軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

スイーツ! スイーツ!

飛竜の丸焼き、塩漬けにされているから、少ししょっぱかった。でも、噛めば噛むほど旨みがある。

うん、お酒のアテに良い感じ。早く、お酒が飲める年になりたいなと思ってしまう。

「これ、本当に冷凍で持ってきたかったです。その上で、ペイシェンス様に料理をして貰いたかった……。これは、これで美味しいだけに残念です」

相変わらず、ゲイツ様は他国の大使館で言いたい放題だ。でも、アルーシュ王子もザザビー大使も何も言わないって事は……。

「ペイシェンス、後でゲイツ様と話し合いたいのですが、私では無視して帰りそうです」

パーシバルは、何を取り引きしたのか気になるみたい。

私は、関わりたくないな。でも、パーシバルの頼みだから、何とかしよう! 二人で目配せする。

「バラク王国では、食事の後のデザートはないのだ。だが、おやつはあるから、それを出そう」

弟達や女学生達も辛い料理よりは、おやつに目が輝く。飛竜は美味しかったけど、確かに塩味だけだからね。

「ペイシェンス様が何かスイーツを持って来た気がします」

うっ、メアリーにケーキを手土産に持たせたけど、まさかドレスに匂いが移ったの?

ジャスミンの香水を少し付けているんだけど? これを使い切ったら、バラの香水に変えようかなと思っている。お印をバラにしたし、領地でバラ水を作ったからね。

「ペイシェンス様、お出ししても良いですか?」

手土産のスイーツを客人に出しても良いか、ザザビー大使が聞くので、許可を出す。

「バラク王国では砂糖も栽培できるのでは?」

果物を砂糖漬けにしたのをつまみながら、アイーシャ王女に質問する。

「ええ、少しは栽培している地域もあります」

少し? 首を傾げていると、アルーシュ王子が苦笑して説明してくれた。

「南の大陸では、農業も魔物と戦いながらなので、なかなか思うようにできないのだ」

うっ、それは大変そうだ!サトウキビはローレンス王国では栽培は無理そうだから、やはり甜菜を見つけたい。

「でも、輸入品に砂糖が多いのですが?」

パーシバルが首を傾げている。

「それらは、塀で囲って栽培しているのですよ。本当なら、国民が食べる食物を植えるべきなのかもしれませんが、魔石と砂糖を輸出して、穀物を輸入しているのです」

ザッシュが真剣な顔で説明してくれた。本当に南の大陸の魔物の多さと強さは厄介だね。

青いバナナの揚げたのは、上に砂糖がたっぷり掛かっていて、私は手が伸びなかった。

甘いものが好きなサミュエルやヘンリーも一個で十分って顔をしている。

お茶というか、コーヒー? は黒くて濃い感じ。

「砂糖か塩を入れて飲むのですよ」

あっ、前世でも中東とかでコーヒーに塩を入れる地域があったね。

「塩に挑戦します!」

横でパーシバルが笑っている。

「砂糖の方が慣れた味だと思うのに、わざわざ塩にするのですね」

小さな金属の容器に、濃いコーヒーを少し注いでもらう。そこに、塩の粒を入れて混ぜて飲んでみる。

「ああ、こういう感じになるのですね! 苦味と酸味がマイルドになった気がします」

隣のパーシバルも真似をしたけど、そもそもコーヒーを飲み慣れていないから、苦そうな顔をした。

「えっ、塩ですか?」

ゲイツ様は、砂糖を山盛り入れて飲んでいたのだけど、耳ざとく聞きつけて真似する。

「ああ、ミルクを入れずに飲むなら、塩も良いかもしれません。それに、これならケーキと合いそうです」

持参したエバの力作ケーキ、メロンがたっぷり使ってある。

「これ、これですよ!」

召使に分厚く切らせているけど、少しは人数を考えてよ!

まぁ、ケーキだけでなく新作のスイーツも手土産にしているけどね。

「アイーシャ王女もお召し上がり下さい」

手土産なのに、ゲイツ様が大きく切り取らせたので、私やパーシバルは遠慮するよ。

アイーシャ王女も女の子なので、新しいスイーツには目が離せないみたい。あら、美少年風のハナも目が輝いている。

アイーシャ王女は、気を使って、小さ目に切って貰っている。この人数では、全員に当たらないと心配したみたい。誰かが大きく切らせるから!

「足りなかったら、箱に入っているマカロンという焼き菓子を出して下さい。エバの新作なのですよ」

「新作!」約一名が騒いでいる。ザザビー大使が、慌ててマカロンを皿に盛って出させる。

「こんな新しいスイーツを私に内緒にしていただなんて! ペイシェンス様、酷いです!」

ああ、これをあげると言ったら、絶対に屋敷について来そう。パーシバルは、ゲイツ様がバラク王国で何をしたのか知りたいみたいだから、協力するけどさぁ。できたら、あまり関わりたくないな。

色とりどりのマカロン! 可愛いよね! それに、前に料理クラブと試した味が違う食物色粉を使っているよ。

前世でもマカロンは大好きだったけど、レシピを思い出せなくて、エバに苦労させちゃった。アーモンドパウダーを使うのは知っていたよ。

それと、卵白と砂糖! 卵白を冷たく冷やすのがコツだったそうだ。

中に挟んだジャム! 領地で取れるベリー類、果物を麦芽糖で煮たんだ。

ゲイツ様は、全色取ってもらって、一口ずつ食べては唸っている。

「ああ、やはりペイシェンス様と結婚したいです。パーシバルなら、他にもいっぱいお相手がいるでしょう。モテモテですから」

ちょっと! 変な事を言わないでよ。

「私は、ペイシェンス以外は考えられません」

わぁ、頬が赤くなっちゃう! それに、凄く嬉しい!

「私もです!」

二人でラブラブモードになっちゃった。

「この飛竜の肉、少し貰えませんか? ペイシェンス様に料理してもらいたいのです」

私達のラブラブモードを蹴っ飛ばすみたいに、ゲイツ様が我儘を言っている。

でも、パーシバルには好都合だよね。

それに、ちょっと美味しそうな料理も思いついたんだ。エスニックといえば、スイートチリソース! 塩っぱい飛竜の肉を細かく裂いて、きゅうりやパプリカの千切りと一緒に生春巻きにすれば……美味しそう! 生春巻きの皮がなければ、クレープでも代用できるよね。

「ああ、やはりペイシェンス様は……あの時、失敗したのが悔しいです」

やはり、あの時、陛下に外国に行かせられないと言われて、落ち込んだ時! ゲイツ様が珍しく親切に弟達と過ごしたら良いと言ったのは、パーシバルを諦めさせるつもりだったんだね。

忠告してくれたメアリーに感謝しなきゃ!