軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

どこまで話そうかな

パーシバルとバーンズ公爵家にお礼に行く事になった。急な話だけど、昼から空いているそうなので行く事に決めた。

「パーシー様、お昼を一緒に食べましょう」

パーシバルの格好は、いつもパリッとしているから、着替えなくても大丈夫だね。

「それは、嬉しいですね!」

パーシバルもエバの料理が好きだから、笑って了承する。

それと、訪問前にパーシバルとは話し合っておきたいんだ。

「騎士や護衛や管理人助手を譲って頂いたお礼は問題ないと思います。それと、手提げ冷蔵庫は持って行きたいです」

夏休み前に、保冷剤は伝えたと思う。領地に戻る貴族は、チョコレートをお土産にしたいから便利だったよね。

「それより、魔法合宿や騎士合宿について、どこまで話すか、二人で決めておいた方が良いですね」

それ、私も悩んでいるんだ。バーンズ公爵とカエサル様、二人とも信頼している。

ゲイツ様も二人には 機密保持法案(トップシークレット) も話しても大丈夫って感じだった。

「空を飛ぶ訓練については話しても大丈夫でしょう。王宮魔法使い達も訓練しているみたいですから。ただ、ヘンリーが使っている空飛ぶスケボーは……」

あれは、ちょっとやらかしているからね。

「ゲイツ様は、少しずつ出していけば良いと言われていましたわ」

つまり、今回は内緒だ。カエサルが飛びつきそうな魔導具なんだけど。

「それと、あの盾も機密ですよ」

これ、安価な材料でできるから、勿体無いな。

「空を飛ぶ訓練は、王宮魔法使いもしているそうですから、報告しても良いと思います」

それと、竜の飛来を心配しているバーンズ公爵には伝えた方が安心されるかな?

「ゲイツ様が実際に竜を討伐した経験があるのは、伝えても良いものでしょうか?」

それは、パーシバルも悩ましいみたい。

「勝手に竜の谷に行ったのは、あまり公にしない方が良いと思います」

そうなのかもね! まぁ、ゲイツ様の実力は、バーンズ公爵も信用しているみたいだから、言わなくても良いかな。

ランチ後、パーシバルと二人でバーンズ公爵家に行く。勿論、メアリーの付き添いとベリンダが護衛としてついてくる。

お土産は、冷凍したマッドクラブとメロン! 冷凍マッドクラブは、大きな保冷箱に入れて馬車に積んだ。

まぁ、木箱に保冷剤を大量に詰めた感じだよ。

「ペイシェンス、パーシバル! 夏休みはどうだった?」

カエサルの出迎えだ。

「カエサル様、領地で忙しくしていましたわ」

パーシバルとカエサルは同級生なので、にこやかに挨拶する。

「ハープシャーで過ごす事が多かったです」

ちょこっとモラン領に行くだけだったからね。もう少し行った方が良かったのかな?

応接室には、バーンズ公爵夫妻がいた。メアリーは屋敷に着いた時点で、控え室に行ったけど、ベリンダは一言挨拶する。

「ご無沙汰しております」

公爵夫人の護衛を時々していたから、ベリンダはよく知られている。

「まぁ、格好良い服装ですわね!」

そう、ベリンダにも制服を着せているんだ。領兵より上等で、騎士の制服に似ている。違うのは、女性だから少し華やかさをプラスさせてあるところ。

「ペイシェンス様の服装センスは素晴らしいですから」

ベリンダに褒めて貰えた。

「そうですわね! 着ていらっしゃるドレスも若々しくて素晴らしいわ」

メアリーが張り切って着替えさせたからね。カルディナ帝国の鮮やかな青色の絹で作ったドレスだ。

ちょっと薄めだから、ギャザーをたっぷりとっても嵩張らない。

それに、長袖部分は、薄い生地なので、少し透けているのが、この季節にぴったりなんだ。

少しお互いに夏休みの過ごし方を話してから、騎士、護衛、管理人助手の紹介についてお礼を言う。これが訪問の目的だからね。

「騎士とベリンダは心配していないが、アダムとメーガンは大丈夫だったかな?」

二人はバーンズ商会で働いていたけど、少し退屈していたみたいだからね。より、寂れた領地でやっていけるのか、公爵は少し心配しているみたい。

「ええ、二人とも張り切って働いてくれていますわ。アダムは、グレンジャー館をホテルにする準備を任せています。メーガンは、領地で作る調味料関係の責任者になって貰いましたわ」

カエサルが笑う。

「ペイシェンスのソースの材料を領地で作るのだな!」

そうなんだよ! カルディナ街で買っていたら、儲けにならないからね。

公爵夫人も、屋敷に届けたソースを食べたのか、手を叩いて喜んでくれた。

「あのソースは、とても美味しいし、簡単に料理に使えるから、王都でも流行ると思うわ」

ここからは、公爵が仕事の話をする。

「ペイシェンス様は、王都に店を構えるべきではないでしょうか? ソースや魚介類など、それにワインも特産品なのでしょう?」

ワインは、まだ仕込んでいないし、高級品が作れるようになるには時間が掛かりそうなんだよね。

「バーンズ商会は、チョコレート以外の食料品は扱っておられませんね」

パーシバルが気がついたと驚く。

「ああ、領地で作られているのは、小麦や大麦や豆など、ごく普通の農作物なのだ。それと、自領で消費する程度の野菜だからな」

そうか、北部のバーンズ公爵領は、これと言った特産品がないんだ。だから、商会を立ち上げたんだね。

「その代わり、トレントや魔物は多いですがね!」

カエサルも夏休みは、討伐に参加させられたのかな? でも、七月の終わりには王都に帰っていたよね。

「バーンズ公爵領には、優れた騎士の方が多いのですね」

パーシバルは、譲って貰ったローラン卿やジェラルディン卿がとても優れているのを褒めた。

「まぁ、デーン王国に備える面もあるからな」

ああ、嫌な名前を聞いたよ。顔に出さないように、微笑みを絶やさないようにしなきゃ。

「ペイシェンス!」

頑張って、微笑んでいるのに、カエサルったら噴き出すんだもん。

「あの国のスレイプニル好きには困ったものだ」

バーンズ公爵も、王宮の広間に 美しき雪号(イルネージュ) を置いている噂を聞いたみたい。

ただ、私にとって幸いなのは、オーディン王子は、まだ社交界デビューされないから、デーン王国の大使館のパーティも小規模になりそうだって事だよね。

魔法合宿、騎士合宿の事は、バーンズ公爵は尋ねなかった。カエサルは聞きたそうだったけどね。

これって、ゲイツ様を信用しているからかな?

手提げ冷蔵庫は、カエサルが悔しがったよ!

「これを考えつかないなんて!」

それと、クラリッサったら、もう錬金術クラブに通っているみたい。

「クラリッサの錬金術の腕が凄く上がっている。エドより上手くなっていて、彼は焦っているよ」

親が頑固だから、双子なのに一年遅れて入学したクラリッサだけど、追い抜きそうな勢いだね。

「彼女は、学習も凄く頑張っていましたわ」

これなら、秋学期に飛び級して、来年度からは中等科になれそうだね。

馬車での帰り道、あれこれ話す事を考えていたのにと、パーシバルと笑う。

「バーンズ公爵には敵いませんよ」

それと、アンテナショップを作るのは良いかもしれないと話し合ったよ。