軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

アースラットの穴 西側

私はラスティスムーン。

干し柿の好きなドラゴンです。

少し前までは色々とやっていましたが、最近はかなり大人しくなったと自負しています。

そのことをお父様やお爺様にも褒められたのは嬉しいのですが、やはり私はどこかでやらかすようです。

北のダンジョンの崩落。

ハクレンお姉様と共にブラッディバイパーを乱獲した時に起こした失敗です。

崩落を起こした時は、あんな狭い場所にいるブラッディバイパーが悪いと思ったのですが、事態が一変しました。

村長が巨人族に頭を下げたのです。

私たちの行いを村長が代わって、頭を下げたということです。

村長という立場からすれば当然の行動かもしれませんが、私にはショックでした。

私たちの行動で村長が頭を下げなければならないということに。

そして、私以上にショックだったのはハクレンお姉様でしょう。

村長の謝罪後、笑っていません。

微笑んでいますが、怒っています。

多分、自分にでしょう。

怒りを私や巨人族に向けないだけの分別はあるようですが、怖いです。

ですが、わかります。

私も自分に対して怒っていますから。

これを鎮めるには、何かしらの手柄が必要だと思います。

それで赦されようとは思いませんが、今の気分をなんとかすることには役立つでしょう。

なので、多少面倒でもアースラットが出てきた穴の調査を行います。

凶悪な者でもいてくれれば、気も休まるのですが……

封印された悪魔とか、魔神とかいないものでしょうか。

物騒なことを考えてしまいました。

反省。

村長はそんなことを望んでいないでしょう。

穴を調べ、安全であることを確認し、巨人族の生活を脅かさないことがわかればいいのです。

ダンジョンの崩落現場は、かなり深い位置になります。

ブラッディバイパーが多くいたので覚えています。

それゆえ、崩落させてしまったのですが……

その件は忘れましょう。

崩落現場から下に向かい、アースラットが出てきた穴に潜り込むと、そこはトンネルのような場所でした。

崩落によって、トンネルの途中に穴を開けてしまったのでしょう。

トンネルは高さが五メートルぐらい。

かなり広いですね。

東西に向かって伸びています。

東にいるアースラットが掘ったのですから、東から西に伸びたトンネルなのでしょう。

さて、どちらに向かうべきか。

「ラスティ。

私は東に向かいます。

貴女は西に」

ハクレンお姉様の命令には逆らえません。

素直に従います。

私の同行者は、吸血鬼のルーとフローラ。

ハイエルフのリア。

悪魔族のブルガ、スティファノ。

それに、ザブトンさんの子供たちが半分ほど。

ハクレンお姉様の同行者は、鬼人族のアンとザブトンさんの子供たちが半分。

そして、吸血鬼の始祖。

この吸血鬼の始祖。

お爺様からはできるだけ敵対するなと言われています。

それだけの強さなのでしょう。

しかし、絶対ではないのですよね。

村長の場合は絶対だったのに……

なぜでしょう?

喧嘩になった後、仲直りする方法を知っているからでしょうか?

まあ、村長とも仲の良い始祖と、わざわざ敵対する理由もありません。

それはハクレンお姉様も同じ。

であるなら、頼りになる者として期待しましょう。

……

ハクレンお姉様が暴走した時、鬼人族のアンとザブトンさんの子供たちを守ってもらわないと村長に怒られてしまいます。

そんなことを考えていると、吸血鬼の始祖は私に向かって任せろと手を振ってきました。

私はそんなに心配そうな顔をしていたでしょうか?

それとも、心を読めるのでしょうか?

そうだとすると凄いですね。

ドラゴンの心を読めるとは……

心の中でお爺様をイジった軽いジョークを言ってみました。

反応なし。

大丈夫なようです。

心が読めるなら笑うなり噴き出すなりするはずですから。

まさか、ジョークがつまらないワケないですよね。

さて、真面目に西に向かって調査です。

では……

私は大きく息を吸い込み、一気に火を噴きました。

人間の姿をしていますが、これでもドラゴンです。

五分ぐらいでしょうか。

火を放出し続けたので、雑魚はケシズミになっているでしょう。

残っているのが元凶か何か知ってる生物でしょう。

きっと。

さて、行きましょう。

呆然としている同行者たちを促がしました。

ちなみに、ハクレンお姉様も同じことをやっています。

怒られました。

洞窟内で火を使ってはいけないそうです。

てっきり、それは村長を同行させない建前だと思っていたのに……

「ドラゴンは大丈夫かもしれませんが、私が持ちません」

ハイエルフのリアがそう言います。

なんでも洞窟内で火を使うと、生き物が死んでしまう空気になるそうです。

そういえば昔、聞いたことがあったようなないような……

ドラゴンにはあまり関係無いので聞き流したような気がします。

「空気が流れているので大丈夫のようですが……」

大丈夫なら問題なし。

調査を続けましょう。

トンネルを歩くだけ。

途中、私の炎でケシズミになった何かを見つけましたが、それだけです。

正直、退屈です。

休憩でブルガやスティファノが用意する食事がとっても楽しみになります。

トンネルが続くのですから進まないといけません。

リアが言っていたように、空気は流れているようなので行き止まりということはないでしょう。

いい加減、どこかに到達しないかと思って……数日。

到着しました。

広場です。

広場は変形した球形で、綺麗な形ではありません。

ただ、その球形の底に、真っ黒な大岩が刺さっています。

「何かの封印?」

黒い大岩に何か文字が彫られているので、そうなのかもしれません。

これが目当てでしょうか?

この辺りにあると探したので、広間みたいな大きさに?

その岩の真上に、縦穴があります。

風がそこに向かって吹いているので、地上に繋がっているのでしょう。

「偵察してくるわ」

吸血鬼のルーとフローラが縦穴に向かいました。

人の姿のまま飛べるのは少し羨ましいですね。

なんにせよ、歩いた距離からはまだ死の森でしょう。

西の山にぶつかる距離を移動したとは思えません。

……

すぐにルーとフローラが戻ってきました。

そして私たちに警告を発します。

「アンデッドよ!」

ルーとフローラを追いかけたのか、穴からボトボトとスケルトンやゾンビが落ちてきます。

そのまま黒い大岩にぶつかり、動かなくなるのがマヌケですね。

厄介なのはゴーストと呼ばれる浮遊するタイプ。

ゴーストには普通の攻撃は効かないので、魔法で攻撃するのが一番。

だけど……

「全員、私の後ろに」

私の吐く炎なら、燃やし尽くせる。

私は全力で炎を吐き、やってきたゴーストを焼却。

同時に落ちてきたスケルトンやゾンビも焼却。

そのまま穴に向かって吹き続けました。

多分、私の吐いた炎は地上に噴出したでしょう。

その周囲にいたアンデッドも燃えたはずです。

ははは。

……

あれ?

ひょっとして、地上は大惨事?

やばい!

怒られる!

ルーに運んでもらい、地上に出ると周辺の森が燃えていた。

ドラゴンの姿に戻って風を起こして……鎮火できない。

体当たりでゴロゴロ……鎮火。

うう、どうしてこんな目に……

でも、頑張ります。