軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

初日を終えて

一日目だから、シンプルに! と思っていたけど、寒かったからピリ辛ソースにしてみよう。

ペイシェンスは、あまり辛いのは得意じゃないけど、掛ける分量を少なくすれば大丈夫。それに、バラク王国の激辛料理程は辛くないからね。

「私が休んでいた間も、パーシー様は 馬の王(メアラス) の運動に付き合っていたんだわ。お疲れじゃないかしら?」

メアリーとベリンダが少し呆れている。温風機をつくったからかな?

食事場所に、カエサル達がいた。あれっ、パーシバルは? 残念! でも、錬金術クラブのメンバーがいるから、一緒に食べよう!

お肉は少なめに盛ってもらう。休憩でシュトーレン食べたからね。

「皆様、お疲れ様です」

カエサル、アーサー、ベンジャミン、ブライスは、去年も参加したけど、ミハイル、マックスは今年初めてだよね。

「あっ、ペイシェンス! チョコレートバー、ありがとう! 凄く美味しいが……あれって良いのか?」

やはり、カエサルは錬金術関係は鋭いね。

「ええ、チョコレートバーはH&G商会では売り出しませんが、ビスケットバーは売り出すつもりです」

売り出すと聞いて、特許関係とかは何か考えているのだろうとカエサルは頷く。

ミハイル、マックスは、先輩達と一緒だったみたい。錬金術クラブも人数が増えたからね。

「おっ、それはピリ辛ソースだな! 少し良いか?」

ベンジャミンもいっぱいソースを買ってくれていたと思うんだけど?

「ははは、一日目だからシンプルに食べようと思ったのだが、目の前にソースがあるとなぁ」

去年みたいに、いつも他の人が使う訳じゃないから大丈夫。

「どうぞ、お使いください」

「ベンジャミン、図々しいぞ!」と叱るカエサルにも瓶を渡す。

「やはり、ペイシェンスのソースは美味いなぁ!」

ははは、皆様、H&G商会のお得意様だからね! ミハイルやマックスも先輩から情報を得て買ってくれている。

こんな風に和気藹々と夕食を食べていると、忘れていたけど今年からキース王子とオーディン王子も中等科になったんだよね。

「ペイシェンス! 馬の王(メアラス) は元気そうだな!」

はぃはぃ、スレイプニル愛のこもった挨拶だね。

「ええ、パーシバル様がよく運動を手伝って下さいますから」そう答えておく。

キース王子が「チョコレートバー、すごく美味しかった。ありがとう」と言うのを聞いて、慌てて礼を言ってくれたよ。

「ペイシェンス! 本当に美味しいチョコレートバーをありがとう!」

まぁ、私はスレイプニル愛が激しいのは苦手だけど、若い子がお礼が遅くなっても気にならないタイプ。

ラルフとヒューゴが「早く食べましょう!」と肉を焼いている方へと誘導してくれた。

カエサルは公爵家の嫡男として、王族への接し方も厳しく躾けられているから、無言を保ったけど、ベンジャミンは要らない一言を言いそう。

「あっ、冷風機の応用で、温風機を作りましたのよ。テントの中が快適になりましたわ」

カエサルだけでなく、皆がこの話題に飛びついた。錬金術クラブだもんね。

「そうか! 冷風機ができるなら、温風機もできるのだ! 何故、気がつかなかったのだろう」

カエサルが悔しがる。

「涼しくなるのに風を送るのは想像がつくが、暖かくするのに風を送る発想が無かったからだ!」

ははは、ベンジャミンの獅子丸、久しぶりに見たよ。ああ、もう見れなくなるの寂しいな。

「パーシー様!」

錬金術メンバーと一緒も楽しいけど、やはり恋する乙女の目はすぐに婚約者を捉える。

「ペイシェンス! しっかりと休めたでしょうか?」

「ええ、パーシー様は 馬の王(メアラス) の運動でお疲れにならないか心配していましたの」

二人でお互いを労っているのに、錬金術クラブメンバーが爆笑している。

「ペイシェンス! 休むべき時間に温風機を作ったのか!」

カエサル、酷い! パーシバルが怪訝な目で私を見ているじゃない。

「また、ペイシェンス様は仕事を増やすおつもりですか? あっ、それはピリ辛ソースですね!」

ゲイツ様もソースはいっぱい買ったよね! 勝手に掛けないでよ!

「パーシー様もお掛けになりますか?」 こちらは、婚約者だから良いの!

「ペイシェンス?」と濃紺の瞳で問い掛けられると弱い。

「テントの中が寒くて……冷風機があるなら、温風機もできると思ったのです。お陰様で、テントの中は快適ですわ」

ちょっと、ゲイツ様やサリンジャーさん、それにパーシバルにも呆れられた気がする。

「ペイシェンスは、寒さに弱いから……でも、休む時は休んで下さい」

パーシバル、優しい! でも、討伐に来ても王子達の面倒をみているの?

こちらの席がいっぱいだから、別の席なのは悲しいよ。

「ペイシェンス様、お食事がお済みになったのなら、早く休みましょう」

メアリーが心配そうなので、女子テントに戻る。

「ふぅ、暖かいわ」

温風機を付けっぱなしにして食事に行ったの、正解だね! 魔石は、討伐でいっぱい手に入るし、後からはクズ魔石を纏めたのでも代用できそう。

「ペイシェンス様! ゲイツ様にお願いして貰えませんか?」

あっ、もう寝ようと思っていたんだけど、ルーシー達の問題を忘れていたよ。

「昼からは、やっとアルミラージ以外も討伐できましたけど、小さ目のビックボア一頭だけ! それも、三人でですよ!」

アイラもヒャッハー系だからね。不満が爆発している。アイーシャ王女も私とは親しくないから、直接は苦情は口にしないけど、顔で不満なのはわかるよ。

「明日、サリンジャー様にお聞きしてみますわ」

ゲイツ様の気紛れな指導より、王宮魔法使いのお爺様の慎重な指導をサリンジャーさんが良しとされたのだから、理由があるはず。

アイーシャ王女を危険な目に遭わさない為なのかもしれないけどね。

「お願いします! ペイシェンス様の言われる事なら、サリンジャー様もお聞き下さると思います」

えっ、ルーシー? それってサリンジャーさんに抗議した後ってことなのかしら。

「兎に角、聞いてはみますが……サリンジャー様がその方が良いとお考えなら、それに従って下さい。今年も、何か変だとゲイツ様はお考えみたいですから。勝手な行動は駄目ですよ!」

ビシッと言ったつもりだけど、ヒャッハー軍団が言うことを聞くか不安。

メアリーが心配そうなので、もう寝ることにするよ。なんだかんだと文句を言っていたルーシー達もお休みなさい。