軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

アルーシュ王子の誘い

ゲイツ様が来られて、二週間が経った。

「ペイシェンス、とても有意義な魔法合宿だった」

アルーシュ王子は、バラク王国に帰国するみたい。

「本当なら、もっと飛べるようになるまで、ここで練習したいのだが……そう我儘も言えない」

帰国するアルーシュ王子の為に、持ち歩ける冷蔵庫を作り、チョコレートをお土産に渡した。

「ああ、これは母達と姉妹達が喜ぶだろう!」

母達、まぁ、習慣が違うから仕方ないね。それに、仲も良さそう。何処かの国の王妃と愛妾より平和なのかも?

「ペイシェンス! 今回は、本当にお世話になったから、何か欲しいものがあるなら言ってくれ」

竜の素材が欲しいけど、それは駄目なのはわかっている。

「この前頂いた蘭の花や、変わった植物の種などが欲しいですわ!」

アルーシュ王子は、笑って頷く。

「ペイシェンスは、ロマノ大学で薬学も学ぶと言っていたな。それなら、南の大陸の薬草をお土産にしよう」

それ、本当に嬉しい! カルディナ帝国の高麗人参っぽいのも欲しいけど、南の大陸の薬草にも興味があるんだ。

「一度、ペイシェンスもバラク王国に来れたら良いのだが……」

それは難しいな。でも、南国の果物、植物、薬草には心惹かれる。

「ペイシェンス、行く時は、私も一緒ですよ」

パーシバル、そんなに心配しなくても行かないよ。

ザッシュも、ハープシャーに滞在させてもらって嬉しかったと礼を言った。

「ローレンス王国の領主の大変さが少し理解できた気がします」

そうか、ザッシュは文官コースを選択しているんだもんね。

「バラク王国とは、違いますか?」

パーシバルは、やはり他国の制度とかに興味があるみたい。

「ええ、まだまだこれから整備しなくてはいけません」

隣国の国というか、部族を併合して大きくなったバラク王国だから、法の整備もまだなのかも。ザッシュは、そちらを中心に学びたいみたい。

「ペイシェンス様とパーシバル様には、一度来て頂きたいです」

アルーシュ王子は、私を招待したけど、ザッシュは二人を招待する。

「行けたら、行きたいです」

パーシバルだけなら行けるのかもね。私は、国王陛下から禁止されているし、それが許可されないと駄目かも。

二人は、サティスフォード港から船に乗る予定だ。

アルーシュ王子を見送って、パーシバルと少しだけ 馬の王(メアラス) に乗る。

「小さな村を視察したいですわ」

ハープシャー、グレンジャーの町は何度も見ているけど、村は途中にあるのしか見ていない。

本当に数軒が固まっているだけだ。

「田舎の村は、こんな感じなのかしら?」

王都から領地まで、町もあるけど村もある。

もう少し大きくて店などもありそうな感じだけど?

「モラン領の村も同じような感じです。もう少し軒数は多いですが、町に行かないと店はありませんね」

村と村の間もかなり距離がある。馬を持っていない人は、歩くしかないんだね。

「少なくともハープシャーとグレンジャーの間には、何か交通手段が必要ですわ」

ちょこっと 馬の王(メアラス) で回っただけでも、問題点が目につく。

「ペイシェンス、ゆっくりと進めれば良いのですよ。市も人が集まるようになったではないですか」

パーシバルに慰めてもらう。

ハープシャーとグレンジャーの市で、冷やし飴の屋台を出したんだ。

これは、改修中の宿屋の主人に丸投げしたよ。

宿の女中に屋台をさせていたけど、客あしらいが上手くて、かなり繁盛していた。

ポット苗は、館の下男と下女に売らせた。

そして、焼き芋とさつまいもの苗、これがかなり売れたんだよね!

順調に行くようなら、万屋にポット苗やさつまいもの苗を置いても良い。

少しずつ、農家の生活が豊かになっていけば良いな。

本当は、王都から古着を買って、売りたい気分だけど、これからだね!

グレンジャー館には、一日に一組限定で、お茶に来てもらっている。

まだ使用人の教育ができていないからね。

一組といっても、数人単位だから、練習になると思う。ミッチャム夫人が、王都の屋敷から連れてきたメイド見習いと、現地で採用した使用人を時々交代させながら、経験を積ませている。

「皆様、とても喜んでおられますわ! 気晴らしにもなるし、美味しいスイーツや素敵な景色が好評ですの」

リリアナ伯母様から、感謝の手紙を貰ったよ。

秋に社交界デビューしたら、保護者としてパーティに参加してもらうから、少し恩を売っておこう。

午前中は、パーシバルとずっと一緒で嬉しかった。

このところ、パーシバルは飛行訓練に夢中だから。それは、他の人もだけどね。

ルーシー、ナシウス、パーシバルは、なんとか飛べる。

ヘンリーは、まだ空飛ぶスケボーに乗っているよ。

一人でも飛べるというか、浮かべるようにはなったけど、空飛ぶスケボーに嵌ったみたい。

他の人も羨ましそうに見ているけど、ゲイツ様がヘンリー専用だからと厳しく言うので、我慢している感じ。

これ、カエサル様にバレたら、大騒ぎしそうな発明品なんだよね。

ゲイツ様は、夏休みなのに仕事を増やしたくないから、輸送革命などに手をつけたくないみたい。

サリンジャーさんにバレたら、大目玉かな? 私も一緒に叱られるかも?

オルゴール体操のご褒美も、皆は喜んでくれている。約一名だけは除いてね。

ファイルなんかいらないとか、ヘンリーの前で言ったら承知しないからね!

夏休みも残り少なくなった。これからは、パーシバルの誕生日パーティの支度をしなくては!

いや、領主の仕事もするけど、私的には、これが重要。

誕生日プレゼントの盾は、少し外しちゃったけど、パーティはちゃんとした物にしたい。