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作品タイトル不明

閑話 奇跡をもういちど

閑話 奇跡をもういちど

サイド なし

雨が、降り始める。

自慢だった赤い髪に泥を塗り、亡き兄と考えていた軍服を草と土で汚して、女王はたった100人の手勢と息をひそめて進んでいた。

その歩みは、まるで亀のような速度。絶対に失敗はできないと、逸る気持ちを理性で抑えつける。

───次は、ない。

約2万5千対、4千弱。

どれだけ無能な指揮官でも、勝てるような戦力差だ。しかし、それは『2万5千』がきちんとした軍隊ならの話。

アナスタシア女王は、歴史に名を遺す傑物である。英雄ノリス国王の後継者にして、猛将ガルデンを従えた魔王。

そう、彼女は全力で 演(・) じ(・) て(・) きた。

そうあれと、振舞ってきた。

そうでなければ、あっという間に連合軍など散り散りになる。今でさえ、そこら中に亀裂が走っているのだから。

冷静に考えれば、当たり前のことなのだ。オールダー王国という小国の、所詮つなぎでしかない女王。10代の小娘に、スネイル公国の者達全てが心から従うのか。

答えは、半分正解で、半分不正解。

彼女の努力で掌握できた将兵は、およそ1万2千人。残りの1万3千人は、アナスタシア女王を出し抜く機会を窺っている。

それでも、アナスタシア女王は本人が思っている以上に優秀だ。兄と同じ歳となる頃には、彼と同等の王になっているだろう。

だが、それでも掌握しきれない程に、ストラトス家の打ち込んだ楔があまりにも大きかった。

彼女の地盤である、オールダー王国との連絡途絶。

カール伯爵が息子と娘の為に残した、2つ目の策。

そして、人竜の起こした奇跡。

前者2つは、アナスタシア女王ではどうすることもできない、手が回らないことであった。

しかし最後の1つは、彼女自身が招いたことだった。失策とも呼べない、理不尽過ぎることではあるが。

常識で考えれば、幾らストラトス家でも、聖都から下された魔女認定を覆すなどできるはずがない。

人竜の処刑は、 帝(・) 国(・) が(・) 許すわけない。

ならば政治と宗教という戦場で、言葉と手紙、そして金銭の応酬で殴り合い、人竜の動きを鈍らせる。

それができなかったとしても、彼と直接会って交渉できるテーブルを用意できれば十分。

もしも人竜を、ストラトス家を引き抜くことができたのなら御の字。最上と言える。スネイル公王からの後継者になれという話を受けて、アナスタシア女王の代で大陸の統一も可能だ。

そう、考えていた。

まさか、全てをショーに変えてしまうだなんて、魔女裁判の前日までは思っていなかった。

引き抜き交渉まで失敗し、せめてとアナスタシア女王は『銃身内部の溝』と『人竜の人となり』という情報だけを手に、帰還した。

家臣達には『計画通り』という顔を見せて、内心は恐怖と屈辱に打ち震えながら。

兵士達は、魔女裁判の奇跡に動揺している。信心深い者など、『自分達は神敵なのではないか』『神に見捨てられたのか』と、武器を握ることすら覚束ない。

戦場に身を置く者にとって死は身近なものであり、それ故に死後の安寧を保証してくれる宗教というものに、すがりつく。それゆえの、致命傷。

そしてあの魔女裁判の真の主催者はアナスタシア女王と知るスネイル公国の将達の心は、彼女から離れてしまった。余計なことをした小娘め、と。

だが、魔女裁判を起こす程にアナスタシア女王はストラトス家を恐れていたのだ。

既に、『工場』なる物がストラトス家には多数あることを彼女は掴んでいる。その生産力、その技術力が、皇領にも広まり始めていることも。

国力が、地力が違い過ぎる。帝国は強大な。このまま冬に入れば、息を整え4カ国合同で行った弱体化作戦の効果も薄れるだろう。なんせ、既にホーロスは堕ちているのだ。包囲網は、崩壊している。

これ程の好機は、もう作れない。そう思った理由は、残念なことにこれだけではなかった。

『もって、半年でしょうなぁ』

いつものように、『もう引退です詐欺か?』と。彼女は古くから仕えてくれている猛将に笑いかけた。

しかし、実の祖父のように思っていた猛将は……『もはやお見せできる顔ではない』と言って、馬の仮面をつけたまま何も答えなかった。

それが、もう3カ月も前のこと。

雨によって急に気温が下がった中、アナスタシア女王は白い息を吐く。

ホーロス王国の錬金術師達は、ノリス国王の葬儀から1カ月程で帰国してしまった。彼らの改造の影響か、ガルデン将軍の肉体はより強靭になり、代わりとばかりに人だった部分が紫色の肉に飲まれていった。

どうにか錬金術師達を呼び寄せようと、ホーロス王国が陥落前に人を送るも、黒づくめの者達に全て阻止されてしまう。この技術は、後に残すべきではないという、言葉と共に。

───次は、勝てない。今しか、ない。

姉妹のように育ったメイドに、赤いカツラと軍服のコートを渡して影武者を頼み、今生の別れかもしれないと思いながら女王はここに来た。

皇帝の首を獲る為に、奇襲を仕掛けるのはこれで2度目。奇襲とは初見殺しのようなもので、何度も使って良い戦術ではない。

だからこそ、2度目をやる価値がある。帝国は女王を『魔王』と認識してその能力を高く見積もり、その上6倍以上の軍隊を率いているのだから、なおのことこんな無茶をするはずがないと思っていたのも大きかった。

それでも、警備は厳重。そもそもあの時、コーネリアス皇帝を討った時は、事前に用意した裏切り者の誘導があった。

皇帝が独自に放った斥候を躱したのは奇跡ではなくとも、裏切り者の有無は大きすぎる。

その日雨が降る事を、そして今日も雨が降る事を、彼女らは知っていた。

何も特別なことをしたわけではない。地元の者達から情報を集めた。ただそれだけ。

あの時はオールダー王国内であり、今回の戦場は最近ストラトス家の領地になったばかりで、支配が行き届いておらず、制圧の際に身内が死んだ者もいる土地だった。

ストラトス家の者には気象について嘘を教え、連合軍には本当のことを言う。そう、仕向けることは難しいことではない。少なくとも、アナスタシア女王はそう考えている。

「ふぅぅ……」

深く、彼女は息を吐いた。

丘の周囲に生えた、まばらな木々。その陰に隠れ、クリス皇帝が陣を敷く小高い丘を見る。

あの時は、ノリス国王とガルデン将軍、更に変装して勝手についてきたアナスタシア女王。そしてモルステッド王国の精鋭騎兵達による、二手に別れての奇襲だった。

それでなお、皇帝を討ち取るのに死力を尽くしたのは、彼女にとって衝撃だった。

もしもあの時コーネリアス皇帝が寝巻ではなく鎧姿だったら。もしものあの時、彼の振るう剣が皇族に伝わる魔剣だったら。もしもあと10年、皇帝が若かったら。

きっと、3人纏めて返り討ちにあっていただろう。

その後継者である、クリス皇帝。『彼』自身はそれ程の強者ではないが、周囲にいる親衛隊は手練ればかり。

このまま行っても返り討ちにあうだけだが、連合軍に陽動に回せる戦力がない。

「兄上……」

アナスタシア女王が、ゆっくりと逆手に握っていた槍を振りかぶる。

距離はまだ遠い。皇帝の姿も見えていない。彼女が狙う先は、雨が降り注ぎ雷鳴が轟く空。

「我らを助けてくれとは、言いません」

それは、小さい頃の思い出。

ガルデン将軍に無理を言って、『凧』を嵐の中どこまで高く上げられるかを試した日。

「どうか」

その凧には、ノリス国王が『格好いいから』という理由で金属の部品が使われていて。

「私達の戦いを、笑ってください……!」

何よりも高く掲げたその凧に、稲妻は舞い降りたのだ。

彼女の投げた、簡素な槍。その穂先へと、吸い込まれるように電撃が降ってくる。

それは、賭けだった。分の悪い、賭けだった。

───ゴォォォオオオッ!

眩い光が周囲を照らし出し、遅れて腹に響くような轟音が響き。

その後に、丘の1番高い場所。クリス皇帝の天幕へと、槍に落ちた雷は飛んでいく。

「火事だぁー!」

本陣の警備にあたっていた兵士が、悲鳴を上げて警鐘を鳴らす。

天運が彼女にはあったのか。あるいは、地獄に堕ちた彼が馬鹿笑いした影響か。

アナスタシア女王は、賭けに勝ったのだ。

「我が勇者達よ」

ゆっくりと、彼女はレイピアを抜く。ノリス国王が先帝の首を刎ねた、細剣の切っ先を。

丘の頂上へと、向ける。

「道は開けた!進めぇえええええ!!」

───おおおおおおおおおおッ!!

雷鳴にも負けない雄叫びを上げ、100人と1人が走り出す。

もはや隠れる物などない丘を駆け上がり、隊列も考えないで個々の脚力によりバラバラとなりながら。

「っ、敵だ!」

「敵襲!てきしゅぅううう!」

「どおけえええ!」

一番槍を、総大将が務める。

レイピアが閃き、槍を構えた帝国兵を斬り捨てた。続けて、ライフルの弾が雨のせいで出ないことに動揺する別の兵士の首を刎ねる。

木で組まれた柵を蹴破って、即座に詠唱。たった1発の魔法で、築かれた土の壁と堀を叩き潰して後続の道を作り出した。

アナスタシア女王は、英雄である。彼女がどれだけ兄と猛将と比べて自身を卑下しようと、その事実は揺るがない。

彼女の足を止められる者など、今の時代にはまだ、同じ英雄と怪物しかいないのだ。

「なんだ、火事って話じゃ!?」

「敵だ!敵がきた!アナスタシア女王だ!」

「おい、じゃああの火は裏切り者が!?まだ帝国にそんな奴がいるのか!?」

「バカな、アナスタシア女王がここにいるはずがない!」

本陣の守りを任されたのは、グランドフリート侯爵家が送ってきた義勇軍。

腕と知識、そして帝国への忠誠心はある。だが、実戦経験の浅い者達。

あまりにもタイミングが良すぎる雷による出火と、奇襲。この2つに動揺するなと言うのは、無理な話であった。

「前へ!ただ前へ!」

「皇帝の首ただ1つ!それだけを目指せ!」

対して、連合軍の部隊がやることはシンプルだ。決死の覚悟で、突撃する。ただ、それだけ。

彼らの奮戦は、彼女のカリスマだけが理由ではない。帝国への恨みを晴らせるのなら、死んでも良いという100人だ。帰還することまで考えているのは、アナスタシア女王ただ1人。

帝国がこれまで行ってきた暴虐の数々。それを紙に書いて重ねていくだけで、雲にまで届く。

クリス皇帝やそれに近い世代の者達にとっては、知る由もないことだ。だからと言って、彼らの怒りが収まることはない。

100人の狂戦士が、帝国兵に食らいつく。強引に出来上がった警備の穴を、アナスタシア女王は駆けた。

強くなる雨で彼女の髪に塗られた泥は落ちていき、炎のように赤い髪があらわとなる。

「皆の者、落ち着け!」

凛とした、しかし聞く者が聞けば動揺が透ける声が響く。

首から下を豪奢な鎧で包んだ、クリス皇帝。『彼』は金髪を揺らして、傍に親衛隊を控えさせながら兵士達に冷静な対処を呼び掛けた。

故に、連合軍全ての視線がそこへ殺到する。

「皇帝だ!皇帝がいるぞ!」

「殺せ!殺せぇ!」

「家族の仇!仲間の仇!今日、ここで!」

死兵となった者達が、帝国兵を蹴散らして突き進む。中には、手足がもげても這いずって向かおうとする兵士までいた。

その先頭を、アナスタシア女王は走る。

立ち塞がる親衛隊を切り払い、倒せずとも強引に道を空けさせて。

防御をかなぐり捨て、その身に剣を受けながらも、前へ。

「おおおおおおおおっ!」

その細い喉を震わせて、雄叫びを上げながら。

遂に彼女のレイピアが、クリス皇帝を間合いに捉える。

そして、気づいた。

こ(・) げ(・) 茶(・) 色(・) の(・) 瞳(・) が、雨に濡れた金髪の隙間から覗くことに。

───ドォォォン……!

間延びした黒色火薬の音。そして、レバーアクションで排出される金属薬莢。

何が起きたのか。それは、クリス皇帝に『化けて』いた親衛隊の1人が片腕を犠牲にアナスタシア女王の振るった剣を受けきり、その隙に隣で構えていた親衛隊隊長、シルベスタ卿がショットガンを放った。

別に、彼女らもアナスタシア女王が奇襲してくることを予期していたわけではない。

ただ単純に、クリス皇帝が即位してからずっと、軍議等味方の将達と顔を合わせる時以外は、必ず影武者を配置している。ただ、それだけだった。

本物のクリス皇帝は、影武者の1メートル程後ろ。そこで、影武者の動きに合わせて声を上げていたに過ぎない。

「……はっ」

右脇腹にスラッグ弾を受けたアナスタシア女王が、自嘲するように笑う。

なんてことはない。自分がやる策を、相手もしていただけのこと。影武者を使うなど、為政者なら当たり前のことである。

1つ目の賭けに勝っても、奇跡が2度も起きるとは限らない。

天運をもつのは、彼女1人ではないのだから。

シルベスタ卿が振るった剣をレイピアで受け、隣から突き出された別の親衛隊の突きを左掌で剣腹を叩いて逸らしながら、アナスタシア女王は後退する。

後退しか、道が残されていなかった。

「どっせぇえええい!」

兜から特徴的な赤いドリルをはみ出させながら、鉄槌を振るってくるシャルロット嬢。

その一撃を左腕で受け止めるも、腹部に走った激痛にアナスタシア女王の膝がガクリと落ちた。同時に、ペキンという音をたててその華奢な腕がへし折れる。

間髪入れずに振るわれたシルベスタ卿の刃をどうにかレイピアで受け、衝撃に逆らわず更に後退。そこへ、再びの銃撃。しかも今度は親衛隊数人も銃を向けている。

直撃コースの幾らかを盾代わりにしたレイピアで防ぐも、1発が鳩尾のすぐ下に着弾した。シルベスタ卿の放った弾丸……つまり、ショットガンのスラッグ弾である。

強い衝撃に、彼女は尻もちをついた。ガルデン将軍に鍛えられてきたアナスタシア女王でも、耐えきれないダメージ。

「これ、を……耐えたのか……あの化け物……!」

しかし、出血はない。

軍服の下に、女王は絹を数枚重ねて腹に巻いていたのだ。それが鉛玉を受け止めている。

だが、衝撃は消えない。内臓にまで響く鈍痛に、アナスタシア女王は立ち上がるのがやっとだった。

継戦は不可能に近い。否、たとえ戦えても、親衛隊の守りを突破するのは間違いなく不可能。

何故なら、『帝国近衛騎士団』とは、1人1人が英雄級かそれに片足を踏み込んだ猛者だけの集団。アナスタシア女王でさえも、複数人を同時に相手取るなど死にに行くようなものだった。

咄嗟にレイピアで地面を切りつけ、盛大に泥を跳ね上げて目くらましにした女王。だがその泥の壁を、幾つもの銃弾が貫いて飛んでくる。

折れた左腕を盾に使い、どうにかそれを防いだアナスタシア女王。だが、もう彼女に打つ手などない。

彼女には。

「陛下をお守りしろ!」

「進めぇええ!」

「俺達が盾になれ!壁になるんだ!」

狂戦士達が、駆け付けた。

既に半数以下にまで数を減らした彼らが、女王と親衛隊の間に割って入る。

「女王陛下!お逃げください!」

「貴女がいればまだ勝てる!勝てるんだ!」

「ここは我らが!ですから!」

「どうか、いつか!」

「皇帝の首を、我らが墓の前に!」

復讐心と、忠誠心。それが噛み合った結果、ただ人の壁が英雄達の猛攻を数秒間受け止める。

彼女に、考えている余裕などなかった。

「すまない……!」

血と泥にまみれた女王が、走り出す。レイピアで邪魔する帝国兵を両断し、出来上がった隙間を駆け抜けて。

この場から、逃げ出した。

その先などないことを、本人が最も知っていながら。死兵となった者達の声に背中を押されて。

「親衛隊。我らの仕事は皇帝陛下の護衛のみ。深追いはするな」

淡々と、連合軍兵士を数人纏めてなで斬りにしながらシルベスタ卿がそう告げる。

「でしたらワタクシが連れてきた義勇軍が!必ずや、この戦争に終止符を打ってみせますわぁあ!」

鉄槌で敵兵を吹き飛ばしながら、シャルロット嬢が吠える。

「うん。でも、無茶は絶対にしないで。相手はアナスタシア女王だ。どこに伏兵がいるかわからない。ストラトス家の兵士にも応援要請を。あと、怪我人の治療を最優先にして」

「ウッス。自分は傷口焼いて塞いだんで、大丈夫です」

「大丈夫じゃないよ!?ちゃんと治療して!?」

「ウッス。じゃあ後で膝枕お願いします」

「わかったから!わかったから安静にして!?」

影武者をやっていた親衛隊の少女が、魔法で熱した剣を自身の傷口に押し当てている。それに慌てるクリス皇帝に、帝国軍の兵士達の動揺は収まった。危機は、窮地は去ったのだと。

いつの間にか、親衛隊とシャルロット嬢により連合軍兵士は一掃されている。

そんな中、赤いドリルを揺らして侯爵令嬢は大きく腕を振るった。

「本陣の警備に7割を残し、3割はワタクシについてきなさい!女王狩りでしてよ!」

雄叫びが、本陣に響き渡る。

「……え、シャルロット殿自身が追撃に!?」

「当たり前ですわぁ!グランドフリート侯爵家の力、ここでお見せしましてよ!期待してお待ちくださいませ、クリス様!」

「いや、流石に危険すぎるよ!?」

「おーほっほっほっほっほっほ!」

高笑いと共に、素早く追撃部隊を選出して彼女は白馬に乗って駆けていく。

「それに……」

もはやクリス皇帝には聞こえていないとわかりながら、彼女は兜の下でぼそりと呟いた。

「あの方。放置したら、絶対に何か と(・) ん(・) で(・) も(・) な(・) い(・) こ(・) と(・) を起こしますわ」

嵐の中シャルロット嬢は───『 鉄血のギルバート(歴戦の英雄) 』を幼い頃から見てきた彼女は、兵士達を連れて女王を追いかける。

「ま、ただの勘ですけど。……はいやー!皆の者、ワタクシに続きなさーい!此度の戦、最大の手柄首でしてよぉ!」

「応ッ!」

アナスタシア女王が逃げた方角へと、彼女と兵士達は駆けていく。

帝国軍の塹壕。その先の、戦争の真っ只中へ。