軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

帰った人と残った人とやってきた人

武闘会が終わった翌日。

魔王とビーゼルは早朝に帰った。

なんでもグーロンデによる混乱の余波が、まだあるらしい。

そのせいで、ランダンやグラッツ、ホウは武闘会にこられなかった。

俺が悪いわけではないが……まあ、無関係とも言いにくい。

すまない。

できることがあったら言ってくれと魔王に伝えた。

武闘会に少し間に合わず、夜にやってきた始祖さんは滞在。

なんだか酷く疲れた顔をしていた。

忙しいらしい。

フーシュがこられないのも同じ理由。

こちらの忙しいにはグーロンデは関係ないとのことで、俺は一安心。

始祖さんはいま、温泉に行ってる。

癒されてほしい。

ドース、ドライム、ライメイレンは滞在。

最近、村にいる頻度が高い気がするが、どうなんだろう。

滞在は歓迎だが、もともと住んでいる場所は大丈夫なのかな?

ドライムは時々、グッチに連れ戻されているけど。

ギラル、グーロンデも滞在。

ギラルはもうすぐ帰るが、グーロンデはこのまま大樹の村に残るというか定住する方向で話が進んでいる。

できる限りグラルの傍にいたいというグーロンデ本人の希望だからだ。

これまで、グラルを遠ざけていたことを気にしているらしい。

滞在費は十分過ぎるほどもらったし、当面はまだ自由に動かせない身体の回復に専念してもらうとしても、村に定住するなら何か仕事を持ってほしい。

働け、というわけではなく、役割を持ってこそ村の一員になれると俺は思うからだ。

まあ、得意不得意はあるだろうから、ゆっくりとできることを考えてほしい。

とか思っていたら、魔法の達人であると判明した。

村で魔法と言えばルーやティアなのだが、それを遥かに超える魔法使いだそうだ。

魔法の得意属性は闇。

でも、どの属性の魔法でも使えるそうだ。

そして、どの魔法でもルーやティアより上手く使うことができた。

得意技は同時に八つの魔法を使うこと。

まあ、それはそうだろうけど。

人の姿の時でもできるそうだ。

なので、子供たちの魔法の教師に就任した。

子供たち、大喜び。

グーロンデは子供たちに人気だからな。

だが、あまり喜び過ぎると、これまで魔法を教えてくれていたルーやティアが 拗(す) ねるぞ。

ほどほどにな。

グーロンデ、最初は無理せずにのんびりと。

ハクレンやルー、ティアと相談しながら進めてほしい。

よろしくお願いする。

ちなみに、グーロンデは俺の屋敷の客室で寝泊りしている。

グラルのために建てた家があるが、グラルが俺の屋敷で生活しているからだ。

南のダンジョンのラミア族、北のダンジョンの巨人族は、半分が戻って半分が滞在。

もともと、ラミア族と巨人族は秋の収穫の手伝いと、収穫物の加工の手伝いのために来てくれていたが、それが常駐になった。

大樹の村では年に三回の収穫があるから、仕事に困ることはない。

ラミア族、巨人族は大樹の村で仕事をして、その代金として村の作物を持ち帰っている。

滞在している者は、村に出稼ぎに来ている形だ。

その出稼ぎメンバーは、武闘会で交代するようになっている。

なので、武闘会のあとで帰るラミア族、巨人族たちからのお別れの挨拶があるのだが……ちょっと苦手だ。

寂しい。

ラミア族、巨人族は集団でそれぞれのダンジョンに戻るが、護衛としてクロの子供が数頭ずつ同行する。

ラミア族、巨人族だけでも戻れるが、万が一を考えてだ。

護衛が終了したあとのクロの子供たちは、各地で狩りをしながら戻ってくるらしい。

無理はしないように。

マルビット、スアルロウ、ラズマリアの三人は当然のように滞在。

帰る気配を見せないどころか、倉庫からコタツを引っ張り出して冬の準備を早々に始める始末。

まてまて、コタツで完全武装はまだ早い。

あと、天使族用の別荘に行かないのか?

行かないのか。

そうか。

屋敷の客室に泊まるのね。

構わないが、別荘を掃除してくれているスアルリウ、スアルコウに感謝しておくように。

それと、まだ先だが秋の収穫は手伝ってもらう。

文句を言わない。

でもって、マルビット、スアルロウ、ラズマリアの三人に遅れてやってきたルィンシァ。

マルビット、スアルロウ、ラズマリアの三人を一方的に叩きのめした。

武闘会で言ってた、天使族の 長(おさ) の重さとはなんだったのか。

あと、スアルロウが元天使族最強だったというのは嘘じゃないかな。

最近、そう思うようになった。

武闘会の疲労?

そういうことにしておこう。

それで、ルィンシァ。

マルビットはわかる。

スアルロウ、ラズマリアを叩きのめしたのは?

ああ、彼女たちも仕事をさぼったのね。

わかったが、ラズマリアは許してやってくれ。

孫に会いたかったんだろう。

気持ちはわかるだろ?

すまないな。

マルビット、スアルロウ、うるさい。

ルィンシァは三人から、グーロンデとの会談の結果を聞いた。

聞いたあとで、俺に確認したことから、あの三人を信用していないのだろうか?

違う?

内容が内容だから、裏付けが必要?

特に片方の受け取り方だけを聞いて、全てを理解したつもりになるのは危ないと。

なるほど。

確かにな。

じゃあ、ルィンシァとグーロンデの会談の場も用意しよ……断られた。

別に構わないけど。

ルィンシァはこのまま滞在するのか?

春までいる。

了解。

去年の武闘会では一般の部をトーナメント形式にしたが、今年はまた例年通りに一対一の形式に戻した。

一般の部出場者にはトーナメント形式での連戦は厳しいと判断したからだ。

それと、参加希望者の数が多過ぎる。

ガス抜きとは考えていないが、この日を楽しみにしている者もいるので、戦える回数を重視した。

何回も戦いたい者は、何度も参加すれば問題ないだろう。

一対一の形式に戻したことによるデメリットは、明確な優勝者が決まらないこと。

なので子供たちが不満を持った。

だからだろう。

いま、子供たちだけで武闘会の真似事をしている。

消化不良だったかな。

ガルフとダガが審判をやってくれているので安心だ。

あと、ウルザは子供たちの指導に回っている。

さすがは前回、一般の部優勝者。

そう思いたいが、実は違う。

ウルザは先日の武闘会で戦士の部どころか、騎士の部に出場しようとした。

しかもその時、俺がグーロンデからもらった剣を持って。

ウルザを止めるのに、死霊騎士が犠牲に……頑張ってくれた。

死霊騎士が本気で相手すればすぐに制圧できただろうが、ウルザが子供なので手加減したのが悪かった。

ウルザを止めるも、死霊騎士は負傷。

俺と山エルフたちで作った盾、活躍するも壊された。

ウルザの力もあるが、あの剣の力が大きかったのかもしれない。

屋敷の客間に飾っていたが、封印するべきだろうか。

なんにせよ、勝手に持ち出したウルザには罰を与えた。

その罰の一つが、武器の携帯禁止。

なので子供たちへの指導に回るしかなかったのだろう。

反省するように。

現在、死霊騎士は大樹の村で治療中。

死霊騎士という存在なので、治癒魔法ですぐに回復とはいかないそうだ。

治療中の死霊騎士の代わりに、温泉地には獣人族の女の子が数人、行ってくれた。

ライオン一家と仲良くしたいとのことで、よろしくお願いする。

温泉地に残っている死霊騎士二人への説明は俺がやった。

本当に申し訳ない。

その時、気付いたのだが……

見知らぬ人というか……見知らぬガイコツがいた。

死霊騎士、増えた?

違う?

死霊魔導師。

ポーズを決められても、持っているのが掃除用のブラシだとちょっと……

最近、ここに来たばかり?

挨拶が遅れて申し訳ない?

大樹の村に行った死霊騎士が紹介する予定だったと言われると、何も言えなくなる。

ははは。

死霊魔導師も、温泉地で働くことになった。

ちなみに、死霊魔導師は女性だ。

なので服は着てもらえるかな。

いやいや、俺はガイコツ姿に欲情したりはしないぞ。

ただ、女性でしょ?

せめて腰と胸は隠そう。

用意するから。

魔導師っぽいのがいいのね。

わかった。

ザブトンに頼んでみよう。