軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

婚約指輪に合わせるか? パーシバルの瞳の色に合わせるか?

朝は、パーシバルが 馬の王(メアラス) と 金の鬣(グルファクシ) の運動の為に来てくれたので、私も一緒に第一騎士団の運動場に向かう。

金の鬣(グルファクシ) の群れのスレイプニル達は、第一騎士団の騎士や見習い達が乗っている。

「ペイシェンス様! 金の鬣(グルファクシ) も慣れたみたいですね」

第一騎士団長も朝早くから 馬の王(メアラス) と 金の鬣(グルファクシ) の運動を見に来ている。

「ええ、ソニア王国へ出発する前に、何頭かは王家にお渡しできると思います」

うっ、騎士達から凄い圧を感じるけど、その交渉はサンダーさんに任せよう。

私は、ちょこっと 馬の王(メアラス) と 金の鬣(グルファクシ) に乗って、後は出してくれた椅子に座って休憩。

乗馬、やはり苦手なんだよねぇ。パーシバルの勇姿を眺めているのは好きだけど。

屋敷に帰ったら、朝食! ヘンリーとお父様もパーシバルと一緒の朝食に慣れてきたみたい。

大学に向かうお父様を見送って、ヘンリーとカミュ先生とパーシバルとオルゴール体操。

「これ、毎朝すると身体の調子が良いです」

パーシバルは、常に身体の調子は良さそう。私は、これで魔素を取り込んで、やっと普通の令嬢並みかな?

「今日は、王宮に行かれるのですよね?」

「ええ、パーシー様は?」

「私も外務省で、同行の外交官から諸注意を聞きます」

お互いに今日は別行動だ。パーシバルは、外交官としての業務もあるそうだ。

本来なら、新年の王宮のパーティで、ワイバーン狩りに参加したメンバーは、それぞれ国王陛下からご褒美が貰える。

私は、 天狼星(シリウス) の件や 金の鬣(グルファクシ) の件で、先に伯爵に陞爵しちゃったけどね。

ゲイツ様は、もう王族以上しか貰えない公爵に陞爵は遠慮して、侯爵のままだけど、金銭的に何か褒美を貰うのかな?

サリンジャーさんは、元は男爵家の次男だったそうだけど、今では独立して法衣男爵だ。それと、魔法省の副官の俸給があるから、そこら辺の子爵より裕福みたい。

まぁ、ゲイツ様のお守り役だから、当たり前だよね。

今回は、陞爵はお断りして、俸給アップとボーナス。

断れるなら、私も断りたかったよ! 駄目なの?

他の上級王宮魔法使いは、騎士爵相当だったのが、準男爵扱い。

パーシバルは、準男爵! ふふふ、いずれはモラン伯爵になるけど、ソニア王国に行く時に、ただの下級官吏より良いよね?

あちらは、少し貴族主義っぽいから。

騎士団長は、元々は子爵家の次男で、準男爵だったけど、男爵に!

サリエス卿やユージーヌ卿も、騎士爵から準男爵へ!

アルーシュ王子とザッシュは、スレイプニルを褒美に貰いたいと願い出たそうだ。

こちらで爵位を貰っても意味ないみたい。

パーシバルの準男爵へ陞爵したお祝い、何かしたいけど……重すぎるプレゼントにしないように気をつけなきゃ!

そんな事を考えていたら、リリアナ伯母様が屋敷に来られた。

「ペイシェンス! 伯爵に陞爵おめでとう!」

「ワイバーンを討伐したメンバーは、それぞれご褒美があったのですが……私だけ多すぎるような……」

ついでに、パーシバルの準男爵のお祝いの品について相談する。

「今日、訪れる宝石店なら、何か殿方の付けるアクセサリーも扱っていると思いますよ」

リリアナ伯母様が、予約してくれているので、メアリーを伴って向かう。

「ダイヤモンドの正式な三点セットは、ソフィアに送ったのよね?」

「ええ、貴重品とドレスは、訪問団の荷物と一緒に送りましたの。でも、急に婚約披露パーティを開くことになって……普段使いのアクセサリーでは……」

「そうよねぇ! でも、外国に行く前に婚約披露パーティを開くのは良いことだと思うわ。特に、ソニア王国は恋愛がかなりお盛んだと聞いていますから」

それは、この前の卒業祝いの食事会でも、アマリア伯母様とモラン伯爵夫人に注意されたんだよね。

「あのう、モラン伯爵夫人が私の護衛のベリンダに扉の前で寝て貰った方が良いと言われたのですが……冗談ですよね?」

「まぁ、それは! でも、そのくらいの用心が必要だって事だわ。男の方もハニートラップにかからないように従者に扉を護らせた方が良いかも」

「えっ、パーシー様もですか?」

「ええ、パーシバル様にアタックする貴婦人も多そうですもの。それに、婚約破棄になったら、ペイシェンスはフリーになるでしょう?」

「そんなぁ!」

「ほほほほ……だから、用心しなくてはいけませんのよ」

ベリンダに寝袋で寝て貰おうか? うん? 天狼星(シリウス) に扉の前で寝て貰ったら、誰も邪魔しないよね?

ただ、ソニア王国に 天狼星(シリウス) を連れて行って良いものか? ヘンリーとお留守番してくれていた方が安心なんだけどね。

そんな話をしている間に、パーシバルと婚約指輪の調整とスティディリングを買った宝石店に着いた。

ノースコート伯爵夫人は、上客なのか、門番だけじゃなく、支配人まで店の外に出迎えている。

「ようこそ、お越しくださいました」

奥のサロンに案内される。メアリーとリリアナ伯母様の侍女は、部屋の隅の椅子に座っている。

「今日は、姪のハープシャー伯爵の婚約披露パーティ用のアクセサリーを選びたいのです」

前もって伝えていたのか、ゴージャスな三点セットが次々と持って来られる。

「ダイヤモンドの三点セットは持っているので、他の宝石を考えています」

お母様のダイヤモンドの三点セット。今、ここに出されたのよりかなり小ぶりだ。

「でも、ユリアンヌ様は伯爵令嬢として、子爵家にお嫁入りされたのですよ。ペイシェンスは、自身が伯爵なのだから、もっと格の高い物を誂えても良いと思うわ」

「ええ、でも私はまだ若輩者ですし、結婚するまではお母様の形見のティアラで十分だと思うのですが……駄目でしょうか?」

「そうねぇ、まだ若いし……結婚する時でも良いでしょう」

残念そうな支配人さんが指示して、ダイヤモンドの三点セットは、奥に仕舞われた。

「お若い伯爵様なので、ルビーとかは?」

赤いルビーの三点セット、綺麗だと思うけど……。

「それは、ペイシェンスのイメージでは無いわね。もっとカジュアルなデザインのルビーなら、似合うと思うけど、少し重すぎるわ」

そう! リリアナ伯母様は、宝石が好きなだけあって、詳しい。

ゴージャス過ぎて、まだ幼い顔の私には不似合いなのだ。マーガレット王女やエリザベスなら、似合いそう!

「婚約指輪のオパールは?」

今日も嵌めているオパールの婚約指輪。ルビーより地味だけど、好きなんだよね。

「それなら、こちらを!」

オパールの小さなティアラ、なかなか可愛い。それに、前に買ったプチオパールのネックレスより、豪華なネックレス、オパールの周りをダイヤモンドが花の模様になって、連なっている。豪華だけど、豪華過ぎない。

「まぁ、付けてご覧なさいよ」

メアリーが椅子から立ち上がり、店員の女の人と一緒に私にオパールの三点セットを付ける。

「まぁ、可愛いわ! それに、豪華な雰囲気もあるから良いと思います。婚約披露パーティのドレスは、どういうデザインなの?」

うっ、それは……合わない事は無いけど……。

「基本は白のドレスですが、裾はパーシー様の目の色に合わせて、濃紺のビーズ刺繍で、徐々に薄くなるようなデザインなのです」

「まぁ! ペイシェンスの専用のマダムは、凄腕だから楽しみだわ。でも、それならサファイヤの方が似合いそうね」

支配人はすかさず、サファイヤの三点セットを差し出す。

「でも……婚約指輪とセットの方が……」

「まぁ、付けてごらんなさい。ペイシェンスの目も青いから、似合うと思うわ」

今度は、サファイヤの三点セット。金髪に青い目の私に、よく似合う。

「ふぅ、悩んでしまいますわ」

「ふふふ、そんな時は二つとも買うのよ!」

ノースコート伯爵の苦労が分かる気がしたよ。

支配人さんも、頷いているけど、これから新領地にどれほど金が掛かるかも分からないのだ。

「メアリー、どちらにしましょう?」

メアリーは迷わない!

「婚約披露パーティを優先しませんと!」

もうドレスは出来ている。それに、パーシバルと踊る時に、サファイヤのティアラの方が映える気がする。

「サファイヤの三点セットを頂きますわ!」

高い塔から飛び降りる覚悟で買う!

それから、ルビーのもっと若いデザインの首飾りとピアスも、リリアナ伯母様のお勧めで買った。

これは、ソニア王国の道中、貴族の館に泊まった時に付けるアクセサリーだ。

「パーシー様の陞爵のお祝いの品は、どれが良いかしら?」

そこは、支配人さんも心得ているので、色々と勧めてくれた。

「このサファイヤ、パーシー様の瞳の色だわ!」

結局、目の色に合わせたサファイヤのカフスボタンにした。

午前中に使ったお金、考えたくないけど……リリアナ伯母様は、お嫁入りの時も任せて! と言っていたよね? もっと掛かるのかな?