軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

異世界物のお約束 リバーシとチェス

ティアの翼は飾りではなく、飛べる。

なので、白いドレスの下はズボンだ。

漫画やアニメのように、そうそうパンツを見せびらかしたりはしない。

パタパタパタ……

飛行時の速度はそれなりにあるらしいが、疲れるので頻繁に飛んだりしていない。

畑の近くで飛んで、ザブトンやザブトンの子供たちの糸に引っ掛かり、無様な姿を三回ぐらい晒してからは尚更だ。

背中の翼は収納自在で、出したり引っ込めたりできる。

理屈がわからないので深く考えないことにした。

異世界、魔法の二言でなんでもアリになるし。

同じく、ルーも飛べる。

こっちは翼が無くても飛べるらしい。

ただ、飛行は得意ではないと言っているので、本当にそうなのだろう。

俺のいない所で、練習していたりしている。

ちなみに、ティアと同じくザブトンたちの糸には何度か迷惑を掛けている。

料理に関して、ルーやティア、リアたちは似たような腕だった。

基本、焼くか煮るだけなのだから。

ただ、どうもここの作物の味は、他の場所の物よりも格段に良いらしく、誰からも文句は出ない。

逆に褒められる。

嬉しいが、それもこれも【万能農具】のお陰。

大きな木に作った社に手を合わせる。

信仰を強要する気はなかったが、俺が手を合わせているのを見たルーたちも社を無下には扱わない。

そういえば、この世界の宗教はどうなっているんだろう?

ティアとかが詳しいかな?

天使族とか言ってたし。

まあ、暇な時にでも聞いておこう。

俺は焼く、煮る以外にも蒸すや揚げるを知っている。

また焼くの変形、炒める。

煮るの変形、茹でるを知っている。

調理器具や調味料が少なく、また牛乳や卵が無い状態なのでできることが少ないが……

つまり、何が言いたいかというと……

俺が料理当番になる回数が多いということだ。

それは構わないが……

数居る女性陣が、誰も俺から学ぼうとしないのはなぜだろうか。

余談だが、自分のミスに気付いた。

胡椒。

あれは植物だ。

【万能農具】で育てることが可能だろう。

今からは厳しいだろうが、来年は胡椒をゲットしたい。

あと、レモンやワサビ、ゴマ、トウガラシ、ショウガ、オリーブなども。

考えてみれば、調味料って植物だ。

冬。

俺は寝床の小屋に篭って内職的に木や石を削る。

ルーとティアが同居しているので、若干の狭さを感じる。

最初は一人用としてしか考えていなかったからなぁ。

来年の春、新しい寝床となる家を作ろう。

ルーとティアは、俺にはよくわからない魔術的な下準備をしている。

見た感じ、薬草作りみたいだ。

夏や秋の間に材料を集め、地下室で保存していたらしい。

ちなみに、さすがに二人も現状では狭いと感じているのか、新しい家と研究室的な小屋をおねだりしてくる。

現在、間取りの話し合いを時々している。

リアたちも、冬の間は自分たちの家であるログハウスに篭る。

食料やマキなどは冬になる前に、分けておいたので問題無いはずだし、問題があれば連絡してくるように手配している。

リアたちの冬場は、草や藁を使った小物作りだ。

カゴやカバンを量産している。

俺の作るお盆や箱では重いので、助かるといえば助かる。

クロたちは完全に小屋でまったりモード。

ザブトンは冬眠しているのか姿を見せない。

ただ、冬眠前に大量にタオル地の布を作ってくれたので色々と助かっている。

まあ、その、励むと色々と汚れるから。

さて、冬の間だが……黙々と内職だけをしているワケではない。

娯楽は必要だ。

ルーやティア、それにリアたちが増えた事でやれる事が増えた。

異世界転生物の定番、リバーシを作ってみたら、良い感じでウケた。

特にリアたちの間で流行った。

同様にチェスを作ったら、これはルーやティア、そしてクロたちに受けた。

なんとクロたちはチェスのルールを理解した。

リバーシのルールも理解しているみたいだが、口で掴み難いのでイマイチらしい。

なので、口で操作しやすいチェスは好評だった。

とりあえず、チェスはコマの種類がわかればOKなので、噛みやすい形とサイズにしたバージョンを作り、クロたち専用にした。

時々、それなりの人数で囲んで楽しんでいる。

その様子を見ていたが……多分、俺より強い。

威厳を保つために、勝負を挑まない方が正解だろうか。

クロたちは賢いから、こっちに花を持たせてくれるかもしれないが、そんな事をされると俺の心が折れる気がする。

ルーやティアとヘボなチェスをしている方が、お似合いかな。

あ、こら、ルー。

クロに挑もうとするな。

ボコボコにされるぞ。

精神が。

……

三日間ぐらい、落ち込んでた。

冬の間、天気が良い時は、気分転換に外に出て丸太柵や掘のチェックをする。

冬場はザブトンたちの見張りが無いから、油断は出来ない。

クロたちなら、丸太柵や掘は飛び越えてくるしな。

リアたちの家を囲う高めの壁を作った方が良いだろうか?

森に行って獲物が居れば新鮮な肉の確保になるが、そうそう出会えたりできない。

本当に気分転換で終わる。

……

軽く積もった雪を集め、雪ダルマを作った。

その雪ダルマに、ティアが目を輝かせていた。

以後、ティアは隙を見ては雪ダルマを作るようになった。

手がシモヤケにならないか心配だったので、余っている布で手袋を作ってやった。