軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

お土産配り!

明日は新年だ。つまり貴族達は新年会に出席するから、忙しい筈だけど、うちの父親は読書三昧だよ。

「新年会に行かれないのですか?」

朝食の時に尋ねた。

「ユリアンヌが元気な時は出席していたが、その後は欠席している」

それで良いのか? まぁ、去年までは無職だったし、行かなくても良かったのかも。

「お父様は行かれないのですね?」

ナシウスも不思議に思っている。

「社交は苦手なのだ……それに……」

うん? そりゃ読書している方が好きなのは分かるけど、今の言い方は微妙だ。

もしかして、後添え目当てのご婦人が苦手なのかも? グレンジャー子爵家は貧乏な法衣貴族だけど、今はロマノ大学の学長の俸給もある。

私は、パーシバルと結婚するから、父親が再婚したら安心な面もあるけど、ナシウスやヘンリーが独り立ちするまでは、やはり継母は微妙だとも思う。

自分勝手な意見だけど、新年会に出席しないのも有りかもね。

冷凍車はモラン伯爵領のギルドに護衛を依頼して、夜に着いた。

「今日はお土産を配らないといけないわ」

ナシウスとヘンリーもサミュエルにお土産を持って行きたいと笑う。

蟹の置物。まぁ、サミュエルも一応はお礼を言ってくれるだろう。

「リリアナ伯母様が、お話をしたいと言われていたけど、新年会が終わってからの方が良いのかな? お土産だけ持って行って貰おうかしら?」

とは言え、冷凍の蟹を試食しないと、配れない。不味い物をあげたら失礼だもんね。

昼は、蟹を色々と試食する。先ずは、冷凍車で冷凍した蟹だ。

生の蟹だから、蟹鍋にしたい。ゲイツ様が魔法で冷凍した蟹と鍋で食べ比べよう!

湯がいて冷凍した蟹は、昨夜から自然解凍させてある。これは、蟹サラダにしてみるつもり。

昼食、ノースコート伯爵家から戻ったカミュ先生、そして試食に参加して貰うパーシバルと家族であれこれ食べてみる。

「マッドクラブを王都で食べられるとは思っていなかった」

父親は、学生時代に友達の領地で食べた事があるみたい。

「やはり、魔法で急速冷凍した方が美味しいですわ」

「新鮮なマッドクラブを冷凍したから美味しいのでしょう」

パーシバルは、王都でマッドクラブを食べられる事だけでも驚きだと笑う。

冷凍車で冷凍した蟹もまぁまぁだけど、鍋物だと差が出るね。蟹クリームコロッケとかなら良いかも?

湯がいた蟹は二番目かな? ゲイツ様や私がいない時は、湯がいて冷凍した方が味は良いのかも?

それか、急速冷凍する魔法陣を考えるか? 冷凍の魔法陣はあるから、それをスピードアップさせたら良いのだけど……。ちょっと考えてみなきゃね。

それと、魚の干物のスープ、エバはやはり腕が良いね。昨夜のうちから水で戻していたのが、良い出汁になっている。

冷凍の蟹、魚の干物のスープ、とても美味しかったけど、やはり今回のメインは雲丹の瓶詰めで作ったパスタだ。

「お姉様、生の雲丹とは別の美味しさがあります」

ナシウスは、味に敏感だね。まぁ、生は生の美味しさがあったけど、瓶詰めも良い感じだ。

「お父様、パーシー様、これは売れるでしょうか?」

私はお酒は飲まないから、酒のアテになるか聞きたい。

だから、カナッペに雲丹の瓶詰めと小さくカットしたチーズを乗せて貰った。

「ああ、これなら晩餐会の後のサロンでも食べやすいから人気になるだろう」

「気の利いたおつまみになりそうですね」

ふぅ、やはりアテになりそうだ。

「これを、グレンジャーの特産品にしたいのです」

ナシウスとヘンリーもにこにこ笑っている。

ゲイツ様、モラン伯爵家、モンテラシード伯爵家、ノースコート伯爵家、マックスウェル子爵家、サティスフォード子爵家に冷凍蟹を配る。

それと 雪狼(ニックスルプス) の毛皮もね! ラシーヌにもあげようと思う。

サティスフォード子爵も冷凍魔物の魚を運ぼうとしていたから、マッドクラブは参考になるんじゃないかな。

一度話し合いたいな。アンジェラとも会いたいし! 手紙をつけておこう。

返事があれば、会いに行ける!

「ペイシェンス、マッドクラブをバーンズ公爵にあげなくて良いのですか? うちもですが、あそこも新年会が目白押しだと思います」

王宮の新年会だけでなく、各家も新年会を開くみたい。大変だね!

「そうですわね。ゲイツ様が急速冷凍されたマッドクラブが一番美味しいから、それをお裾分けしますわ」

レシピはつけなくても、あそこの料理人なら何か知っていそう。

「ペイシェンスのレシピを付けてあげると喜ばれますよ。母もとても喜んでいますから」

そうか、なら書いて付けておこう。

「何が良いかしら? 鍋は新年会らしくないですわね?」

なんといっても公爵家なのだ。変わった鍋物なんか出さないだろう。

「新年会に出さなくても、家族では食べるでしょう」

そうかな? なら、鍋、蟹クリームグラタン、蟹クリームコロッケ、蟹サラダ……このくらいかな?

「ペイシェンスは、料理を次々と思いつきますね」

パーシバルに感心されたよ。前世は色々なグルメに溢れていたからね。