

「やったー!!さ・し・み、さ・し・み……。」

「ジョアン、その刺身コールは止めようか。周りにも迷惑だから。」

ザックから注意される。

去年まで同じ身長だったのに、気づいたら抜かされていた。それから私を注意すること増えたよね?タメだよね?おばあちゃん、悲しいわ〜。

「へーーい。」

「返事の仕方。」

ザックが呆れる。

街へ着くと、そこは活気にあふれていた。

往来を人々の声が飛び交っていて、身なりの良い恰好の人々もいれば、冒険者らしき人々もいる。食材を買いにきた主婦や遊びまわる子供達、いかにも海の男らしいガタイのいい人々もいる。

「じゃあ、昼飯は色んな物食べ歩くか?」

「うん、良いね。それだと、色んな物食べれるし。」

ガッツさんの案内で、露店巡りをする。すると至る所から声を掛けられるガッツさん。

「おう、ガッツじゃねーか。どうした、可愛い子達連れて。サボりか?」

「違うわ!旦那のお孫さんの案内だ。」

とガッツさんに背中を押される。

「初めまして、ウィルの孫のジョアンです。」

わぁ〜、エビの串焼きだわ。

「あっ、こりゃご丁寧にどうも。お嬢さんは、エビ食えるかい?」

「大好物です!」

「じゃあ、これ食べな。」

そう言われてエビの串焼きを渡される。

「ありがとうございます。おいくらですか?」

「いやいや、ウィルの旦那のお孫さんにお代は貰えねーよ。」

「ダメです!タダより怖いものはないですから!」

「……そうかい?じゃあ食べて美味かったら、また買いに来てくれるかい?」

「……う〜、わかりました。遠慮なくいただきます。あっ、お礼にコレどうぞ。」

そう言って、ストレージから甘露芋クッキーを渡す。

「ありがとよ。」

そういうやり取りが何度も続き、ストレージの中は露店の食べ物でいっぱいになってきた。

「なぁー、お嬢さんのストレージどうなってんの?まだ入るの?」

「はい、容量無限の時間停止機能付きです。」

「は?マジで?」

「マジで。」

「いいな、便利で。」

漁師の息子って聞いたけど

「そう言えば、ガッツさんは何で漁師さんにならなかったんですか?」

「ああー、昔ちょっとあって、旦那さんと大奥さんに怒られて改心して、旦那さんたちに恩返ししたくて私兵団に入ったんだ。」

「なるほど〜若さ故の過ちってやつですね。」

「……まぁ、そんなとこだ。」

やんちゃしてたのかしらね?

ツッパることが、男の勲章だわね。

「それに漁師は兄貴が継ぐから、俺は私兵団で頑張ろうと思って。」

「そっか〜、頑張って下さいね。」

「おう。ありがとな。」