軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

グレンジャーホテル?

お茶の後、守護魔法陣を小さく、小さくするのをやろうと思っていたのだけど、ラドリー様からの提案が気になる。

「騎士の家は、ライトマン教授の助手達に手伝って貰います。もう、材料は発注済みですから、届き次第に作ります」

ラドリー様、凄く効率的に仕事をされる。これは、見習いたいな。

「騎士の家を作るついでに、モンテス氏から提案があった上級使用人の家も作るつもりです」

あああ、忘れていたよ! メアリーとか結婚している使用人もこれから増えそうなんだ。エバもいつかは結婚するかもしれないしね。

それと、ベリンダはローラン卿と一緒に騎士の家で良いけど、アダムとかメーガンとか使用人の部屋ではちょっとね!

「ラドリー様、ありがとうございます」

それと、ラドリー様はハープシャーのボロい宿屋、そして貸家の改築計画も立てていた。本当に、サクサク仕事をする姿には、尊敬しか感じない。これで、食い意地が張ってなければね。

うん? ラドリー様って独身なのかな? アビゲイルのお相手に良いかも? サリンジャー様も候補だけど、家に帰って来そうにないからね。

秋になったら社交界デビューだ。友だちには、良い結婚相手を見つけて欲しい。それに、結婚してからも付き合える相手だと、より嬉しい。

そんな事を考えていたら、グレンジャー館の補修をすると言い出した。

「まぁ、もうですか? 材料とかは?」

驚いたよ! 昨日、視察したばかりじゃん。

「それで日避けの布は、ペイシェンス様に染めて頂きたいのです」

私が描いたデッサン、外のテラスでお茶ができるようにしている。それを採用したみたい。

「秋や冬よりも、グレンジャー館の場合は、夏がハイシーズンになりそうなので、外で食事をするのが良いと思うのです」

それは、そうかも? 暖かい地方だと言っても、冬の海風は冷たかったから。

「ええ、それにノースコート伯爵から、早くして欲しいと言われていますの」

これは、こちらの宣伝にもなるからね。来年までには、ホテルを開業したいと思っている。

「それと、もう一つ提案ですが、グレンジャー館の横に研修施設を建てませんか? いずれは、グレンジャーホテルは大人気になりそうですから。でも、ペイシェンス様の領地改革の為の研修は続きそうですし、お互いに気兼ねなく滞在できるように分けた方が良いと思います」

うっ、それは魅力的な提案だけど、費用が掛かるよね?

「パーシー様、どうしましょう?」

先ず、パーシバルに意見を聞く。普通は、父親に聞くのだろうけど、金銭面は役に立たないからね。

「将来的に見ると、良い提案だと思います。グレンジャーの宿屋もかなり古びていますから、そこの主人を雇っても良いのかもしれません」

ううん、どうしよう? お金は、まだあるけど、二館もいるかしら?

「ペイシェンス様、ラドリーが言うなら、その通りなのでしょう」

パクパクとミニサンドイッチを食べていたゲイツ様が横から口をはさむ。

そのミニサンドイッチは、騎士合宿の人達の為なんだよ。凄くハードモードみたいだから、少し栄養補給しなきゃと作って貰ったの。

魔法合宿組のは、ミニケーキだった筈。そちらも食べて、騎士合宿組のも食べているんだ。

えっ、誰かのサンドイッチが無いのでは?

「ゲイツ様、パーシー様のサンドイッチを食べましたね!」

怒るよ! まぁ、すぐにハーパーがパーシバルにサンドイッチを持って来たけどさぁ。

「こんな美味しいサンドイッチを何故、私に下さらないのですか?」

呆れて口を開きたくない気分!

「えっ、そんなに美味しいのですか?」

ラドリー様、尊敬していたのに!

「ラドリー様にもサンドイッチのお皿を……」

ハーパーに命じる。横で、ラドリーだけ狡いとか騒いでいる人がいるけど、最初からパーシバルのを食べているじゃん。無視! 無視!

それなのに、アルーシュ王子まで参戦する。

「ペイシェンスのサンドイッチかぁ。あれは美味しかったなぁ」

ふぅ、食いしん坊ばかりだね。アルーシュ王子とザッシュにも運ばせる。

「ううん、マッドクラブサンドイッチ! これは、本当に美味しいです」

ラドリー様、グレンジャー館の改築の話の途中だったけど、気持ちがサンドイッチに行っちゃっている。

「ペイシェンス、お代わりが欲しい」

サミュエル、かなりサリエス卿にしごかれているみたい。それに、成長期の男の子の食欲は凄いからね。

「ナシウスはいりませんか?」

ナシウスもあっという間に食べている。

「でも、夕食が……」

そう、夕食も美味しいものがでるからね。

「ええ、今夜はグレンジャー海老のテルミドールです」

ナシウスは、お代わりを止めた。サミュエルもね!

「その料理は、食べたことがありません!」

「どのような料理なのでしょう」

約二名が煩い。私が無視しているから、ナシウスが説明する。

「大きなグレンジャー海老を半分にして、ベシャメルソース、チーズを掛けて焼いた料理です。とても美味しいのですよ」

ちょっとゲイツ様! 涎が出ていますよ。顔だけは美形なのに台無し!

お茶の時間の後は、クラリッサにも手伝って貰って、日避けの布を染めた。

濃いグリーンと真っ白! 白は染めなくて良いだろう? 違うんだよね。白い布だけど、少し生成りなんだ。海の近くのテラスには、真っ白じゃなきゃね!

濃いグリーンのは、館から出てくる感じ。上には濃い茶色の角材の日避け。これだけでは日避けにはならないけど、雨の日に布だけでは頼りない感じだからさ。

それと、錬金術クラブでは不評だった球体の魔導灯、ラドリー様は、気に入ったみたい。

プール用の板ガラス、割れないようにスライム粉を混ぜて作る。

「綺麗なブルーにして下さい!」

これは、ラドリー様から言われている。海の青と空の青を映したら、とても綺麗なプールになると思うんだ。

プールサイドは、こちらの地方で取れる石、少し灰色がかっている中で、白っぽいのを選ぶそうだ。

「撥水加工は、クラリッサもできるでしょう!」

任せる所は、任せて、私は大小の球体の魔導灯を作る。

それと、夕方に木々をキラキラさせたら良いムードだから、電飾も作るよ!

パーシバルと、夕方にデートしたいなぁ。メアリーが付き添いでも、良いから。

うん、魔導灯と電飾も良いけど、篝火もロマンチックかも? その篝火台も作っておこう。わざと無骨に黒い台座にするよ。

昼は、明るい日差しと、オレンジの屋根と白い壁の南国風なグレンジャー館。

あちこちに観葉植物やつるバラを配置したい。

それに、浅いプールが海と一体感を醸し出して、高台だけど海辺にいる雰囲気になると思う。

昼は、弟達や父親も一緒にランチしても良いな。

そう、自分が素敵だと思うホテルにしなきゃ、お客様も満足しないよね!

ああ、竜なんか来なきゃ良いのに! こうした細々とした物を作るのって、凄く楽しい!