軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

趣味の悪いラグーン館

カルディ氏は、この放置される前から酷い領地を私が治めてくれると喜んでいるけど、これで良いの? ローレンス王国!

貴族主義者にもマトモな治世を施している人もいると言うけど、私ならこんな貴族は放逐しちゃいたくなるよ!

それは、陛下も王太子も考えておられるだろうけどさ!

何故、こんなに腹を立てているのか? それは、悪趣味なラグーン館を見たからだよ。

こんな貧しい地方なのに、馬鹿でかい! それに、ぶっ潰したくなる程の成金趣味! 貴族なのに趣味が悪すぎるよ!

「これは……」とパーシバルは紳士だから、悪口を言わなかったけどさ。

「中の物は持ち出されていますが、下女と下男は雇っていますから、休憩はできます」

外はキンキラで酷かったけど、中は絨毯は勿論だけど、家具がない状態だ。

カルディ氏が巡回する為に最低限の家具を用意していた。

「ハープシャーやグレンジャーよりはマシですわ」

カルディ氏が雇った下男と下女は、彼方の老夫婦よりは、掃除とかしているみたいだ。

人口が多いのは、ある意味で良い面もあると初めて思ったよ。

「こちらを領地にするなら、騎士と領兵を派遣した方がいいでしょう。兵舎はどんな具合なのか、後でチェックしましょう」

パーシバルは、防衛問題には詳しい。ローラン卿と調べて貰おう。

「今日は、教会に行かなくてはいけませんわ」

私は、教会とは距離をおきたいけど、孤児問題と炊き出しを任せられるのは、司祭しかいない。

それと、歳を取っているダーシー司祭がどのくらい仕事を任せられるのか会ってみないと判断できないからね。

「そうですね。孤児院は、放置できないでしょう。それと、炊き出しも」

この趣味の悪い館、いずれは改築したいけど、先ずは孤児と追い出された人達を救済しないといけない。

カミュ先生には、ここでヘンリーを見て貰う。あまりに孤児院が悲惨な状態だったら、弟に見せたくないからだ。

「私もここに残って、必要な物をチェックします。ハープシャーから運ばないといけませんから」

モンテス氏は、メモを片手に趣味の悪い館を調べるそうだ。

馬の王(メアラス) と 金の鬣(グルファクシ) もここで休ませるから、ヘンリーに乗っても良いと許可しておく。

「ヘンリーを落とさないでね!」と 馬の王(メアラス) に言い聞かせておいたよ。

「ブヒヒン!」『わかっている!』と言ったから、大丈夫だよね。

エルビス卿が、ラグーン館を警備してくれるから、安心だよ。カミュ先生とエルビス卿なら、ヘンリーを危険な目に遭わさないだろう。

私とパーシバルとお父様とメアリーで馬車で教会へ向かいながら、何をするべきかを考える。

「食料は、どうなっているのか質問しなくてはいけないわ」

グレンジャーやハープシャーの寂れた領地にも教会はあったし、最低限のお金は巡回管理をしていたカルディ氏が渡していたそうだ。

屋根などを修理できる資金は無かったけど、ギリギリ食べられる感じ。

ハープシャーの司祭の奥さんは、地元の出身なので、野菜とかの寄付は多かったみたい。

後は、子どもの洗礼とか結婚式や葬式の時に、少額だけど寄付があり、何とか食べていた。

その少額の寄付も十分の一は、本部に送るとか、本当にケチ臭いよね。

「今度のダーシー司祭は、どんな方なのかしら?」

こんな時、ゲイツ様が一緒なら良かったと、つい甘えてしまう。

「ずっとウッドストック伯爵の元で司祭だったのだから、気を付けて接しましょう」

それは、その通りかもしれない。教会を警戒しなくてはいけないのって、凄くストレス!

でも、子どもに溢れた教会でガリガリに痩せたお爺さん司祭を見た途端、放置できないと思った。

「ここを領地にしようと視察されているハープシャー伯爵です」とカルディ氏が紹介してくれた。

「ラグーンの司祭を任されているハロルド・ダーシーです。できたら、この地の領主になって下さい」

応接室にも赤ちゃんが寝ていたが、上の子ども達が抱っこして連れて行った。

「何人か、ハープシャーとグレンジャーで引き取っても良いのですが……」

誘い水に飛びつく!

「それは有り難いです! 世話をする少し年上の子も一緒にお願いします」

手の掛かる乳幼児だけを押しつけるのでは無いのは、良いと思う。

「モンテス氏に、何人受け入れられるか確認してからですが、今はこれをお受け取り下さい」

四十人以上の孤児を食べさせるのって大変だよね。カルディ氏は最低限しか教会に渡していないと思う。

ベッドも服も何もかも足りていない。唯一、安心したのは乳幼児の為に山羊が二頭いた事だけだよ。

私が渡した金貨十枚も、一枚は教会の本部に渡される。でも、お金は必要だよ!

「これで、二人ほど下女を雇えます!」と疲れた顔のダーシー司祭が微笑んだ。

今は、八歳ぐらいの子が乳幼児の世話をしながら、掃除、食事の用意もしている状態だ。

「それと、池の周りのバラック街の炊き出しも教会がして下さっているそうですね。こちらが領地になりましたら、領兵を派遣して魔物を討伐させます。その肉もお使い下さい」

こちらは、孤児院とは別に金貨五枚を預けておく。

領地にも冬の魔物討伐した肉を運ばせているから、そちらも持って来させる。

「私は、ここを拝領しても直ぐには領地に来られません。その間、ダーシー司祭にお任せしておきます」

こんな状態を放置してソニア王国に行くのは、不安で仕方ないけど、パーシバルがギュッと手を握ってくれる。

「モラン領からも領兵を派遣します。館の下女と下男を何人か留守の間は来させます」

「ありがとうございます!」

嬉しい! あの悪趣味なラグーン館だけど、雨漏りとかはしていないから、住みこめる。

「お手伝い下さるのはありがたいです」

やっと孤児やバラック街の手伝いが来るとわかったダーシー司祭は、興奮して立ち上がったが、フラフラと椅子に座り込んだ。

「司祭様、ご自分もちゃんと食事をされないといけませんよ」

このお爺ちゃん司祭、問題は高齢なのと健康問題だ! 変な紐付きの司祭なんて御免だから、健康で長生きしてもらわないと!