軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

やはりパレードは避けられない?

早昼を食べて、ロマノに帰る。

金の鬣(グルファクシ) の群れのスレイプニルと 天狼星(シリウス) も連れて行かなきゃいけないんだ。

先ずは、 天狼星(シリウス) にベリンダを紹介する。

「私の護衛のベリンダよ。覚えてね!」

ベリンダに手を出させて、匂いを覚えさせる。

「ワン!」『わかった!』

天狼星(シリウス) をメアリーにも紹介したいけど、もう少し慣れてからかな? 天狼星(シリウス) がじゃなくて、メアリーがだよ。

ただ、王都に一緒に帰るから、ちょっと後には紹介しなきゃいけないのだけどね。

それと、ワイバーンの大きくて傷が少ないのを王家に献上するみたい。

それは、少し前に荷馬車二台を繋げたのに載せて出発した。

王都に着くのは、同じ頃になる。

天狼星(シリウス) が近くにいると、スレイプニルだけじゃなく戦馬も神経質になる。

でも、乗り手が上手いと、それをキチンと御しているんだけど……私は、下手だから、 馬の王(メアラス) が神経質になると困る。

さりとて、 天狼星(シリウス) を私の側から離す訳にもいかない。

「ペイシェンスが 馬の王(メアラス) に乗り、パーシバルが 金の鬣(グルファクシ) に乗って王都に行けば、一番良いのだが……」

昨夜のお偉い様のテントで、パレードの予定を話し合った。

「でも、 天狼星(シリウス) はどうするのですか? できれば、小型化した 天狼星(シリウス) と馬車でロマノに戻りたいと思います」

これが一番、私にとって安全な方法だよね。パーシバルも賛成してくれた。

「だが…… 金の鬣(グルファクシ) にはパーシバルしか乗れないのだろう? 馬の王(メアラス) はどうするのだ?」

他のスレイプニルは、騎士達が手綱を持って連れて帰る。ただ、 金の鬣(グルファクシ) は、プライドが高いから、それでは暴れそうなんだ。

「ペイシェンス様が 馬の王(メアラス) に乗り、パーシバルが 金の鬣(グルファクシ) に乗れば良いのです。 天狼星(シリウス) には、よく言い聞かせれば並走するでしょう」

「ゲイツ様! 無茶を言わないで! そんな事を言われたら、慰労会などしたくなくなりますわ」

本当は、そうした方がスレイプニル愛の激しい隣国が変な主張をするのを防ぐ効果があるのだろうけど、無理は無理!

「ペイシェンス様ぁ! 慰労会が無ければ、ドラゴン討伐をやる気にもなりません! リチャード王子、どうかペイシェンス様に慰労会を開くようにお願いして下さい」

おい、おい、王太子に何を頼ませているんだ! とツッコミたくなる。そう言えば、従兄弟だったね。

「ペイシェンス、慰労会を楽しみにしている者も多い。実は、私もなのだ。材料は提供するので、是非に……」

ああ、リチャード王子に頭を下げられると断れない。

「それは……馬車で 天狼星(シリウス) と戻れるのなら……」

そこから、 馬の王(メアラス) をどうするのか、話し合った。

「パーシバルが 金の鬣(グルファクシ) に乗って、 馬の王(メアラス) の手綱を持てば良いだろう」

パーシバルには負担になるけど、それが良いと思う。

「だが、王都に着いたら、ペイシェンスが 馬の王(メアラス) に乗るのだ。そして、 天狼星(シリウス) によく言い聞かせて、並走させなさい」

やはりパレードはするんだね。でも、一人でロマノまで 馬の王(メアラス) に乗らなくて良いのはありがたい。

普段なら、なんとか乗れるかも知れないけど、横を 天狼星(シリウス) が走っている状態はマズいんだ。

仲が悪いのを、なんとかしたいな。でも、 馬の王(メアラス) も 金の鬣(グルファクシ) も 天狼星(シリウス) に追い回されたから、かなり難しいよ。

それと、問題がもう一つ。

「メアリー、王都までゲイツ様の馬車で戻る事になったの」

メアリーは、私が乗馬が苦手なのは知っているので「それは良かったです」と微笑む。

言い難いけど、言わなきゃね!

「その馬車に 天狼星(シリウス) を乗せるのよ。 天狼星(シリウス) がいると 馬の王(メアラス) や 金の鬣(グルファクシ) が神経質になるから。メアリーが 天狼星(シリウス) を怖いなら、別の馬車に乗っても良いのよ」

メアリーは顔を青ざめたけど「お嬢様、お一人を馬車に乗らせられません」と断る。

「でも……そうだわ! ベリンダが乗ってくれると思うのだけど……」

ベリンダの馬は誰かに手綱を持って貰えば大丈夫だよね。

「いいえ! 私はお嬢様の侍女ですから、お側を離れません!」

ああ、メアリーが言い出したらきかないよ。

天狼星(シリウス) にメアリーを紹介する。

「こちらはメアリー。私の忠実な侍女だから、よく覚えてね!」

メアリーは、顔を青ざめて、手もブルブル震えたまま差し出した。

「キャ!」

「 天狼星(シリウス) !」

これまで手を舐めた事はなかったのに!

「ワンワンワンワン!」『怖がらなくても良い』

メアリーがびっくりして、手を引き抜いた。

「怖がらなくても良いと 天狼星(シリウス) が言っているわ。メアリーが怖がっているから、ふざけたのね」

この二人は、なかなか打ち解けるのは難しいかな? と思ったけど、馬車の中では大丈夫だった。

モフモフの 天狼星(シリウス) は、馬車の床に寝そべり、私たちの脚をその上に乗せても良いって態度だ。

「暖かいですねぇ……魔物なのにこんなに大人しいなんて……」

初めはビクビクしていたメアリーだけど、 天狼星(シリウス) が動かないので慣れてきた。

足首まで 天狼星(シリウス) のもふもふな毛の中。心地いいよ。

それにゲイツ様の馬車は、少し浮いているから、ガタガタ振動も無いし、快適! ただ、快適なだけじゃなく、速いってのが今は問題。

本当なら馬車は、馬よりもかなり遅い。パレードに参加できないのだ。

でも、速いから、王都の前で隊列を組み直して参加する事になってしまったんだ。

「王都の北門から、王宮までならペイシェンスも 馬の王(メアラス) に一人で乗れるだろう。 天狼星(シリウス) にそこまでによく言い聞かせておきなさい」

一応、言い聞かせたよ! それを承諾して、寝ているんだけど……馬車が止まったら、もう一度言い聞かせよう。