軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第061話 協力する

日曜日、この日は何も予定がないオフなため、朝からなんとなく、大掃除をした。

夜になると、モニカがやってきたが、いつも通りだったのでちょっと安心する。

そして、月曜日。

この日は放課後にキョウカとユウセイ君と調査をする日だ。

朝遅くに起きた俺は午前中をまったりと過ごし、昼食を食べた。

昼食後、夕方まで爺さんの本を読もうと思っていると、スマホから着信音が聞こえてくる。

スマホを見てみると、桐ヶ谷さんの名前が表示されていた。

「桐ヶ谷さん? 何だろう?」

首を傾げながらも通話ボタンを押す。

「もしもし?」

『あ、山田さん? 今、電話大丈夫です?』

「ええ。大丈夫ですよ」

何だろう?

『山田さん、例の暴行犯の調査の仕事をするんですって?』

「ええ。そのつもりです」

『そうですか。実は私も追ってましてね。情報提供をしたいのと共同でやらないかというご提案で電話をしました』

共同……

「あのー、一ノ瀬君と橘さんも一緒にやるんですけど、大丈夫です?」

仲が微妙なんじゃ……

『ははは。もちろんわかってますよ。調査するエリアを分担しようっていう話です』

そうなんだ……

というか、やっぱり一緒に仕事をしたくないんだなー……

「わかりました。どう分けるんです?」

『その辺りの話をしたいので協会に来ません? いつでもいいので』

「あー、でしたら今日の夕方でもいいです? 放課後に2人を迎えにいくんで協会の車を借りようと思っていたんですよ」

ちょうどいいや。

『ええ。私は夜まで協会にいますので大丈夫ですよ』

「じゃあ、3時くらいに伺いますので」

『了解しました。では』

電話が切れたのでスマホを置く。

「古い家っていうのも大変なんだなー……」

「まあ、そうだろうにゃ。それはこっちの世界でもあっちの世界でも一緒にゃ」

それもそっかー……

俺は庶民で良かったと思いつつ、ミリアムの勧めでお腹を刺されても大丈夫な魔法を勉強していった。

そして、3時前になったのでミリアムと共に協会に向かう。

協会に着くと、受付の人に話し、桐ヶ谷さんを呼んでもらった。

そのままエントランスのソファーで待っていると、桐ヶ谷さんがエレベーターから降りてくる。

「やあ、山田さん。ご無沙汰です」

桐ヶ谷さんが挨拶をしながら対面に座った。

「どうもー。いやー、桐ヶ谷さんにスカウトしてもらったおかげで充実した生活を送っていますよ」

「それは良かった。頑張っているみたいですね。この前もネームドを倒したとか」

まあ、知ってるわな。

「そうなんですよ。燃やしちゃったから危険度が不明になっちゃいましたけど」

「実はそういうケースはよくあって、揉めることがあるんですよ。その点、山田さんは理解ある大人だって協会の上層部も評価していましたよ」

確かにごねる人はごねるだろうな。

命を懸けているならなおさらだ。

「そんなに強い悪魔ではなかったですしね。あと、一ノ瀬君と橘さんの手前、ごねるのは難しいですよ」

子供だし、あの2人はお金を受け取っていない。

そんな中、ごねると冷たい目で見られそうだ。

当時の俺だったら『大人って……』って思いながらちょっと嫌な気持ちになったと思う。

「はは。随分と好かれているようですね」

「ですかねー?」

だと良いんだけど。

「正式にチームを組むんでしょ? 橘の長老から圧力がかかったそうですよ」

「長老? キョウカのお爺さんですかね?」

「ですね」

「へー……まあ、好かれているのなら良かった。毎回、奢った甲斐がありましたよ。こうも年齢が離れていると、不安で不安で仕方がないです」

今はそうでもないけど、会話が通じるか不安だった。

「大丈夫ですよ。好かれてます。特に橘君からはね……」

ミリアムのおかげかな?

ある日を除いて毎日、メッセージが来るし。

唯一、来なかった日は皆でピザを食べた一昨日。

…………シュシュを忘れていった日だ。

「そうですか……それで例の暴行犯は? 橘さんに聞きましたが、トイレにいたあの男らしいですね?」

「そうなんですよ。数ヶ月前から起きていた事件なんですが、先月、今月と増加傾向にありましてね。一件一件はたいした悪魔ではないんですが、あまりにも多くて変だなと。それで調査です」

「自分達は人気の少ないところを探っていこうかと思っているんですが」

「ええ。それで良いと思います。よく出るのは公園のトイレですね」

トイレかい……

「自分の時と同じ?」

「ですね。あんな感じです」

「なるほど……」

なんか嫌だなー……

「まあ、わかりました。私達もその辺りを重点的に探っていきます。エリアはどう分けます?」

「それなんですけどね……」

桐ヶ谷さんは地図を取り出し、ローテーブルに広げる。

地図は都内の地図だが、あちこちに赤い丸がしてあった。

「この赤丸が悪魔が出たところですか?」

「そうです。見てわかる通り、住宅街ですね」

確かに繁華街やオフィス街にはほぼ赤丸がない。

「女性が狙われているんですよね?」

「ええ。ただ単純な婦女暴行ではないんですよ。何しろ、被害者の中には老人もいます」

老人……

「女性を狙っているのではなく、弱い人間を狙っている感じですかね?」

「おそらくは……」

「答えられる範囲で構いませんが、目的は何でしょう? つまり、その……」

えーっと、何て言えばいいんだ?

「婦女暴行の被害もあります。ただ、お金を取ったり、単純に暴力を振るうだけというケースもあるんですよ。目的は不明です」

「なるほど……」

ますますキョウカを囮には使えんな。

「山田さん、私はこのエリアを調査しますので山田さん達はこのエリアをお願いします」

桐ヶ谷さんが指で地図を指しながら提案する。

「いいですけど、他は?」

「別の退魔師に任せます。その辺りの調整は私がやりましょう」

それは新人の俺や若いユウセイ君やキョウカにはできないしな。

「わかりました。また何かあれば連絡ください」

「ええ。山田さんも何か気付いたことがあれば連絡ください」

その辺の仕切りは桐ヶ谷さんに任せればいいだろう。

「わかりました。では、早速、このエリアに行ってみます」

「よろしくお願いします」

俺は桐ヶ谷さんとの話を終えると、受付で鍵を借り、地下駐車場に向かう。

そして、車に乗り込むと、キョウカとユウセイ君が通う学校の近くにあるファミレスに向かった。