軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

超高速 村のパレード 中編

ドラゴン族、天使族、ハーピー族に続くのは、ユニコーンの一団。

ユニコーンたちは、普段の気ままさを隠し、綺麗な二列縦隊を作って行進している。

ユニコーンたちの先頭にいるのは村で産まれたユニコーンだが、その後ろにいるユニコーンの大半は角の治療にやってきたユニコーンたちだ。

最初に治療してから、それほど時間が経たないうちにそれなりの数のユニコーンが村にやってきたけど、どうやって知ったのだろうか?

ユニコーン同士で連絡する方法があるのかな?

本人たちは、「朗報はなによりも速く駆ける」と言っていたけど。

なんにせよ、パレードに参加して賑やかしてもらえるのはありがたい。

ユニコーンの一団に続くのは悪魔族。

悪魔族といっても 四村(よんのむら) の悪魔族ではなく、グッチたち 古(いにしえ) の悪魔族。

ドースやライメイレン、ドライムのところで働いている者たちだ。

揃(そろ) いの真っ黒な軍服っぽい衣装を着て、綺麗な行進をみせている。

その先頭は、なぜかプラーダ。

五村(ごのむら) で働いているプラーダ。

村と関わって長いブルガかスティファノ、もしくはグッチかヴェルサが先頭じゃないのは意外だ。

助産師の悪魔族でもいいと思う。

なぜプラーダなんだろう?

クジで決めたのかな?

おっと、プラーダに文句があるわけじゃないぞ。

どうやって選んだのか気になっただけだ。

悪魔族のあとは俺の乗る 櫓(やぐら) になる。

二メートルぐらいのゴーレム四体に 牽(ひ) かれているのだが、今年の櫓はあまり背が高くない。

二階建てぐらいの高さだ。

なので、櫓が倒れたときに 備(そな) えているミノタウロス族や巨人族が周囲にいない。

この櫓に乗っているのは、俺と 空飛ぶ絨毯(フライング・カーペット) のみ。

本当はルーやティアも乗る予定だったのだけど、ルーとティアはパレードに不参加となった。

セナのように妊娠が発覚したわけじゃない。

ユニコーンの角を巡って、醜い話し合いが行われただけだ。

いや、どちらかが独占しようとしたとかではなく、ちゃんと欲しい人で分け合ったのだけど……

ルーとティアでそっちのほうが少し長い、そっちのほうが少し太いと……

うん、子供たちには見せられない姿だった。

でもって、ルーとティアで技の応酬になったところでラナノーンが仲裁に入り、二人はつまらない喧嘩をしたということで村のパレードへの参加が禁止になった。

言い渡したのはラナノーンではなく、俺だけど。

妥当な罰だと思う。

二人の技の応酬で、屋敷に被害が出たしな。

そう、被害が出たんだ。

二人は野外でやりあっていたんだけど、野外に出る前に屋敷に被害がちょっとね。

あと、ルーがティアに変形キャメルクラッチを決めているところに、ドラゴン姿になったラナノーンの尻尾が直撃して二人が屋敷に戻ってきたときにも少し。

ラナノーンにも屋敷の被害の一因があるので、ラスティから村のパレードに参加するように言われたところがあったりする。

ラナノーンはほとんどドラゴン姿にならなかったから尻尾をうまく 扱(あつか) えず、尻尾が当たってしまったのだろう。

ワザとじゃないのはわかっているので罰とは言わない。

仲裁と言っている。

あ、ルーとティアに怪我はない。

頑丈だと思った。

さて、俺の櫓だが、例年に比べて大人しいというか……まともだと思う。

見た目もあまり派手じゃないし、ごく普通。

いや、いつもに比べてシンプルだ。

だが、この櫓を作ったハイエルフと山エルフが、 揃(そろ) って櫓の上では空飛ぶ絨毯に座るように指示してきた。

絶対になにかある。

用心は 怠(おこた) らない。

頼んだぞ空飛ぶ絨毯。

そう言って空飛ぶ絨毯を 撫(な) でると、俺の乗っている櫓が止まった。

櫓を牽いていたゴーレムたちが、櫓から離れている。

なんだ?

俺の乗る櫓に続く櫓も動きを止めて、近づかない。

ぽつんと置かれたような俺の櫓。

その俺の乗る櫓に向けて、四方から爆走しながら近づく四台の馬車……いや、馬がなく自走しているから四台の車かな?

さすがにこのままじゃぶつかると思ったところで、四台の車は急旋回でスピン……いや、ドリフトか?

四台は俺の櫓の右前、左前、右後、左後に位置取ろうとしているのがわかるが……速度が出過ぎている。

ぶつかる!

そう身構えた瞬間、俺の乗っている櫓が垂直に飛んだ。

いや、跳ねた。

乗っている俺からは見えないが、あとで聞いたら櫓の底から 脚(あし) が飛び出して地面を蹴ったらしい。

そして、浮いた俺の乗る櫓の下に四台の車が停止し、その上に櫓が落下した。

四台の車によって持ちあげられる形になる俺の乗る櫓。

四台の車から出たアームで、俺の乗る櫓が落ちないように固定された。

そして、俺の乗っていた場所が前方にせり出す。

うん、俺は櫓が垂直に飛んだ段階で、空飛ぶ絨毯で空中に逃げている。

なので、櫓には俺は乗っていない。

しかし、これは……

巨大な牛?

遠くから「ドラゴンです」と言われたようだが、気のせいだろう。

羽(はね) がないし、太い尻尾もない。

どう見ても牛。

牛型の櫓!

百歩、譲っても亀!

その牛型の櫓の頭部、俺の乗っていた場所に空飛ぶ絨毯で戻ったのだが……

動かないな?

どうした?

このまま行進を続けるんじゃないのか?

少し待ったあと、見学していたハイエルフと山エルフが数人、牛型の櫓に近づき……

遠くで待機しているハイエルフと山エルフに駄目だと両手をクロスした。

「すみません、合体の衝撃で足部分の車軸に問題が発生しました。

あちらの櫓に移ってください」

予備というか、いつもの背の高い櫓がミノタウロス族と巨人族によって運ばれてきた。

……

残念だったな。

素直に移動。

あ、四台の車はゴーレム動力で、 箱(インテリジェンス・ボックス) たちが動かしていたのか。

箱は壊れてないよな?

よかった。

まあ、改善点がわかってよかったじゃないか。

外でのパレードで期待する。

あと、ドラゴンだと言うなら羽と尻尾を頼む。

あれをドラゴンと認めると、ドースたちが怒るから。