軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第249話 1人で行けば良かったかな?

家に帰ると、キョウカとユウセイ君にメッセージを送り、依頼があったことと今日の仕事はキャンセルし、ウチに来てほしいことを告げる。

そして、夕方になり、キョウカとユウセイ君、さらにはモニカが帰ってきたので依頼の内容を説明した。

「へー……あそこの家は動き出したんだな」

「大きい家だしね」

話を聞いたユウセイ君とキョウカが特に驚きもせずに頷く。

「危ないとは思わないのかな?」

「まあ、どっちにしろ、危ない職種だしな。早めに経験を積ませたいんじゃないか?」

「多分ですけど、私達のことも影響してそうです」

同世代の2人が伸びたからなー。

「うーん……まあ、ミリアムがいるし、最悪は何とかなると思うけどね」

「いいんじゃないか? 1000万だろ? すげーじゃん」

まあね。

「私もついていきたいなー」

「ダメ。学校にはちゃんと行ってよ」

「はーい」

キョウカが腕を取り、頭を肩に乗せてきた。

「タツヤさん、長野ということですけど、泊まりですか?」

ルリが聞いてくる。

「明日、朝から出て、調査をしてみる予定。泊まりかどうかはその結果次第かな? ただ泊まりになったとしてもこの前の名古屋と同じで帰るよ」

チェックインした後に転移で帰ればいいだけだ。

「わかりました」

ルリが頷く。

「となると、明日も退魔師の仕事は休みなわけか?」

「と言っても、人が足りてなくて困っているわけだし、私達だけでもやらない?」

ユウセイ君とキョウカだけか……

「いいけど、危ない依頼は受けないでね」

「俺らだけだと電車移動だから都内の低級悪魔を適当にやるよ」

低級悪魔ならいいか。

「じゃあ、お願いね。多分、木曜まではかからないと思うから」

水曜はどっちみち、ユウセイ君がバイトだから仕事をしない。

さすがに潰れたスーパーの場所もわかっているわけだし、3日もかからないだろう。

「了解。じゃあ、木曜に成果を聞くと共に仕事な」

「私はここで帰りを待ってますんで」

「うん。じゃあ。それで。モニカ、そっちはどう?」

異世界のことをモニカに確認する。

「はい。午後から工事が始まりましたし、順調です。それとマリエル様からキョウカさんへお誘いがありましたよ」

「私? お茶会ですか?」

「それも込みだと思いますが、服を買いに行きましょうというお誘いです。ほら、ドレスが血で汚れてしまってダメになったではありませんか。今度はオーダーメイドで仕立ててくれるそうです」

マリエル様、キョウカのことが好きだなー。

「おー! ドレス!」

着る機会あるかな?

野暮だから言わないけど。

「モニカ、それはいつ?」

「キョウカさんの都合でいいそうです。今回は急ぎではありませんから」

それもそうか。

「だってさ。どうする?」

「うーん、じゃあ、今度の土曜日以降ですかね? 土日はもちろんですけど、春休みに入るんでそれ以降ならいつでも大丈夫です」

「わかりました。そのようにお伝えしましょう」

「ルリちゃんも行くー?」

キョウカがそう聞くと、ルリが首を横に振った。

そして、その時にようやくルリが見覚えのない服を着ていることに気が付いた。

やっべ……

あとで褒めとかないと……

「モニカ、キョウカをお願いね」

俺は行かない。

「かしこまりました。タツヤ様もお気を付けください」

「うん」

話を終えた俺達は夕食を食べた。

そして、翌日、朝早くに起きると、ルリに留守を任せ、ミリアムと駅に向かう。

駅に着き、待ち合わせ場所に向けて歩いていると、ふいに肩に手を置かれた。

「やあ、山田さん」

振り向くと、八神さんがいた。

怖いけど、ちょっと安心した。

肩を叩かれたから正直、ロザリーかと思ったのだ。

「あ、どうも」

八神さんは黒いスーツを着ており、これまた黒のボストンバッグを持っている。

そのボストンバッグにはナニが入っているんでしょうね?

いや、着替えとかだろうけども……

「私は夜型の人間なので朝は辛いですよ」

八神さんが待ち合わせ場所に向かって並んで歩きながら笑う。

「お仕事ですか?」

「ええ、そんなところです」

普通の会話なのに何故か変な想像をしてしまうなー……

見た目で人を判断するのは良くないが、実際にそういう繋がりがあるらしいから怖い。

俺達は他愛のない話をしながら待ち合わせ場所に行くと、すでに九条さんと天海さんが待っていた。

2人はいつもの制服姿なのだが、キャリーバッグを持っている。

「家出少女みたいですね」

「まあ、そう見えなくないですね」

声をかけにくいなーと思いながらも近づいた。

「2人共、早いね」

「おはようございます」

「あんたらが遅いんでしょ。約束の30分前に来るもんじゃん」

いや、はえーよ。

「ねえ、なんで制服なの? 俺達との相性が悪くない?」

こちとらスーツのおっさんだぞ。

「ジャージや着物よりはマシでしょう?」

「というか、キョウカを食っといて何言ってんだ?」

食ってない。

けっして食ってない。

「誤解を招くようなことを言わないでよ。奢ってあげたでしょ」

「そのセリフがちょっと……」

「山田さん、色々と気を付けた方がいいよ」

くっ!

奢りを強調したのはマズかったか。

「まあまあ、山田さん。この2人については諦めた方が良いですよ。実際、私も何度か職質をされました」

いや、八神さんはね……

「八神様、人のファッションをとやかく言う前に御自分の方をどうにかしたらどうでしょう?」

「メガネ変えてよ。その悪役しかかけねーようなメガネは何だよ……」

うん。

俺もそう思う。

「好評なんですけどね……若い子にはわかりませんか……」

いや、あなたを前にして、ファッションを批判する度胸のある人間がいなかったんだと思います。

俺も聞かれたら素敵ですねって答えるし。

「そろそろ時間ですし、行きましょうか」

俺達は改札を抜け、新幹線乗り場に向かった。