軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

帰りの馬車であれこれ考える

卒業祝いの食事会、パーシバルとあまり話せなかったけど、新領地候補の視察にお父様も同行してくれるのはありがたい。

だって、やはり女子供だけだとさぁ! お父様が領地管理とかに役に立つとは全く思えないけど、外から見たら子爵家の当主だし、ロマノ大学の学長だからね。

視察先の役人や村長とかは、若いパーシバルより安心するんじゃない?

前は、ゲイツ様が一緒だったから、馬鹿にした態度など取られなかったけどね。

王宮魔法師を相手に変な態度を取ったら命取りだもの。

まぁ、今回は領地から騎士や領兵にも付いて行って貰うから、馬鹿にしたりはされないと思うけどね。

この世界、貴族に楯突くのは命懸けだから。

帰りの馬車で、お父様は苦手なアマリア伯母様にアレコレ言われてお疲れモードだったけど、メアリーはテンションMAX!

「婚約披露パーティー! 彼方では用意が始まっているみたいですわ」

完全に浮かれている。私も嬉しいのは、嬉しいけど……気持ちの半分は新領地とソニア王国行きの方にいっちゃっている。

「ドレスは、マダム・マグノリアに任せておけば良いけど、アクセサリーは明日リリアナ伯母様と買いに行くわ」

モラン伯爵夫人にも相談して、小ぶりのティアラとネックレスとピアスの三点セットを買う予定。

メアリーは、前からアクセサリーが少なすぎると文句を言っていたので満足そうに頷いている。

お父様は、お疲れ気味でうとうとされているので、私はモラン伯爵夫人とアマリア伯母様との会話を思い出しながら、しなきゃいけない事を考えていた。

「正式なティアラをソフィアに送ったのなら、途中の晩餐に使えそうなアクセサリーも必要ですよ」

外交官夫人として、ちゃんと着飾るのも仕事だと教えて貰った。

「婚約披露パーティーの為のアクセサリーを買いに行く予定なのです」

「もしかして、ノースコート伯爵夫人とですか?」

「ええ、私は宝石とか詳しくありませんので……」

アマリア伯母様に付いて来て貰わないのに、この話題って良いのかな?

「リリアナなら、若いペイシェンスに相応しい宝石を選んでくれるでしょう。ペイシェンスの社交界での後見人ですし、任せておけば良いと思うわ」

そうか! 社交界の後見人をリリアナ伯母様に譲っていたから、大丈夫みたい。

「お義姉様、舞踏会に出す軽食ですが……」

モラン伯爵夫人は、アマリア伯母様の顔を立てて、軽食の相談をしている。

「食事の相談なら、ペイシェンスの方が良いと思いますよ。教授会でも、常に素晴らしい食事を出していますからね」

おお、凄く褒めて貰えている。

「こちらの料理人も腕が良いと思いますわ。私は、お土産のチョコレートを作らせて届けます」

この程度の方が、婚約者として相応しいよね? アマリア伯母様も満足そうだ。

「そうですわね。チョコレートは、誰もが喜ぶ土産になるでしょう」

その婚約披露パーティーで摘むチョコレートについても、二人に相談したんだ。

今回は、ソニア王国への手土産のチョコレートを大量に王妃様から注文されている。

これまでのチョコレートでも良いけど、やはり新作を作りたくて、エバにアイデアを言ったら、素敵なチョコが増えたんだ。

「モラン伯爵家の紋章をつけたチョコレートは、如何でしょう?」

「それは、素敵だわ!」と喜んで貰えた。

「前にロマノ大学の紋章のチョコレートを頂きましたわ。あれは、とても良いアイデアですが、ペイシェンスの紋章入りのチョコレートも並べたら良いのでは?」

「そうですわ!」とモラン伯爵夫人もアマリア伯母様の意見に同意するので、作っておこう。

モラン伯爵夫人と私とで、アマリア伯母様のご機嫌を取ったから、お父様もあまり厳しくされなかったと思うんだけどね。

貴族街にモラン伯爵家の屋敷もグレンジャー子爵家の屋敷もあるので、馬車はすぐに着いた。

「ペイシェンス、お休み」とお父様は言いながらも、書斎で読書するみたい。

アマリア伯母様のお説教でストレスを受けたのを、読書で緩和するのかな?

子供部屋に顔を出すと、ヘンリーはもう眠っていた。

可愛い寝顔! 額にキスして布団を掛けておく。

ナシウスの寝相は良かったけど、ヘンリーは時々布団を蹴っているんだよ。

ドレスを着替えて、メアリーにお化粧を落として貰う。

「早くお休み下さい」

メアリーは、身体の弱いペイシェンスを心配してくれるけど、やる事がいっぱい。

スケジュール帳を見ながら、整理して家政婦のミッチャム夫人にメモを書いておこう。