軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

秋の昼食会は、彩り豊か! 3

肉料理のゲームパイ、とても好評だった。

「こんなに綺麗な層のゲームパイは食べた事がありません。それに、どの層も素晴らしく美味しい味付けです」

グルメのラドリー様が絶賛してくれたよ。

でも、ここからが昼食会のハイライト! マカロンの塔が静々と運ばれると、二回目の拍手が巻き起こった。

背の高い円錐のスポンジの塔に生クリームを塗って、ピスタチオの緑、オレンジ、レモンの黄色、苺の赤、ブルーベリーの青紫、カカオの茶色、葡萄の赤紫のマカロンが段々に飾ってある。

「お好きなマカロンをお選び下さい」

メニューに色と味が書いてあるから、それぞれ取ってもらう。

「私は、全部頂きます!」

「ゲイツ様、デザートはマカロンだけではありませんわよ」

メニューをちゃんと見ていないんじゃない? それに自分がチョコレートケーキを注文したんじゃん!

それぞれの皿に色とりどりのマカロンが一つ、二つ。普通はそうだよね!

「私はレモンのマカロンを頂きますわ」

もう、かなり満腹だけど、スイーツは別腹!

パーシバルも同じレモンのマカロンを選ぶ。二人で見つめ合いながら、本当は食べさせてあげたいと思いながら食べる。

ワイヤットが皆がマカロンを選び終えたタイミングでワゴンを運び込む。

今回は、ホールを切り取る遣り方ではなく、ミニケーキをいっぱい作って貰った。

チョコレートケーキ、梨のシャルロット、タルトタタン、モンブラン、ミニアップルパイ、栗のパイ、かぼちゃのミニプリン! 宝石みたいに銀のトレイの上に並んでいる。

「お好きなケーキをお選び下さい」

マカロンを食べていたゲイツ様が「しまった!」と叫ぶ。

「チョコレートケーキ……えっ、他にも色々なケーキが……ええぃ、全部食べます」

サリンジャーさんが、慌てて止めている。

「体調を崩しては困ります!」

うん、明日は月曜! お仕事しなきゃね。

「残ったケーキはお持ち帰りして頂くつもりですわ」

「まぁ、それなら……」

王宮魔法師が我家の食事会で体調を崩しただなんて、そんな評判が立ったら困るからね。

ゲイツ様は、チョコレートケーキと梨のシャルロット、モンブランを食べた。血糖値上がりそう!

「お姉様、この梨のシャルロット美味しいです」

ふふふ、ナシウスは梨が好きだからね。ヘンリーは、モンブラン!

ユージーヌ卿はかなり悩んでタルトタタン。サリエス卿はかぼちゃのミニプリン!

「これは、凄く美味しいです! ユージーヌ、食べた方が良いよ」

婚約者同士、やはり熱いね! 他の人がいなかったら、スプーンでアーンしていそう。

そして、ラドリー様はチョコレートケーキを二個!

「やはりペイシェンス様のチョコレートはバーンズ商会のとは違います。滑らかさが特別なのです」

ああ、ラドリー様にもチョコレートを作ったら届けよう。夏は作っていなかったからね。

そして、教授夫人と私とユージーヌ卿と弟達は、応接室に先に移動する。

パーシバルには、ゲイツ様とラドリー様の接待を頼んだ。サリンジャーさんだけでは大変そうなんだもの。

応接室では、クッキーとチョコレートを銀の皿に出してある。

紅茶、コーヒーを好みで飲みながら歓談するのだけど、教授夫人達は仲良しなので、勝手に話してもらっている。

私は、ユージーヌ卿から冬の魔物討伐について聞いたり、冬休みのソニア王国行きについて質問して過ごす。

殿方達も、応接室に来たので、パーシバルと一緒に座る。

「ペイシェンス、一緒にハノンを弾きましょう!」

二人で『乾杯の歌』や『踊り明かしたいの』を弾き歌う。

弟達もハノンの横に呼び寄せて『ドレミの歌』の歌詞を見せて、歌わせる。

教授夫人達は、少女歌劇団のファンもいて、次の演目について話し合って盛り上がっている。

「これらの曲はペイシェンス様が作曲されたのですか?」

教授達は、驚いている。夫人達と違って少女歌劇団は観ていないそうだ。

「何故、何曲も作曲してあげるのですか? そんな事をしていたら、ラフォーレ公爵家がペイシェンス様を簡単に諦めるとは思えませんね」

ゲイツ様、嫌な事を言わないでよ!

「ははは、ペイシェンス様は音楽的才能ばかりではありません。一家で独占しようなんて考えたら、他の公爵家も黙っていないでしょう」

うん? ラドリー様? よく意味がわからないよ。パーシバルがくすくす笑っている。

「伯爵家程度の方が、波風を立てなくて良いのでしょう」

モラン伯爵家だって、名門だけど? そりゃ、公爵家よりは……??

「まだまだペイシェンス様は学ぶべき事が多そうですな」

ライトマン教授の言葉に、他の教授も賛同する。

「ザッカーマン教授は、苦労されそうだ」

リンネル教授に笑われちゃった。

「まだ指導教授との面談は終わっていないのです。ザッカーマン教授にお断りされたら、どうしたら良いのか不安ですわ」

火曜の面談が心配なんだ。でも、全員に笑われた。

「万が一、ザッカーマン教授がペイシェンス様を指導する自信が無いなら、私が引き受けます!」

ベッカム教授が名乗り出たら、他の教授も次々と名乗り出る。

「ペイシェンス様が選んだ教授が辞退されるなら、魔法学科のライオネル教授に師事されたら良いのです」

他の教授は冗談混じりだけど、ゲイツ様のは本気っぽい気がする。

ザッカーマン教授の面談が失敗したら、ライオネル教授をゴリ押しされるんじゃないの?

どうなるのかしらと、少し不安だったけど、火曜の面談はすんなりと終わり、ザッカーマン教授が指導教授に決まった。

夏休みの未提出の宿題っぽくなっていたゲイツ様の昼食会も無事に終わった。それに、指導教授も決まって、本当にホッとしたよ!

これで、心置きなく、H&G商会のオープニングの準備ができる! いや、していたけど、ちょっと心配していたからね。