軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

社交界デビューの影響

ゲイツ様は、昼食の後は帰ってくれた。お父様が思いの外、強く拒否したので、諦めてくれたのだろう。

これから、夕方に寮に行くまで、パーシバルと受験勉強と次の領地行きの話し合いだ。

お互いに、指導教授との面接用の本を読んだりしたけど、やはり話す時間の方が多かった。だって、読書なら一人でできるもの。

「来週の土曜日、コルドバ王国の大使館のパーティに出席した後、日曜に領地へ行くのですが……体調は大丈夫ですか?」

パーシバルもペイシェンスがあまり丈夫でないのは、夏休みを一緒に過ごしたから分かっている。魔素を吸収して、やっと普通の令嬢並の体力だからね。

「コルドバ王国大使館のパーティは、早めに帰るつもりです。それに、大使館のパーティは、王妃様が付き添われるので、そんなに遅くまでは残らないと思います」

そう自分で言っても、難しいと思っている。だって、マーガレット王女も婚約したてのパリス王子とパーティに行くんだよ! 絶対、夜遅くまで一緒にいたいと考えているに違いない。

頼みの綱は、王妃様だ。夜遅くまでは、残られないと思うけど……コルドバ王国からは、リュミエラ王女が嫁ぐのだ。早々に王宮に帰ったりはしない。失礼だからね。

「そうですね。普段、国王陛下夫妻は、貴族の屋敷のパーティで長居はされませんが……縁談があるコルドバ王国、ソニア王国の大使館では、いつもよりは長く滞在されるでしょう。ただ、王妃様がいらっしゃるので、ペイシェンスも安心して楽しめますね」

まぁ、それは安心感があるよね。パリス王子も王妃様の前で、テラスに誘い出したりしないだろうから。

お茶を飲んで、パーシバルは屋敷に一旦帰る。私もナシウスと寮に行かなきゃね!

今夜は、きっとマーガレット王女の部屋で女子会だと思う。婚約発表したマーガレット王女とリュミエラ王女の恋バナ! そして、社交界デビューしたエリザベスとアビゲイル、去年のデビュタントのリリーナ!

これからのパーティへの出席なども確認したいしね。私は、ラフォーレ公爵家のパーティは、パスする予定だから、その時のマーガレット王女のお供とかも。

だから、チョコレートとマカロンを多めに持って行く。長くなりそうなんだもの。

ただ、勉強会も続けないといけないんだよね。屋敷なら、家庭教師とかもいるだろうけど、寮にはいないから。

でも、去年、社交界デビューしたキャサリンとハリエットの成績、明らかに落ちている。リリーナの方がマシだなんて、本当にパーティ三昧なのか? 体力あるなぁと逆に感心しちゃうよ。

そんな呑気な感想は、エリザベスとアビゲイルに吹き飛ばされた。

「ペイシェンス様は、もうパーシバル様と婚約されているから呑気な事を考えておられるのだわ!」

王宮のパーティ、私が帰った後、より良い相手を求める令嬢達の戦いが本格化したみたい。

「でも、エリザベス様はすぐには結婚したくないと言われていたのでは?」

前に、そう言っていたよね? あれ? マーガレット王女やリュミエラ王女やリリーナにも呆れられた。

「今、婚約しても、すぐには結婚はしませんわ。準備も大変ですもの」

卒業したら、すぐに結婚したいと言っていたアビゲイルに説明して貰う。やはり、貴族の結婚の支度は細々した物まで用意するから大変みたい。

「リリーナ様には悪いのですが、やはりデビューした年がより良い相手を得るチャンスなのです。何故、お相手を探されなかったのですか?」

おおっと、エリザベスの厳しい質問だ。

「何故でしょう……」

困った顔のリリーナ。本当に妖精みたいに可憐だけど、ぼんやりしているのが足を引っ張っているのか?

「普通は、親戚とかが縁談を持ち込むのでは?」

マーガレット王女も心配そうだ。

「縁談の方は……あまり……」

ああ、リリーナの美貌が曇る。つまり、気に入らない相手だったんだ。

「ペイシェンスも親戚からの縁談がパーシバルと結びつけたのでしょう?」

マーガレット王女とリュミエラ王女には、婚約フィーバーの時に説明していたけど、そう言えばエリザベスやアビゲイルは知らなかったかもね。

「えええ! 縁談で!」

「あんな優良な相手をお世話して貰えるなんて!」

エリザベスとアビゲイルに羨ましがられた。リリーナもコクコクと頷いている。

「小父様じゃない……」

どうやら、かなり年上の相手との縁談で、リリーナは断ったみたい。ただ、それを世話した親戚の人の気持ちも分かる気がする。

包容力があり、リリーナが少しぼんやりしていても、それを大目に見てくれる相手じゃないと駄目だと思うから。ただ、私はあまりに年上は無理だから、断った気持ちも理解できる。

そこからは、マーガレット王女、リュミエラ王女の婚約の祝福などをしたのだけど、二人とも真面目な顔をして受け止めている。

「パリス様とパーティに行けるのは、とても嬉しいのだけど……もっと、お力になれるように頑張らないといけないの」

マーガレット王女の言葉にリュミエラ王女も頷いている。婚約が発表されて、次代の王妃になる覚悟が決まったみたい。

「私は、来週は領地に行く予定ですから、今週は真面目に勉強しましょう!」

リリーナをAクラスに戻せるかは分からないけど、もう少しレベルアップさせないと良い結婚相手は見つからない。

エリザベスとアビゲイルも他のメンバーのやる気に驚きながらも、浮ついた気持ちを引き締めた。