軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第055話 屋敷へ

翌日、俺達は朝から転移し、道をならしながらハリアーの町を目指して進んでいた。

2日目になり、整形にも慣れてきたこともあって、この日は昨日よりも早いペースで進んでいっている。

要は同時に魔法を使えばいいのだ。

そうやって進んでいると、昼前に分岐点に到着する。

分岐点ではまっすぐと左右に道が分かれており、まっすぐと右の方の道は比較的綺麗だった。

「ここは?」

「ここは他所の開拓村、ハリアーの町、王都への分岐点ですね。左が他所の開拓村、まっすぐがハリアーの町、右が王都に繋がっております。もっとも、王都までにいくつかの町がありますね」

モニカが指を指しながら教えてくれる。

「じゃあ、道の整形はここまででいい?」

「はい。この先はハリアーの町の領土ですのでそちらの管轄です」

むしろ、やらない方がいいな。

「わかった。それにしてもあっちにも開拓村があるんだね」

左方向の道を見る。

俺が整形する前のようにでこぼこしている。

「あちこちにありますよ。どこも大変みたいですね」

だろうなー。

「まあいいや。まっすぐだったね? 行こう」

「はい。ここからは楽ですね」

俺達は魔法をやめ、そのまままっすぐ歩いていく。

すると、遠目に町を囲む外壁が見えてきた。

「あそこかな?」

「そうですね。あそこがクロード様がおられるハリアーの町です」

思ったより早く着いたな……

「一度、昼食がてら戻ろうか。着替えたいし」

「それがよろしいかと。クロード様にお会いになるのですから身だしなみは整えましょう」

俺達は転移で家に戻ると、昼食を食べる。

そして、軽くシャワーを浴びると、スーツに着替えた。

「タツヤさん、私は遠慮しておこうと思います」

リビングに戻ると、ルリがついていかないと告げてくる。

確かにホムンクルスとはいえ、子供を連れていくのはちょっとマズい気がする。

「うーん……まあ、それもそうか。じゃあ、お留守番をお願いね」

「はい」

「ミリアム、姿を消してくれる?」

「わかったにゃ」

ミリアムが頷くと、肩に登っていった。

こっちで仕事をする時のスタイルだ。

「モニカ、準備は大丈夫?」

「はい。リンゴも用意しましたし、問題ないかと」

「今さらだけど、スーツで大丈夫かな?」

「問題ありません」

問題ないんだ……

まあ、いいか。

スーツは立派な正装だ。

「じゃあ、行こうか」

「はい」

俺達は転移で戻ると、町を目指して歩いていった。

そして、門を抜けると、町中を見渡す。

町はかなりの人がおり、繁盛している。

さらには石造りの建物が立ち並んでおり、あの村とは天と地だ。

「結構、発展しているね」

「あちらの世界ほどではないですが、ハリアーの町はこの辺りでは最大の町になります」

さすがに東京と比べたら酷だろう。

「クロード様のお屋敷は?」

「あちらです。参りましょう」

俺達はモニカの案内で大通りをまっすぐ歩いていく。

町中ではあちこちに屋台があり、色んなものを売っているし、多くのお客さんがいた。

正直、数十キロしか離れていないのにあの村との差がすごくて、ちょっと悲しくなった。

「武器を持っている人も多いね」

帯剣している人や槍を持っている人もいる。

「魔物を倒す専門のハンターですね。傭兵もいると思います」

そういう職業があるのか……

その後もキョロキョロと町を見渡しながら大通りを進んでいくと、正面に大きなお屋敷が見えてきた。

「あれ?」

「はい。姿勢よく、けっして臆してはいけません」

「わかってるよ」

交渉は堂々といかないといけない。

俺達はそのまま屋敷に向かって歩いていると、大きな鉄格子の門を守っている門番のところに向かう。

「失礼。ご用件は?」

門番が俺に聞くと、モニカが一歩前に出た。

「こちらは南の開拓村の村長であるタツヤ様です。クロード様に御目通り願いたい。話は通してあります」

「わかりました。少々、お待ちください」

門番はモニカの言葉を聞くと、屋敷の方に駆けていく。

そのまましばらく待っていると、どう見ても執事な初老の男性と共に戻ってきた。

「これはモニカ殿、お久しぶりです」

「お久しぶりです、フェリクス様。開拓村の村長をお連れしました」

モニカが紹介をすると、フェリクスと呼ばれた執事が俺を見てくる。

「はじめまして。この度、ダリルに代わり、村長を務めることになった山田です」

軽く頭を下げると、執事さんに挨拶をした。

「はじめまして。ようこそいらしゃいました。クロード様がお会いになられるということですのでどうぞ中へ」

「ありがとうございます」

俺達はフェリクスさんの案内で屋敷に入る。

屋敷の中はさすがは領主の屋敷だけあって、調度品なんかも並んでおり、テレビで見たヨーロッパの貴族の屋敷そのものだった。

フェリクスさんが正面の階段を昇っていったので俺達もそれに続く。

そして、廊下を歩いていくと、奥にある扉の前で立ち止まった。

すると、フェリクスさんが扉をノックする。

「クロード様、開拓村の村長である山田殿とモニカ殿をお連れしました」

『ああ、入ってくれ』

中から男性の声が聞こえると、フェリクスさんが扉を開け、部屋に入った。

俺とモニカもそれに続いて部屋に入ると、執務用のデスクにつく、30代から40代くらいの男性がいた。