軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

やっと帰れたけど……

ゲイツ様の馬車で家に送って貰う。

「子爵様に挨拶したいですが、まだ帰宅されていませんね。ご挨拶するべきですが、ペイシェンス様も少し休憩なさりたいでしょうし、失礼します」

ここまでは、本当に感謝したのだ。ちょっとスパルタだったけど、お陰でいっぱいお肉と羽毛が貰えたし、 女子爵(ヴァイカウンテス) にも叙された。

「ゲイツ様、お世話になりました。ありがとうございます」

私の感謝の言葉は、どうでも良いって感じで流された。

「それより、パーティには絶対に招待して下さい!」

ああ、そうなんだよね!

「でも、 馬の王(メアラス) の世話で、それどころではないかも? それに調味料も使い果たしてしまったの」

ゲイツ様は、愕然としている。

「そんなぁ……! 馬の王(メアラス) をさっさと手懐けて、調味料はメモを書いて下されば、うちの使用人に買いに行かせます」

いや、パーシバルと買い物デートしたいよ!

こんな事を言い合うより、私が帰って来たのに気づいて、子供部屋から降りて来た弟達を抱きしめたい!

「お姉様、お帰りなさい!」

ああ、久しぶりのナシウスとヘンリーだよ!

「いっぱいお肉が貰えそうなのよ!」

ヘンリーがにっこりと笑う。お姉ちゃん、頑張って良かったよ。

2人を抱きしめて、キスをする。ああ、幸せ!

「ペイシェンス様、まだ 馬の王(メアラス) は夜寝る前は貴女にいて欲しいと思います。それと、基本的に馬は朝が早いのですよ。運動もしたがると思うので、パーシバルにも起きて貰わないといけません」

ふう、駄々っ子の世話をしなくてはいけないみたいだと、私はうんざりしているのに、横で聞いていたナシウスとヘンリーは目を輝かせている。

「ナシウス君、ヘンリー君、君達のお姉様はスレイプニルの群れを捕獲して、陛下から 女子爵(ヴァイカウンテス) に叙されたのですよ」

わぁ、凄く目が輝いているけど、それは父親に報告してから教える予定だったのだ!

「「お姉様、おめでとうございます!」」

可愛い 弟達(エンジェル) に祝福して貰って、幸せだから、どうでも良いけどさ!

弟達は「本当にスレイプニルは6本脚があるのですか?」とか「走るのが凄く速いって本当なの?」と口々に質問する。

ゲイツ様は「では、木曜に!」と言って帰ったけど、玄関ホールを開けてくれたワイヤットに 女子爵(ヴァイカウンテス) になった報告をしたり、なかなかお風呂に入れない。

「お嬢様はお疲れなのですよ。それに、今夜には寮に行かれるみたいですから、早くお風呂に入らないといけないのです」

うっ、そうなんだけど……メアリー、ちょこっとぐらい弟達と親睦を深めても良いじゃん!

「すみません、お疲れなのに」

ナシウスは聞き分けが良すぎるよ! ヘンリーと一緒に子供部屋に上がる。

でも、生活魔法で綺麗にしているとはいえ、1週間以上もお風呂に入っていなかったから、ゆっくりとお湯に浸かると、疲れが溶け出す気分になった。

やはり元日本人だから、お風呂は必須だよ!

石鹸で髪を洗うのは、要改善だけど、メアリーにお湯を注いでもらう。

それに、バスタオルとかバスローブも欲しい。今はガーゼかリネンで身体を拭くのだ。

「乾け!」で乾かすから、必要ないと言えば不必要なのだけど、リラックスタイムには欲しいよ。

つまり、今は寝巻きを着た上にガウンを羽織っているのだ。

前のグレンジャー家と違って、私の部屋の暖炉も薪が燃えている。

「メアリーも疲れたでしょう? お風呂に入って休んでも良いのよ」

キャリーが運んできてくれたお茶とクッキーを摘みながら、労わるけど、頑固なメアリーは側を離れない。

「いえ、またお嬢様は寮に戻られるのでしょう? その時に付き添わなくてはいけませんから」

ふう、多分、パーシバルも今頃はお風呂に入って休憩していると思う。

迎えに来てくれると思うから、メアリーが付き添わなくても良いのに……あっ、結婚式までは、2人っきりは駄目なんだね。

「お嬢様、ブライズメイドのドレスが届いています。お疲れでしょうが、着て頂ければ、サイズ直しできるのですが……」

キャリーは、モリーとマリーに頼まれたみたい。

「ええ、持って来て」

どんなドレスなのか興味あるし、あまりにフリフリなら少し手直しして貰いたいからね。

キャリーがドレスを持って、その後ろからモリーとマリーが裁縫道具を持ってついて来た。

「ああ、やっぱりピンクのフリフリなのね!」

これは、ユージーヌ卿が拒否したのがわかるよ!

「でも、お嬢様にはお似合いかもしれませんわ」

確かに、ペイシェンスは小柄だから、フリフリでも似合うかもね? ただ、私の趣味じゃない。

メアリーがいそいそと私に着付ける。

「まぁ、とても可愛いですわ」

そう、このドレスを着ると10歳ぐらいに見えるよ! つまり似合っているけど、不満だ!

「パーシー様も招待されているのよ! こんなお子様ドレスでは、横に並んだら婚約者というより幼い親戚の子に見えるわ」

メアリーも、ハッとしたみたい。

「モリー、マリー、この生地で、もう少し年齢に相応しいドレスにできるかしら?」

その年齢も子供なのだけど、より子供っぽくは見せたくないよ。

「何段ものフリルを取って、スッキリさせれば良いですわ」

モリーの意見は良さそうだけど、あまりスッキリさせたら貴族の令嬢が着るドレスには相応しくなくなるのだ。

「お嬢様、あの銀ビーズを使われたらどうでしょう?」

メアリーの案は、普通の時なら良さそう! でも、サマンサ様のウェディングドレスより豪華なのは駄目なのだ。

「ブライズメイドのドレスは難しいわね」

今のままなら、子供っぽくて私は不満だけど、花嫁の引き立て役としては良い。

私はスケッチブックに前世の高校生が親戚の従姉妹とかの結婚式に着て行きそうなドレスを描いた。

「スカート丈は……長くしないといけないのだわ。それに、こんなにスカートを膨らませたくないけど、少しはボリュームも必要なのかも? 胸の部分にはレースのリボンをつけたら可愛いかも?」

かなり可愛いドレスのデザインだと思うけど、こちらの価値観はよくわからないから、メアリー達のお伺いを立てる。

「こんな感じに、リメイクして貰いたいけど、駄目かしら?」

メアリーは頷いて、モリーとマリーにデザイン画を渡す。

「私は、お嬢様の年齢に相応しいと思いますが、近頃の流行には少し疎くなっています。どう思いますか?」

モリーとマリーは「可愛いですけど、可愛いすぎなくて良いですわ!」と答えてくれた。

「かなり縫い直さないといけないけど、大丈夫かしら? レース部分はメアリーと買いに行ってね」

これで、ルシウス様の結婚式にパーシバルと一緒に行っても、なんとか婚約者らしく見えるんじゃないかな?

ブライズメイドのドレスは、メアリーの監督の元、モリーとマリーに任せる。

アマリア伯母様が「こんなデザインだったかしら?」と首は捻るかもしれないけど「絶対に違うわ!」とは言わない程度の変更にしてくれる筈。

生地はピンクのままだし、ドレスの裾にはフリルが付いているし、胸元にもレースのリボンが付いているから、わからないと思う。

それより朝一に、 馬の王(メアラス) の運動をさせないといけないだなんて、何の罰ゲームだよ。

特に今年は寒いのに! 馬の王(メアラス) は風や雪は魔法で防いでくれるけど、朝の空気は冷たい。

「メアリー、コートの残りの毛皮は未だ残っているわよね?」

ふふふ……残っている毛皮で、もふもふの耳当てかロシアン帽を作りたい。

パーシバルの分もあると良いけど……なかったら、 雪狼(ニックスルプス) の毛皮で作っても良い。

「それとメアリー、エバに砂糖を貰って来て! それとニンジンとりんごも!」

馬の王(メアラス) は、食い意地が張っているから、ご褒美を用意しておく。

「パーシー様だけでも乗せて走るようになって貰わないとね!」

私も、乗馬の練習はするつもりだけど、冬に毎朝は嫌だ! お昼とかにして貰いたい。

これでご機嫌を取って、言う事を聞いて欲しいな。

砂糖壺ごと持って来てくれたけど、馬にあげるのは角砂糖のイメージなんだよね。

「角砂糖になれ!」

半分ほどを角砂糖にして、紙に包む。

「ああ、今回の討伐ではトレントは見かけなかったわ。もっと北部にいるのかしら? 楓糖が取れるトレントか美味しい実が取れるのを捕まえたかったのに。それと、冬休み中には、麦芽糖と麹を何とかして手に入れたい!」

忘れないようにメモする。

1、投げるテント! 冬の旅だから、宿屋とかに間に合わない時は、中で簡易トイレを使える大きさ。

「あっ、 馬の王(メアラス) を連れて行かないといけないのかしら? なら、途中の宿屋の馬房にいれたら、他の馬が嫌がるかもしれないわ。パッと投げて、馬房になる大きさだと……大き過ぎるわね! これは、ちょっと保留!」

2、トレントの種類を調べる!

3、麦芽糖を作る!

4、冬の飲み物といえば、ココア!

5、調味料を買いに行く!

「麹を手に入れる! それと、梅干しがあるぐらいなのだから、梅の木をなんとか手に入れたい。梅酒とか梅の甘露煮を作りたいもの」

6、豆腐を作る!

「こんにゃくは無理でも、焼き豆腐はすき焼きに入れたい!」

7、カイロ、ジッパー付き長靴。

「使い心地を皆に聞いてから、バーンズ公爵と要相談!」

8、香りの良い石鹸、シャンプー、リンス、リップ!

「これは、専門家に成分を訊かないとね! あと、パイルの作り方は、ちょっと考えよう! リッチな気分でバスタイムを過ごしたい」

9、シャワーを作る!

「グレンジャー家にもシャワーがあると、良いと思うの。サッと入れるから、夏場は便利かも?」

10、ファイル!!

「ずっと忘れているけど、これはベンジャミンも興味を持っていたから、一緒に作ろう!」

なんてメモ書きしていたけど、先ずは父親に 女子爵(ヴァイカウンテス) に叙されたのを報告しなくてはね。

ちょっとだけ、休もう! はぁ、疲れたよ!