軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第217話 ねえ、知ってる? 1万円札が500枚で500万円なんだよ?

キョウカを送り届け、家に帰り、風呂に入る。

すでに風呂嫌いのミリアム以外は入っており、俺が最後だったのでゆっくりと湯に浸かった。

そして、風呂から上がると、冷蔵庫からビールを取り出し、定位置に座って飲み始める。

ルリはミリアムを抱えながらバラエティー番組を見ており、モニカは隣で本を読んでいた。

「モニカ、面白い?」

「ええ。この世界は本も豊富で楽しいです」

モニカはジャンルを問わずに何でも読むからな。

「そっか……あのさ、来週だけど、モニカの誕生日じゃん」

「そうですね。ルリさんがドリアを作ってくれるそうです。ありがたい限りです」

モニカはチーズ系が好きだからな。

「良いねー。それとさ、せっかくだし、どこか行きたいところとかない?」

「行きたいところですか……うーん……水族館ですかね?」

意外なことを言いだした……

「水族館に行きたいの?」

「はい。あっちの世界って動物園もですが、そういう生き物を見るところってないんですよ。だからちょっと気になります」

あー、確かになさそうだな。

「動物園じゃなくて、水族館で良いの?」

「お魚は好きですから」

俺も好き。

釣る方だけど。

「ミリアムも魚好きだよね?」

「魚は見るものじゃないにゃ」

食べるものにゃ。

「まあいいや。じゃあ、モニカ、行こうよ」

「いいんですか?」

「うん。誕生日だしね。俺も何年ぶりって感じでちょっと気になる」

子供の頃には行ったことがある気がする。

「そうですか……ルリさんも行きます?」

モニカがルリを誘う。

「え……でも……」

ルリは俺とモニカを見比べる。

これは完全に遠慮しているルリだ。

本当はルリも行きたいのだろう。

「ルリも行こうよ」

「ええ。一緒に行きましょう」

モニカが笑顔で誘う。

「じゃあ、行きます……」

ルリは嬉しそうだ。

表情自体はあまり変わらないが、にやけているのを隠せていないのが可愛い。

「ミリアムは行かないの?」

「逆にお腹が減るから行かないにゃ。獲って食べていいなら行くけど」

水槽が空になっちゃうよ……

ミリアムはサメとかも食べそうだし。

俺達はその後、スマホで行く水族館を相談し、この日は休むことにした。

翌日の月曜日。

いつものように起き、朝食を食べると、コーヒーを飲みながら魔法の研究をする。

すると、スマホの着信音が聞こえたので桐ヶ谷さんかなと思い、画面を見てみると、本当に桐ヶ谷さんだったので通話ボタンを押した。

「もしもし?」

『あ、山田さん、おはようございます』

「おはようございます」

『いやー、朝早くにすみませんね。でも、いち早くお知らせした方がいいと思いまして』

ほう……!

「どうかしましたか?」

『ほら、例の調査の依頼料です。正式に成功報酬込みで500万になりましたんでお知らせします』

おー!

「ありがとうございます!」

『いえいえ、こちらこそありがとうございました。おかげでかなりの情報を掴めましたよ』

「そうなんです?」

『ええ。ただ思ったより規模が大きいようです』

まあ、異世界にもある組織だしな。

すげー言いたいが、言えない。

「そうなんですね……」

『またお仕事をお願いする時もあるかもしれませんが、その時は前向きにお願いします。報酬だけは保証しますんで』

金払いはすごく良いんだよなー。

「依頼内容によりますけどね」

『それはもちろんです。こちらとしても強制依頼を出すつもりはありませんからね。というか、その時は他の人に出します。最近、休みがちな人が多いんですよ』

悪魔教団なんかに関わりたくないと思う人も多いのかもしれない。

「加賀美さんは許してあげてくださいよ」

『そりゃインフルエンザはね……山田さんも病気にだけは気を付けてください。一応、協会と提携している病院がありますし、年に一回の健康診断はしておいた方が良いですよ』

そういうのもあるのか。

やっておこう。

「わかりました。あと、すみませんが、ウチのチームも今週、来週は休みです」

『おや? 何か用事でも?』

「学生さんにとってはとても大事な期末試験です」

『あー、はいはい。それがありましたね。橘君の面倒、ご苦労様です』

俺じゃなくて、ミリアム先生だけどね。

俺は無理よ。

「実際のところ、大丈夫です? かなり悪魔が多いように感じますけど……」

この2週間はいつもよりも多かった。

『それは完全に退魔師不足から来ていますね。ちょっと上でも話し合っています』

「新規の退魔師さんでも入れるんです?」

『そう簡単に見つかればねー……』

あー、数がいないから給料が良いんだったな。

「いっそ名家の人達に協力を求めたらどうです?」

『メンツがねー……』

出たよ、メンツ。

利を取ればいいのに。

まあ、他人事だからそう思うんだろうけど。

「橘さんとか一ノ瀬君みたいな若い子達を出してもらうのはどうです?」

『学徒動員ですか? うーん……面倒を見てくれます?』

嫌だ……

「ウチは橘さんと一ノ瀬君で精一杯でして。ほら、加賀美さんにお任せしましょう」

『面白くない冗談ですね。あなたが18禁って言ってたじゃないですか』

まあね。

加賀美さんもロザリーもちょっと存在が18歳未満禁止。

「まあ、方法もお任せしますし、期末試験が終わったら私達も復帰しますが、何らかの対策は立てた方が良いのは事実ですよ。現場からの声です」

『わかりました。ちょっと考えて、上と相談してみます。試験が終わったらよろしくお願いしますね。橘君と一ノ瀬君の実績を考慮するっていうのも前向きに進めてますんで』

おー、それは良かった。

「お願いします」

『ええ。では、これで。500万は本日中に振り込みますんで』

「ありがとうございます!」

やったぜ!

釣竿買おう!