軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第240話 いざ、戦場へ

土曜日。

世間的には休みだが、年中ほぼ休みの俺には関係ない。

とはいえ、キョウカとユウセイ君は休みなので本来なら2人が遊びに来る日でもある。

だが、今日は2人共、ウチには来ない。

まあ、キョウカとケーキバイキングに行く日だからだ。

「じゃあ、行ってくるね。夕方には帰るから」

出かける準備を終えると、お茶を飲みながらテレビを見ているルリとパソコンを弄っているモニカに声をかける。

「いってらっしゃい」

「あまり無茶をなさらないでくださいね……と、キョウカさんにお伝えください」

それは無理だよ。

戦争だもん。

俺は家を出て、車に乗り込むと、キョウカの家に向かった。

そして、キョウカの家に着くと、下で待っているとメッセージを送り、車内で待つ。

すると、すぐにキョウカがマンションから出てきた。

「お待たせしましたー。だいぶ暖かくなってきましたね」

もう3月も中盤だ。

朝晩はまだ冷えるが、日中は徐々に過ごしやすくなっていると感じる。

「ホントだよね」

そう答えながらホテルに向けて出発した。

「タツヤさん家は当分、コタツはしまえそうにないですね」

多分、無理だろう。

ウチの子と猫が嫌がる。

「まあ、すぐに暑くなると思うけどね」

「そうかもしれませんね。夏は海とかプールにでも行きます?」

若い。

すごく若い。

「いやー、避暑地はあるからねー」

「そういえばそうですね。さすがにあの湖では泳げなさそうですけど、プールとかも作ります? ブルジョアです」

家にプールがあるって確かに金持ちのイメージだな。

まあ、温泉があるのも相当だけど。

「その辺は追々考えるよ。敷地だけは無限にあるからね」

テニスコートだって作れる。

テニスやったことないけど。

「夢が広がりますねー」

「まあね。あ、昨日はありがとうね。おかげで一気にできちゃったよ」

予定では数日はかかるかなって思ってた。

「いえいえー。私も入りたいですしね」

「色々できたら入りにおいでよ」

「はい。一緒に入ります?」

すげードキッとした。

水を飲んでいたら噴き出したかもしれない。

「さすがにダメだよ」

「ちゃんとタオルは巻きますよ? お酒を注いであげます」

温泉に入りながら酒ってマジでブルジョアだ。

「ダメだって」

「嫌か?」

出た……人斬りキョウカちゃん。

「その状況になったらすぐにタオルの意味がなくなると思うよ」

「そう…………」

人斬りキョウカちゃんが顔を赤くしながら俯き、大人しくなった。

「キョウカ、テストはどうだったの? 数学はそこそこ良かったみたいだけど」

話を変えよう。

「いやー、今回は本当に良かったですよ。国語が80点ありました。友達に熱を計られ、家でもお父さんが額縁に入れようとしたのを止めました」

ミリアム先生のレッスンを受ける前のキョウカの点数がすげー気になる。

しかし、国語が80点か……

汚名挽回ちゃんがよくもそんなに……

「まあ、それだけ良い点が取れたってことでしょ。お小遣いは上がった?」

「上がりましたねー。春用の服を新調できます。あと漫画買います」

好きだねー。

「良かったね。そういえば、春休みっていつから?」

「来週の土曜からですね。2週間程度ですけど、嬉しいです」

俺も長期休みは嬉しかったなー。

そして、就職して学生が羨ましすぎた。

今? ふふん!

「退魔師の仕事をちょっと気合入れてしてもいいかもね」

「良いと思います。冬休みは年末年始ということもありましたが、あんなことがありましたしね」

悪魔教団による名古屋支部壊滅ね。

あれは焦ったわ。

「ホントねー。じゃあ、その辺を来週詰めようか」

「はい。私は朝から晩までタツヤさんの家にいますけどねー」

「うん。ルリも喜ぶし、おいでよ」

多分、ユウセイ君も飯目当てで来るし。

セカンドハウス建築に向けて、色々と手伝ってもらおう。

「はい! あ、それと報告があります」

ん?

「何?」

「あのミユとリコの件です」

九条さんと天海さんか……

「俺も桐ヶ谷さんに聞いたけど、君らの活躍が影響してそうだよ?」

「まあ、それもあるかもしれませんね。私もユウセイ君も確実に実力が伸びてますから。今なら後れを取ったフィルマンも倒してみせます」

ちょっと不安だけど、この調子で頑張ってほしいね。

「それもって言うと?」

「両親に聞いた話なんですけど、どうも悪魔教団が関係しているようですね」

出たよ、悪魔教団……

「どういうこと?」

「この前の悪魔教団取り締まりは協会が単独で行っていて、私やユウセイ君は参加しましたが、他の家は静観でした。でも、ウチの家もですけど、悪魔教団がこのまま終わると思っていないみたいですね」

合ってるんだなー。

何しろ、異世界が拠点っぽいもん。

「なんでそう思ったんだろ?」

「わかりません。お父さんもお母さんもその辺は話してくれませんでしたが、多分、あれは根拠がある話しぶりでした」

娘に話すことではないと判断したのかな?

ましてや、キョウカは俺にと……あ、うん、協会側の人間だし。

「なるほどねー……他の家もそう判断して、それで九条さんの家と天海さんの家は子供を送ったわけだ」

「そうなりますね。他の家も追随する可能性はあるそうです」

まあ、そうかもね。

「荒れないことを祈るよ」

「ですね。まあ、私達は私達のペースでやりましょう」

「そうしよっか」

そのまま話をしながら車を走らせていると、ホテルに到着したので駐車場に車を停める。

「よし、着いたよ」

「ふっ、タツヤさん、戦地に行こう」

明日、走ってくれ。