軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

パーシバルとアフタヌーンティー

お茶の時間前に、手紙を配り終わったメアリーにお着替えさせられる。近頃は、グレアムの御者で馬車で回るから、帰ってくるのが早いんだ。

パーシバルと二人の時は、ちょっと早すぎるよと文句を言いたい気分になる。キャリーの方が、見張りが緩いんだよね。

「婚約者様がいらっしゃるのに!」とキャリーが気が利かないと叱られている。

「私が領地への手紙を書くのに時間が掛かっていたのよ。キャリーは言い出せなかっただけ」

メアリーも領主としての仕事については口を出さない。

「今回は仕方ありませんが、侍女はお嬢様が完璧な装いで婚約者様に会えるように、常に気をつけなくてはいけないのです」

こちらでは、それが普通なのかも? 私は、 馬の王(メアラス) を慣らす時に、寝ぼけた顔を何度か見せた気がするよ。

まぁ、パーシバルは 馬の王(メアラス) に夢中だったから……うん? これって私はスルーされていたって事? まぁ、良いや。

屋敷の中なので、寒さは感じない。転生した頃は、暖炉の火もちょろちょろで凍死するかと思ったけどね。

だから、鮮やかな青の絹のドレス。それに、髪には青の細いリボンを編み込みにした。

「キャリーも腕をあげましたね」

メアリーは少しずつキャリーを鍛えている。結婚しているし、いつかは赤ちゃんができるかもしれないから。産休明けたら、また侍女に復帰して貰うよ!

ソニア王国には、絶対に付き添うと、前々から言っていたけど、大丈夫なのかな? 妊娠していたら長旅は無理になる。行く前に、ミッチャム夫人に相談しておこう。

ソニア王国には、御者としてグレアム、個人護衛としてベリンダが付き添う。

騎士は、王家が手配するので、私の騎士は同行しない。

「あっ、ベリンダの服も用意してましたか?」

メアリーは当然と頷くけど、本人のも必要だからね。

「メアリーも道中は寒いから、暖かいコートや服を新調するのよ」

メアリーは、グレンジャー子爵家が極貧の時代を生き延びたから、節約が身についている。私のドレスやアクセサリー関係は、節約を忘れちゃうけどさ。

「キャリー、マダム・マグノリアにメアリーのコートと服を作るように伝えてね!」

キャリーが嬉しそうに頷く。うちは、お針子の人数が多いから、収穫祭の時にお仕着せは新調している。それと、良い働きをした使用人には、私服も!

あんなに一気にお針子を雇った時は、失敗したかもと思ったけど、領地の使用人や兵士の制服も縫うから、少ないぐらい。

でも、領地のは、領地で縫える体制を作らなきゃね! ミシンを何台か運んでいるので、領民に使い方を教えても良い。

ただ、今はミシンが凄く高価だから、ハープシャー館だけで使っている状態。

ミリアム先生が使い方を、町の女の子に教えてくれたら良いのだけど……また、今度考えよう! 急ぐのは、私の悪い癖だ!

今は、王都で買った古着を繕うのを、女の子達に教えて貰っている。

自分用に安く買えるようにしているけど、内職にしても良いかもね。

領地の使用人は、どんどん人数が増えている。美味しい料理とお風呂とシャワー、そして清潔な制服。

特に、学校で文字や計算を勉強した子ども達は、屋敷で働きたいと言っているそうだ。

王都のH&G商会にも何人か領地の使用人を雇っている。初めは、貴族に接した事がないので、メーガンとアダムから熱血指導されていたけど、今では生まれつき王都育ちの様に洗練された対応をしている。

そのH&G商会に、今日はパーシバルと行く予定だったけど、婚約披露パーティやクラリッジ伯爵の面会とか、そっちが優先されるかも? できたら、デートっぽくなるから行きたかったんだけどね。

パーシバルが来る前に、バーンズ商会からカカオの樽が大量に届いた。

私が手紙で頼む前に、王妃様から注文されていたみたい。

チョコレートの箱もいっぱい! それに、砂糖やミルクやアーモンドやオレンジなども。

チョコレート作りは、エバに任せても大丈夫! 私は、滑らかにするだけ。

ただ、私とパーシバルの婚約披露パーティにも、チョコレートを出したくなったんだよね。ピンクのハートチョコレートなんて、ラブラブで良いんじゃないかな?

今夜、モラン伯爵夫人に相談してみよう。

王妃様が注文したカカオとは別に、買った方が良いよね? なんて考えていると、メアリーがパーシバルが来たと教えてくれた。

「いらっしゃいませ!」

卒業式以来だよね。二人でニッコリと笑って、頬にキスをする。

このくらい許して貰っても良いと思う。

「ペイシェンス、今夜はうちで簡単な卒業祝いをする予定だけど、婚約披露パーティの打ち合わせになるかもしれない」

「ええ、聞いていますわ。急な話ですが、婚約はもうしているのですから、私は嬉しいです」

いちゃいちゃモードになったけど、話し合う事がいっぱいなんだ。

それに、キャリーがアフタヌーンティーセットを持ってきてくれた。

「美味しそうだね!」

パーシバルも一口サンドイッチ、小さなキッシュ、プチケーキ、チョコが綺麗に飾ってあるアフタヌーンティーセットを見て微笑む。

「ええ、エバがパーシー様がいらっしゃるから、気合いを入れて作ってくれましたの」

ふたりで、あれこれ話し合いながら、楽しいアフタヌーンティータイムを過ごす。