軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第076話 さあ、仕事をしよう……16時から!

キョウカが襲来……いや、ウチに遊びにきた翌日、夕方まで時間があるのでコタツでぬくぬくとしながら魔法の勉強をしていると、スマホが鳴った。

「んー? 誰にゃ?」

ミリアムが聞いてきたのでスマホの画面を見ると、桐ヶ谷と書いてあった。

「桐ヶ谷さんだ。ちょっと出てみる」

そう言いながら通話ボタンを押す。

「もしもしー?」

『どうもー』

桐ヶ谷さんだ。

「どうしました?」

『生きてるかなと思いまして』

ん?

「なんでです? 普通に生きてますよ」

『一昨日、協会の者が例の魔法陣の件で橘君に電話をしたんですけど、いつも明るい橘君の声が異様に冷たかったらしいので』

あっ……

「昨日、ウチに来ましたよ」

『どうでした?』

「刀が怖かったですね」

普段は笑顔が絶えないとても良い子な分、ギャップがすごい。

『おやおや……まあ、一応、あの刀は人を斬ることはできないんですけどね』

関係ない。

怖いものは怖い。

「ちょっとフォローをミスりましたね。でも、昨日、ちゃんと説明しましたし、ユウセイ君にも電話しておきました。今日も会って話をします」

『まあ、アドバイスをしますと、山田さんはあの子達のことをまだ子供と思うかもしれませんが、あの子達にも子供の頃から退魔師の仕事をしてきた自負がありますからね。その辺を気を付けた方がいいですよ』

経験談だろうか?

この人も似たような家の人だし。

「気を付けます。子供とは思わず、大人として接した方が良いかもしれませんね。2人共、十分に大人ですし」

『それはそれで中々、怖い発言ですね。まあ、私は見聞きしなかったことにしますけど』

どういう意味?

「変なことを言いました?」

『いえいえ……それよりも今日、一ノ瀬君と橘君と会うとおっしゃいましたけど、調査の仕事をするんですか?』

はぐらかされた……

「そうですね。その予定です」

『でしたらお願いがあるんですけど、学校の方の調査をして頂けませんか? ほら、山田さんが学校にネームドの悪魔を呼び出した魔法陣があるかもしれないって言ってたじゃないですか』

あー、言ったね。

「私達がやるんですか?」

『学校なら一ノ瀬君と橘君が詳しいでしょ。私達が知らない場所も知っているかもしれませんしね』

確かに……

いつも通っている学校だもんな。

「学校には入れるんです?」

『夜の8時以降なら大丈夫です。ダメなら他の調査員が行くそうですけど、どうします?』

まあ、俺達で行った方が良いだろうな。

他に手がかりもないから公園で張るだけだし。

「私達がやりますよ。2人もそう言うでしょう」

2人も自分達が通っている学校だし、気になるだろう。

『わかりました。では、お願いします。魔法陣を見つけた際はすぐに連絡してください』

「了解です。じゃあ、夜に行ってきますんで」

そう言って、電話を切った。

「まーた、夜の学校にゃ?」

電話を聞いていたミリアムが聞いてくる。

「そうなるね……キョウカ、大丈夫かな?」

この前は大騒ぎだった。

「恐怖心を失くす魔法があるにゃ」

「それ、大丈夫? いつ使うやつなの?」

すごく不穏なんだけど。

「戦争とかかにゃー……」

「なしなし。キョウカに使ったらダメなやつじゃん」

人斬りキョウカちゃん(狂)になっちゃう。

「じゃあ、いつもの役得スタイルにゃ。良かったにゃ」

役得と思わないでもないんだけど、歩きづらいし、疲れるんだよなー。

あと、刀が……

「刀を没収できないかな?」

「自分で言ってみるといいにゃ」

断りそう……

「なんて言えばいいの?」

「抱きつかれた時に刀が痛いから刀を貸して」

それ、普通に変態と思われないか?

「却下、却下」

「じゃあ、我慢するにゃ」

うーん……ミリアムを渡せばいい気がしてきた。

癒し系の猫さんだし、キョウカも恐怖心が薄れそうだ。

よし、そうしよう。

俺はミリアムを撫でながらそう決めると、魔法の勉強を再開する。

そして、3時くらいになったのでミリアムと共に協会に行き、車を借りると、待ち合わせ場所であるファミレスの駐車場に行き、2人を待つことにした。

そのまましばらく待っていると、この前と同様にユウセイ君が先にやってくる。

「お待たせ」

ユウセイ君はやっぱり後部座席に乗り込んだ。

「学校、お疲れ様。改めてこの前はごめんね」

「いや、いいよ。キョウカの無表情が怖かったくらいだし」

美人の圧は怖いもんなー。

「昨日、ウチに来て、馬乗りで刀を抜かれたよ」

「怖っ……修羅場じゃん。バイトで良かったー」

怖かったわー。

ルリとミリアムも逃げちゃったし。

「本当にね。あ、この子がミリアム」

そう言って肩にいるミリアムを渡す。

「いや、知ってるよ……魔力を感じないなー。ただの猫」

ミリアムを受け取ったユウセイ君がミリアムを抱えながら首を傾げた。

「普通の猫にゃ」

「普通の猫はしゃべらないんだなー」

まあね。

「あ、キョウカも来たね」

キョウカがこちらに向かって歩いているのが見える。

キョウカはそのままこちらにやってくると、助手席に乗り込んできた。

「遅れてすみません」

「ううん。急いでないし、ゆっくりでいいよ」

「ありがとうございます……ミリアムちゃん、お姉ちゃんのところにおいでー」

キョウカがそう言うのでユウセイ君の所にいるミリアムを掴むと、キョウカの膝に置いた。

「にゃー」

「かわいい! あと、温かい!」

ミリアムは温かくていいよね。

あと、地味に目のやりどころに困らなくなるので良かった。