軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

初めての寮の夕食

マーガレット王女の部屋でプチお茶会をしながら、恋バナをしていたら、リュミエラ王女もやって来た。

「あら? デートだったのに早く来られたのね?」

マーガレット王女の冷やかしに、少し頬を染めて、お土産を侍女に配らせる。

「これは、コルドバ王国の果物の砂糖漬けなのです。こちらのチョコレートほどは美味しくはありませんが、冬場のスイーツとして人気なのですよ」

私は、果物の砂糖漬けは、前世から好きだったから、嬉しい!

「ありがとうございます!」

皆も喜ぶよ。春まではフルーツはなかなか口にできないからね。りんごとか温室のいちごは別だけど。

「キースとジェーンにカレン王女のお世話をしてもらっているのだけど、大丈夫かしら?」

恋バナが一段落して、少しマーガレット王女も心配する。私も少し心配だけど、少しずつ経験していった方が良いと思う。

「リリーナ様もお呼びした方が良いのでしょうか?」

まだ部屋は整っていないだろう。リリーナが下の食堂でポツンと待っているのは可哀想かも?

「そうね、ペイシェンスお願いするわ」

マーガレット王女の許可が出たので、食堂に下りる。リリーナの件もあるけど、ナシウスがどうしているかも心配だったのだ。

生憎、ナシウスは食堂にいなかった。部屋でマシューと荷物を片付けているのかも?

家具は持って来ていないけど、暖炉の前のラグとかベッドカバーがあるから、あれこれ二人でやっているのだろうと思う。二年前のメアリーとソファーを持ち上げてラグを敷いたのとか思い出しちゃう。

「リリーナ様、部屋が整えられるまで、マーガレット王女の部屋においでになりませんか?」

やはりリリーナは、ポツンと食堂に座っていた。

「ペイシェンス様、ありがとう! 私は、キャサリン様やハリエット様達と意地悪していたのに、親切にしてくれて……」

おお、初めて長いセンテンスを聞いた気がするよ。

「いえ、マーガレット王女もお待ちですわ」

リリーナをマーガレット王女の部屋に案内する。

特別室の1号室だから、他の部屋の混乱状態から隔離されてて良かったよ。2号室はリュミエラ王女、3号室はジェーン王女、4号室はカレン王女かな? 華やかな花のデザインの家具はソニア王国風なのかも?

5号室、6号室は、エリザベスとアビゲイル、7号室、8号室がジェーン王女の学友? 9号室がアンジェラじゃないかな? ピンクと白のソファーとか、そんな感じだよ。

遅れて寮入りしたリリーナは10号室だ。

まぁ、特別室が満杯で、私は下の普通部屋で良かったよ。節約できるしね!

今回は、王族以外は、応接セットとドレッサー程度しか持ち込んでないから、もう少ししたら混乱は収まりそう。

「食事は、このメンバーで食べましょう」

あら? パリス王子と一緒でなくても良いのかしら? 私的には楽だけどね。

「留学されている王子達は、キースが面倒を見ます。あの子も中等科になったからには、王族としての自覚を持たなければと、お母様がそう言われたのよ」

かなり、キース王子に任せる事になったんだね。それか、マーガレット王女とパリス王子の距離を置かせる作戦なのかな?

「ジェーンは、カレン王女と側仕えと学友と食事をするでしょう」

うん、ジェーン王女は大丈夫かな? アンジェラの負担が増えなければ良いけど。

「まぁ、それが基本だけど、その時に応じて、別のテーブルで食べても良いのよ。社交界デビューしたら、婚約者ができるかもしれないもの」

エリザベスとアビゲイルとリリーナが「きゃあ」と嬌声をあげる。

「ペイシェンスも、パーシバルと偶には二人で食べても良いのよ」

いや、それなら今夜、寮の初食事をナシウスと食べたいです! 一人で夕食を食べるなんて寂しい真似はさせられない!

なんて思っていたけど、男子寮の友だちとわいわい食べていたよ。それは、それで良いんだけど、お姉ちゃん、少しショックだったな。

パーシバルは、やはりキース王子に全ては任せられないから、そちらの監督をしている。

「ペイシェンス、少しお時間を頂けますか?」

あれ? 昨日、時間割とかの相談はしたよね? まぁ、パーシバルと話せるのは嬉しいから良いけどさ。

「ええ、少しぐらいなら」

寮の食事の仕方をマーガレット王女がエリザベス、アビゲイル、リリーナに教えている。リュミエラ王女も慣れたものだ。

「ペイシェンス、パーシバルと一緒に食べても良いわよ」

許可が出たので、あちらのテーブルから離れて、パーシバルと二人で夕食を食べる。

「こうやって見ると、他国の王族が多いですね」

パーシバルは、やはりキース王子に丸投げはできないと溜息をついた。

パリス王子は妹のカレン王女が気になるのか、アルーシュ王子やオーディン王子と共にキース王子と同じテーブルから心配そうに見ている。

「カレン王女は、ジェーン王女とは違うタイプですから、少しペイシェンスにも手助けして貰わないといけないかもしれません」

パーシバルは、領主として仕事が山積みなのに申し訳ないって態度だったけど、チラッと見ただけでも、ジェーン王女の学友は活発だし、合わないのかもしれないね。

「ケイトリン様は、ミハイル様の妹さんだし、キャロライン様はグリークラブのランバート様の妹さんですよね。お二人とも乗馬クラブに入られると聞いています」

二人とも兄の方とは知り合いだけど、ちょっと違うタイプだね。特にケイトリンのお母様は、お転婆だとお悩み中だったな。

「ええ、カレン王女は、乗馬よりは音楽の方に興味があるみたいなのです。アンジェラと一緒に音楽クラブに推薦して頂いた方が良いのかもしれません」

まぁ、パリス王子も音楽クラブとグリークラブの掛け持ちだからね。

「ただ、音楽クラブは新曲を作らないといけませんの。大丈夫でしょうか?」

そこまではパーシバルも知らないみたい。

「提案だけしてみます。それか、パリス王子に相談しても良いですね」

相変わらずパーシバルは、学生会長だけでなく、他国の王族のお世話もしなくちゃいけないみたい。

「私もアンジェラが大変そうなら、少しお手伝いしますわ」

パーシバルが、なるべくお手数を掛けないようにしたいと笑った。

確かに、優先しなくてはいけない事は、領地管理なんだけどね。

「この週末と次の週末は領地には行けませんが、二月の週末は行きたいと思っています」

今は、冷凍車はサティスフォード子爵に貸しているけど、領地に行く時は返して貰う事になっている。

「教授会に錬金術クラブの体験コーナー。ペイシェンスも疲れないようにして下さい」

教授会は、父親に治水とかに詳しい教授を紹介して貰う予定なんだ。

「家政婦が来てから、教授会も私の手から離れましたから、その日は食事をするだけですわ」

それも、ナシウスが入学したから、忙しい時は私はパスできそうなんだよね。ホステス役がいた方が良いけど、そこは伯母様達に丸投げしちゃうかも?

「これまで大変でしたからね」

パーシバルに労われたよ。

「そろそろ、部屋に戻りますわ」

マーガレット王女達も食事を終えたみたいなので、一緒に上に行く。

「勉強会ですか?」

パーシバルに笑われた。

「ええ、この一週間はテスト期間ですもの」

マーガレット王女もリュミエラ王女も、かなり勉強して単位を取っている。問題は裁縫だよ!

「頑張ってください」と激励されたよ。私は、ナシウスが飛び級できるのかも心配なんだけど、多分、大丈夫だと思う。

同じ寮にいても、あまり接触がないのがお姉ちゃん寂しいよ。パーシバルがいるから、少し安心だけどね。