軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

冬が短く春が来た

今年の冬は短かった気がする。

ルーが居るからだろうか。

ともかく、春が来た。

今年の目標。

水路の完成。

頑張ろう。

今年最初の畑作業を行う。

いつも通りに畑を作り、今年からの作業として北側に果実エリアを作ることにした。

大きさは五十メートル四方を一面とした畑を四面×四面の十六面。

最初に植えた果実系の木は実をつけていないが、良い感じで成長を続けているので大丈夫だろうとの判断だ。

それに、果実系の木は世話がそれほどいらない。

害虫対策にザブトンの子供たちが頑張ってくれているので、俺の苦労は最初だけだ。

ザブトンの子供たちも身体が大きくなってきたし、この辺りの木が新しい寝床になってくれればとも思う。

育てる木は、リンゴ、ナシ、ミカン、オレンジ、カキ、モモの初期実験メンバー。

それに加えて、ブドウ、パイナップル、バナナ、サクランボ、クリとやってみる。

後は、多めにお茶を。

ルーと俺とでお茶を消費すると、意外と減ったからだ。

後で茶摘の手間に苦労するが、それはまた別のお話。

クロたちはチラホラと森に行って狩りを始めた。

今年の初獲物は、巨大な猪だった。

相変わらず、持ち帰れないので俺を呼びに来た。

まあ、野生ならその場で食べるから問題無いんだろうなぁ。

だが、良い感じのペースで肉を確保できている。

このままの勢いだと、この辺りの森から獲物が無くなったりするのではないだろうか?

ある程度、ペースを調整した方がいいのかな?

少し、悩む。

悩んでいると、クロたちの角の生え変わりが始まり、落ちた角を拾ってそれぞれの小屋に飾る。

クロイチたちの子供たちも角が生え変わったら、パートナー探しに出掛けるのだろうか。

無事に戻ってきてくれるといいが……

と思いつつ、このペースで増えるとヤバイんじゃないかなとか思う。

ま、まあ、その時はその時で。

ともかく、クロイチたちの子供がパートナー探しに出る事を覚悟して生活していると、俺とルーが寝床にしている小屋の前にザブトンの子供たちが集まっていた。

なんだ?

この雰囲気、ひょっとして……

ザブトンの子供たちは、俺に向けて片足を上げて挨拶した後、お尻から糸を吐き出して風に乗せ、次々と飛んでいった。

お前たちもパートナーを探しに出掛けるのか。

……

いきなりだなぁ。

お前たちの為に果実エリアを作った一面もあるんだぞ。

クロたちと違って、戻って来ない気がしたので涙が出てくる。

泣いている俺の前にザブトンが来て、大丈夫と片足を上げた。

ザブトンの後ろには、旅立たなかった子グモたちがまだ何匹もいた。

お前たち……

そうか。

残ってくれるのか。

そして……そのさらに後ろに、拳大サイズの子グモが無数にいた。

……そっか。

春だもんな。

子グモたちの旅立ちの少し後、予想通りにクロイチたちの子供がパートナー探しに出かけた。

予想外だったのは、何匹かは出掛けずに残ったことだ。

見ると、残ったメンバーでカップルが成立していた。

なるほど。

クロの新しい子供たち、クロゴ、クロロク、クロナナ、クロハチは全員出かけた事から、ある程度の血縁は自然と避ける事を理解しているのだろう。

クロたちは賢いしな。

唯一名前を付けたエリスの子のフブキは、アリスの子の一匹を捕まえ、居残り組だ。

アリスの子がボロボロになっているけど、まあ、その……うん、仲良くしてほしい。

俺は新しいカップルと、戻って来るであろう子供たちの為に犬エリアに小屋を建設する事が日課になった。

だが、さすがに今後を考えると一戸建ての小屋はスペース的に無理だ。

なので大きめの長屋風の小屋にチャレンジしてみた。

完成した感じは馬房かな。

悪くない出来だと思う。

思いたい。

パートナー探しに出た子供たちの数を考え、何棟か作った。

良い感じに暖かくなってきたので、ザブトンが作ってくれた新作の服を着る。

相変わらず、俺よりもファッションセンスが良い。

服のお礼をしようと色々とファッション関係のアイテムを試行錯誤した結果、木製マネキンが喜ばれた。

マネキンかぁ。

俺サイズとルーのサイズで作り、渡しておく。

これからもよろしくお願いします。

ちなみに、木製のハンガーはすでに何個も作り、服の収納に役立てている。

旅立たずに残ってくれたザブトンの子供たちも、複雑な形は無理だが袋みたいな物は作れるようになってきているらしい。

貰った袋に草を詰めて座布団のような物にしたら、次からはそれに適した形にしてくれた。

座布団はルーが気に入っている。

今までが木や石に座っていたから、柔らかい方が良いのは当然だ。

ルーはトイレ用の座布団を作ろうと頑張っていたが、O字型の穴のサイズで苦労していた。

なので、O字型ではなく、U字型を提案。

喜ばれた。

そして、ザブトンの子供たちから凄いと感動の目で見られた。

前の世界の知識だから、恥ずかしい。

その後、調子に乗ってソファーっぽい物を作ったりした。

それより先にベッドじゃないかなと、ルーに言われた。

なるほど。

夜のお誘いか。

頑張ろう。