軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第232話 自然破壊と言わないで

翌日の日曜日。

俺は朝から車を出し、ユウセイ君、キョウカの家に迎えに行く。

家の位置的に最初にユウセイ君を迎えに行ったのだが、やはりいつものように後部座席に乗ったので必然的に助手席はキョウカだ。

助手席に女性しか乗ったことがないという記録は継続中。

「キョウカ、なんで制服なの?」

ユウセイ君は運動着だ。

爽やかだし、似合っている。

でも、キョウカは何故か制服だった。

「獣や魔物が出るかもしれませんので。胴着は不評だったし、ローブは動きにくいのでいつもの仕事服です」

制服を仕事服って言ってほしくないって思った俺は心が汚れている。

俺こそが湖に落ちるべきだな……

「お前の刀って斬れないだろ。魔物は斬れるかもしれんが、獣は無理じゃね?」

ユウセイ君がツッコむ。

「私にはマリエル様から頂いた剣がある。牡丹鍋をご馳走してあげよう」

あ、人斬りキョウカちゃんだ。

「お前、貴族夫人要素がつくづくないな」

「辺境の貴族はそんなものじゃないか?」

「わからん……ウチ、貴族じゃねーし」

皆、そうだよ。

っていうか、君らは良いとこの子でしょ。

「キョウカ、認識阻害の魔法をかけるから戦闘にはならないよ」

じゃないとモニカを連れていけない。

あの子は運動もできないし、結界や回復魔法くらいで攻撃魔法も使えない。

「あ、そうなんだ……あの剣の活躍はいつ来るんだろうか?」

一生、来てほしくないね。

「それが来ない方が平和でいいでしょ」

「まあ、そうだね。平和が一番さ。そのために私は戦うんだ」

かっけー……

漫画の主人公みたいだ。

キョウカに感心しながら車を走らせ、家に戻る。

そして、ルリ、ミリアム、モニカと共に研究室を出て、セカンドハウス建築予定地の平地までやってきた。

「いつの間にかなんか木がなくなってるし」

ユウセイ君は初めてだったな。

「ここに俺のセカンドハウスができるんだよ」

「はいはい。スローライフね。よーわからんが、手伝うよ」

ユウセイ君は都会が良いんだろうなー。

温泉にも興味を示さなかったし。

「山田、岩山までどうやって行く? 飛ぶか?」

ノー!

「思ったんだけど、これからも石材を使うことはあると思うんだ」

「まあ、あるかもにゃ」

「だから岩山までの道を作ろう」

ついでに木材を確保しよう。

在庫は十分にあるだろうけど、いくらあっても困らないものだ。

「じゃあ、あっちにゃ」

ミリアムが尻尾で西の方を指した。

「よし。やろう」

俺達はいつものように俺が木を伐採、伐根し、ルリとミリアムが枝落としをするというコンビネーションで道を作りながら進んでいく。

なお、伐採した木はキョウカとユウセイ君が回収してくれている。

「山田さん、そういう業者になれば儲かるんじゃね?」

ユウセイ君は丸太を回収しながら聞いてくる。

「日本の森は山だから嫌」

山登りは疲れるし。

「まあ、そもそもタツヤさんはお強いですし、協会で退魔師をやっている方が儲かりますよ」

キョウカがうんうんと頷く。

「まあなー。でも、山田さんは多才だわ。俺は領主とか絶対に無理」

「俺だって無理だよ。単純に領民が少ないし、モニカやダリルさんが手伝ってくれるからなんとかできているだけ」

2人が村を運営してくれている。

俺は基本的に頷くだけだ。

「それでもよーやるわ。尊敬するね」

嫌味臭いが、ユウセイ君は本当にそう思ってくれているのがわかる。

俺達はその後も道を作っていくと、徐々に木だけでなく、岩もチラホラと見えてきた。

「タツヤさん、どうします? 岩を回収しますか?」

ルリが聞いてくる。

「できる?」

「はい。とりあえず、回収して、平地に戻って広いところで加工しましょう」

それがいいか。

「じゃあ、回収しよう」

俺達は岩も回収しながら進むことにした。

岩も半分くらいは土に埋まっている状態だが、木を伐根する時と同じ要領で周囲の土を取ってから回収すればいい。

魔法というのは本当にすごいと思う。

その後も道を作りながら進んでいくと、大きな岩山が見えてくる。

「上から見るより大きいし、高いな……」

思っていたよりもずっと大きい。

これなら大量の石材が採れるだろう。

「なあ、これどうやって石を採るんだ? 山田さんがやってたみたいに空間魔法に回収すんの?」

ユウセイ君が聞いてくる。

「いやー、さすがにこのサイズの岩山はねー……」

ぱっと見で高さが数十メートルはあるし、幅だってそれ以上に大きい。

「どかーんと爆破する魔法とかないんです?」

キョウカは過激だなー……

「あるだろうけど、覚えてないよ」

危ないし。

イオナ〇ンは周囲を巻き込んじゃうし、俺自身も巻き込まれそうで怖い。

「私が切ってやるにゃ」

ミリアムが尻尾を岩山に向ける。

「切るって?」

「あそこに出っ張った岩があるだろ?」

確かに岩山から突き出ている岩がある。

「あれを落とすにゃ……にゃっ!」

ミリアムが鳴くと、尻尾からエアカッターに似た何かが飛び出し、一瞬で岩が切れた。

そして、突き出ていた岩が地面に落ち、大きな音と共に土煙を上げる。

「おー、すごい」

「この猫、怖いな……」

ちょっとね……

でも、可愛いから……

「ミリアムちゃん、すごーい! 教えてー」

「お前には教えないにゃ」

そうして。

キョウカに飛び道具は怖すぎる。

「ミリアム、危なくない範囲でどんどん切って」

「任せるにゃ」

その後、ミリアムがどんどんと魔法で岩を落としていき、隙を見て、回収していった。