軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第213話 説明

翌日、この日の昼間はモニカと共に依頼のあった整髪料やネックレスをまとめていく。

ネックレスを注文したのは数名だけだったが、シャンプーやリンスといった整髪料はあの場にいたすべての女性が頼んでいた。

「やはりこっちが人気だね」

「髪は女性にとって大事なものですからね。王都貴族や近くの領地貴族ならマリエル様やクラリスのことも知っているでしょうし、以前と比べることができます。それで自分もそうなりたいと思い、欲しくなったのでしょう」

どこの世界も女性は髪が大事か。

まあ、俺も女性の長い髪は好きだ。

自分は無頓着だけどね。

「問題は値段付けだね。ネックレスは決まっているんだけど」

ネックレスを注文した御婦人方にも値段は伝えてある。

まったく躊躇せずに頷いていた。

なお、後ろの旦那さんはため息をついたり、微妙な顔をしていた。

「安くすると希少価値が減ります。ここは強気で行きましょう」

「いくら? 金貨10枚?」

「その3倍で」

金貨30枚か……

すごっ。

「文句が出ない? ネックレスと違って消耗品だよ?」

「それを払え、それを求めるのが貴族です。それにこれは他にはないものですし、大魔導士様が特別に作ったものなのです」

ドラッグストアで1000円もしないけどな。

「まあ、わかったよ。用意してくれる?」

「ええ。用意して配達業者に任せます」

各屋敷を知らんし、何なら王都外の人もいたからそれが確実だろう。

「じゃあ、それでお願い」

俺達はその後もネックレスのことなんかを話していく。

すると、夕方になり、キョウカとユウセイ君がやってきた。

「こんにちはー」

「うーっす」

2人は定位置となっている場所に腰かけ、コタツに入る。

そして、ルリが淹れてくれたお茶を飲んだ。

「山田さん、話って何だ? 何か大事なことらしいってキョウカから聞いたけど」

ユウセイ君が聞いてくる。

「キョウカ、昨日のことは?」

もちろん、悪魔が出たこと。

「まとめてタツヤさんが話した方が良いと思ったので話してません。写真を見せたくらいですね」

あー、あのかっこつけ。

いや、すごく良い写真なんだけどね。

「あれは反応に困ったな。キャラじゃないから面白かったんだけど、良い写真すぎた」

ホントね。

俺は笑っちゃったけど。

「まあ、話をしていないなら説明するよ。俺達は昨日、王妃様の誕生パーティーに参加したわけ。まあ、特に問題もなく進んでいったんだけど、会場の中央に魔法陣が現れ、悪魔が出てきたんだ」

「は? 悪魔?」

「え? お城ですよね?」

ユウセイ君とモニカが信じられないといった表情をする。

「俺もびっくりした。出てきたのはこの前よりサイズが大きいウェアウルフが2匹。まあ、俺とキョウカがそれぞれ1匹ずつ討伐したんだ」

「マジかよ……」

「ちょっと信じられませんね……」

気持ちはわかる。

「タツヤさん、被害は?」

まったく表情が変わらないルリが聞いてくる。

「被害はないし、ケガ人もなし。キョウカのドレスが血まみれになっただけ」

「あー、お姉ちゃんは刀ですもんね」

「そうそう。それでキョウカは着替えるために客室に行ったんだけど、俺は陛下に呼ばれて、気絶した王妃様に回復魔法を使いに行ったんだ」

正直、必要ないと思ったが、念のためだろう。

「うーん、私もついていけば良かったかにゃー?」

「今度からはそうすることにするよ。今回はそこまで強くなかったけど、ああいうことがあると怖い」

「わかったにゃ」

頼りになる猫さんだ。

「それでここからが本題なんだけど、陛下が犯人に心当たりがあるって言うんだ」

「え? そうなんですか?」

お風呂に入ってたから聞いていなかったキョウカが驚く。

「うん。王様が言うには召喚の魔法陣で悪魔を呼ぶテロ行為が各地で起きているらしい。ただ公表してないから知っているのは一部の貴族だけっぽい」

「召喚の魔法陣で悪魔を呼ぶ……なんか悪魔教団みたいだな」

ユウセイ君が核心をついた。

「うん。陛下の口からも悪魔教団の名前が出た」

そう言うと、皆が固まった。

「はい?」

「マジ?」

「悪魔教団ってタツヤさん達が倒したこっちの世界の敵ですよね?」

「なんであっちの世界に?」

4人が首を傾げ、混乱している。

「山田、それは本当にあの悪魔教団か?」

ミリアムが聞いてくる。

「わからない。でも、名前が一緒なうえにやってることが似通っているんだよ。悪魔を崇拝しており、悪魔の力を得ようとしていること、そのためには手段を選ばないこと、テロや暗殺、誘拐もしているらしい」

陛下がそう言ってた。

「うーん、確かにあの悪魔教団っぽいにゃ。目的も一致しているし、召喚の魔法陣も使っているうえに名古屋市支部の壊滅、そして、例の生贄か」

それ。

「どう思う? 俺はあの悪魔教団と考えてもいいと思う」

「ありえると思います」

「次元転移があるしな……」

「私もそう思います」

キョウカ、ユウセイ君、ルリが頷いた。

「タツヤ様、よろしいでしょうか?」

モニカが手を上げる。

「何?」

「残虐の悪魔ディオンをキョウカさんが倒した時なんですけど、ディオンは死ぬ間際にキョウカさんが聞いた『なんでお前がこっちの世界にいるのか?』という問いに対して、何も知らないんだなと言って笑いました。その後、ミリアムさんの説明を聞いて、次元転移のことを言っているのかと思っていましたが、もしかして……」

悪魔教団のことを言っていた可能性がある……

「キョウカ?」

「確かに言ってましたね。そのままムカつく笑顔で死にました。私も今思うと、あのバカにした笑顔は次元転移のことじゃないと思います」

俺もそんな気がしてきた。

次元転移ならキョウカがあそこにいた時点でこちらも使えるのはわかっているはずだ。

それなのに『何も知らない』と言って笑ったのは……