軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第098話 同僚?

少しの間、キョウカと今日の仕事をどうするかを話し合っていると、ユウセイ君がやってきた。

「悪い……遅れてしまった」

ユウセイ君は後部座席に乗り込むと、開口一番に謝ってくる。

「いいよ、いいよ。先生に呼ばれたんでしょ?」

「そうそう。進学する気はないのかってさ。この職業のことを言えないからめんどいわ」

退魔師になるから大学は行かないとは先生には言えんわな。

心配されるわ。

「やっぱり協会?」

「そのつもり。山田さん達とやっている方が楽しいわ」

そう言ってもらえると嬉しいね。

「私もです! 山田さんと一緒にいたいです!」

「ありがとうね」

嬉しいんだけど、何故か、キョウカは気になる……

「それで今日はどうするんだ?」

「あ、さっきキョウカとスマホを見ながら話したんだけど、例の公園にまた悪魔がいるかもしれないんだってさ。行ってみる?」

「他になさそうだもんなー……そこ行くか」

「了解。じゃあ、出発するね」

車を発進させると、公園に向かう。

そして、公園に着いたのだが、子供達が遊んでいるだけで悪魔の気配はなかった。

「待機ね。あ、ユウセイ君、何か買ってきてもいいよ」

そう言って、いつものように1000円を渡す。

「どもっす。コーヒーと水でいいか?」

俺とキョウカはいつも同じなのでわかっているのだろう。

「お願い」

「ありがとー」

「じゃあ、買ってくる」

ユウセイ君はそう言って車から出ていく。

「キョウカさ、他の退魔師に会ったことある?」

「んー? そりゃありますよ……あ、いや、協会に所属する人ですか?」

「そうだね。名家の人って君らと桐ヶ谷さんだけでしょ? その他のフリーの人達」

「そうですねー……何人かは知ってますよ」

知ってるのか……

「家の繋がり?」

「繋がりの人もいますし、そうじゃない人もいます」

「へー……女性の人は知ってる?」

「女性……ふーん……」

なんか車内の雰囲気が重くなった……

「どうしたの?」

「別に……」

昔懐かしいフレーズだ。

「今日、ここに来る前に協会で初めて他の退魔師さんに会ったんだよ。その人が女性でさ……知らないんだけど、この業界って女性も多いの?」

「うーん……どうかな? 知っての通り、退魔師になるには魔力という素質が必要になるんだけど、それは別に男女に偏りはないよ。ただ、単純に危険だから女性は避ける傾向にある。だから8対2ってところかな……もちろん、女性が2ね」

なるほど……

普通は避けるわけね。

普通は……

「タツヤさんさー、これまでにモテたことある?」

え? ディス?

「ないね」

断言できるのが悲しい……

「ふーん……モテ期って3回来るって言うじゃない? 来てるかもね」

「そ、そうかなー……」

「その女性は綺麗だった?」

なんか怖っ。

「まあ、綺麗な人だったね。真っ黒な和服でちょっと不気味だったけど」

会ったのは地下の駐車場だもん。

「真っ黒な和服……」

キョウカが嫌そうな顔になる。

「ん? どうしたの? 知ってる?」

「知らない。絶対に知らない」

知ってそう……

「ならいいんだけど……」

「タツヤさんさ、あまり他の退魔師さんと関わらない方が良いよ。前にユウセイ君も言ってたけど、ちょっと変な人が多いから」

桐ヶ谷さんも苦労してそうだったしなー……

「まあ、車も買ったし、協会に行くことも減るだろうから大丈夫だとは思うけどね」

「来月だっけ? 待ち遠しいね」

「そうだね……戻らないの?」

人斬りキョウカちゃんのままだ。

「ちょっとねー……嫌なことを思い出しちゃった」

「そ、そうなの?」

「うん……」

キョウカはミリアムを撫でながら窓の外を眺め始めた。

そのまま待っていると、ユウセイ君が戻ってきたので飲食をしながら待つ。

すると、暗くなり始めて子供達も帰っていった。

「山田、何か来たぞ」

ミリアムに言われて魔力を感知してみると、確かに魔力を感じる。

「本当だね」

「これは低級ですかね?」

「俺もそう思う」

キョウカとユウセイ君も感じたようだ。

そのまま待っていると、金髪のいかにもヤンキーな男が公園にやってきた。

「あれだね」

「やっぱり低級でしたね」

「ヤンキーだなー……」

俺、ヤンキー苦手なんだよな……

「あ、トイレに入りましたよ」

「行く? 男子トイレだよ?」

以前のことを思い出す。

「嫌ですけど、仕事です」

「どうでもいいから行こうぜ」

ユウセイ君に促され、車を降りる。

そして、トイレの方に向かった。

「ん? 魔力が?」

「あれ? 消えました?」

「俺もそう感じる」

トイレの中から感じていた魔力が突如消えたのだ。

俺達はどうしたんだろうと思って、中を覗いてみると、さっきのヤンキーがトイレで突っ伏していた。

「あれ? どうしたんだ?」

気絶か?

「………………」

「ちょっと見てみる」

ユウセイ君がヤンキーのそばに行き、腰を下ろす。

「どう?」

「うーん、悪魔の気配はない。祓われた? それともいなくなった?」

どういうこと?

「ふふっ、こんばんはー……」

後ろから女性の声がしたと思ったら黒い和服を着た女性がキョウカに抱きつき、太ももを撫でていた。

「死ねっ!」

キョウカが刀を抜き、払う。

すると、一瞬で女性の姿が消えた。

「キョウカちゃんは相変わらず、つれないなー」

またもや声がしたと思って前を向くと、トイレの奥にさっきの女性が立っていた。

「いつの間に……それにあなたは……」

「こんばんは、山田さん。また会いましたね」

この人は協会の駐車場で会った加賀美さんだった。