軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

爆発の始末

爆発により、周辺に危険物が飛散した可能性がある。

グッチがそう言い、それをミヨがシャシャートの街のイフルス代官に伝えた。

結果。

シャシャートの街の代官の命令により、シャットの街とその近隣は立ち入り禁止とされた。

一般には公開されていないが、禁止の期間は、グッチが部下を率いて危険物がないと確認するまでの予定。

当然、俺たちによる調査も中断……ではなく、中止。

残念だ。

だが、危ない場所には行きたくないし、危ない場所に誰かを同行させる気もない。

なので、結果オーライ。

先発隊だったリグネと混代竜族の三人には危ない場所に行かせて申し訳ない。

その危険の有無を調べるのが先発隊の仕事だとリグネたちは言うが、俺の気がすまないので 五村(ごのむら) でのんびりしてもらっている。

大樹の村でのんびりしてもらってもよかったのだが、娯楽の面では五村のほうがいろいろと楽しめるだろうからな。

とりあえず十日ほど宿泊費と飲食費は俺が支払うことで話がついている。

ついているはずなのだが……

大樹の村で、爆発に巻き込まれるリグネと混代竜族の三人がいた。

なにをやっているんだ?

爆発からの身を守る実験?

リグネは走って逃げたから無事だが、混代竜族の三人はぼろぼろ……いや、ぼろぼろなのはオージェスだけかな?

オージェスが盾になっているからか。

あれ?

オージェスは炎に耐性があるんじゃなかったのか?

なぜ、ぼろぼろに?

炎と爆発は別物?

シャットの街の爆発は炎が強かったから耐えられたと?

よくわからないが、そういうものか。

まあ、あまり無理をしないようにな。

オージェスを盾にしている二人、盾にする角度とかを研究するまえにオージェスに気を使おう。

あと、ルー、ティア、爆発の威力をもう少し 抑(おさ) えるように。

爆発の音と振動で動物たちが驚いているんだ。

え?

村の動物がこの程度の爆発で驚いたりはしない?

たしかに馬とか 鶏(にわとり) は気にした様子もなかったけどな。

まだ慣れていないのとかいるんだよ。

ペガサスとか。

爆発の音に驚いて森に逃げようとしたんだぞ。

いや、綺麗な隊列だったけど余裕はなかったと思うぞ。

俺の姿を見ても、そのまま森に突っ込もうとしていたから。

クロの子供たちが心配して追いかけていたが……あれ?

追いかけていたから森に逃げたのかな?

まあいいや。

ともかく、爆発の威力は抑えるように。

よろしく。

俺はそう言って、森に逃げたペガサスたちを捜索する隊に合流した。

ペガサスたちは全頭、無事に発見、保護できた。

発見したのはクロの子供たち。

保護したのはザブトンの子供たち。

ペガサスたちは飛んで逃げるから、糸で縛って拘束……失礼、保護した。

うん、ペガサスたちからの文句もわかるが、何頭か魔物や魔獣に襲われ、危ないところだったのだから、糸で縛っての保護は許してほしい。

興奮して、こっちの指示を聞かなかっただろ?

普段からペガサスたちの世話をしている獣人族の娘たちが到着して、やっと大人しくなったわけだし。

怪我はないか?

縛られたストレスだけ?

嫌味を言う元気があるなら、大丈夫だな。

爆発に関しては謝るから、牧場エリアに戻ろうか。

収穫したてのカボチャとサツマイモをやろう。

ん?

ニンジンも欲しい?

わかったわかった。

ただ、馬たちにもやるぞ。

お前たちだけにやると馬たちが 拗(す) ねるからな。

わかってもらえて嬉しい。

おっと、こんな話をしていたと伝わっても拗ねられる。

ここだけの話だぞ。

ペガサスたちを連れ戻り、約束通りにカボチャやサツマイモ、ニンジンの手配をして屋敷に戻るとグッチが俺を待っていた。

危険物の探索が終わったのかな?

大物の危険物が三つ、小物の危険物を十六、回収したと。

やっぱり、危険物が飛散していたのか。

立ち入り禁止の判断をしたイフルス代官は優秀だな。

用心のため、あと数日かけて探索する?

そうだな、安全第一。

よろしくお願いしたい。

それで……ここに来たのは?

その報告だけが目的じゃないんだろ?

俺が危険物の確認をするかどうかの確認に来た?

ありがたいが、信用しているよ。

グッチが危険物を悪用するとは思っていないし、処理もそっちでやってくれ。

もともとグッチが管理していたものだから、 扱(あつか) いもわかっているだろ?

任せた。

俺の返事に、グッチは丁寧に頭を下げた。

絵になるなぁ。

イレがいたら、撮影していたに違いない。

立ち入り禁止が解除されたら、爆発跡を見に行く……必要ないかな?

撮影専用の街にする案は、爆発でご破算だしな。

ミヨはすでに別の場所を選定中だ。

候補としては、短距離転移門の中継地になっている村々が目をつけられている。

交通の便は、文句なしだからな。

観光地としての開発も考えているのかもしれない。

ゴロウン商会のマイケルさんも、ミヨに協力しているようだしな。

ああ、そういえばミヨの助命嘆願書が二通、届いた。

シャシャートの街のイフルス代官と、ゴロウン商会のマイケルさんの息子、マーロンから。

ミヨが捕まったと聞いてすぐに出してくれたようだが、正式なルートでの配送だったので俺の手元に来るのが遅かった。

まあ、ミヨを罪に問うつもりはないし、すでに決着しているので無用の嘆願書になったのだが、ミヨが大事にされていることがよくわかる。

とくにイフルス代官から。

すごく丁寧にミヨの勤勉な様子と、五村に対して配慮している様子を訴え、捕らえられたのはなにかの間違いだから再調査をすべきだと書かれていた。

正しい嘆願書の書き方はこうなんだなと勉強になる。

今度、アルフレートたちに見せよう。

ちなみに、マーロンのほうは……

ミヨが不在になると、ビッグルーフ・シャシャート関連の事業が機能不全を起こすから、処罰するにしても頭と手は残してほしいみたいな内容。

……

アルフレートたちには見せられないな、うん。

ミヨにも見せないように隠しておこう。