軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第197話 ルリは一切、父親と思ってないにゃ

桐ヶ谷さんからの依頼を終え、3日が経った。

この日は金曜日であり、夕方になると、キョウカと共にユウセイ君もやってきた。

「ただいまー」

「うっす」

2人はそれぞれ定位置である俺の隣と対面に座り、コタツに入る。

「いらっしゃい。ユウセイ君は久しぶりな感じがするね」

「1週間くらいだろ。でも、俺もそんな気がするな。バイトばっかりで忙しかったからなー」

俺も濃厚な2人と例の写真のせいでどっと疲れたし、長い1週間に感じた。

「お疲れ様」

「いやー、キョウカから聞いたけど、山田さんの方こそ色々あったみたいだな」

ルリが淹れてくれたお茶を飲んでいるユウセイ君が聞いてくる。

「まあね。加賀美さんもだけど、ロザリーにはほとほと参るよ。ニヤニヤしながら君やマリエル様との不倫を勧めてくるんだよ」

ユウセイ君はいい子だし、マリエル様だって優しい。

でも、2人共、そういう目では見られない。

当たり前だけど。

「ひっでー悪魔……しかし、使い魔ねー。協会は何て?」

「昨日、桐ヶ谷さんから電話があったけど、正式に保留だってさ。認めるわけにはいかないけど、下手に刺激もしたくないんだって」

昨日、電話でそういう説明を受けた。

「日和ったか……まあ、あれは色んな意味で爆弾だしな。俺も戦いたくないわ」

俺も、俺も。

「まあねー……それとさ、ユウセイ君のバイトはどんな感じ?」

「今日は休み。でも、明日、明後日は丸一日バイトだな。来週からはいつもと同じで水曜と金曜がバイト」

元に戻るわけだ。

「お疲れ様。それでさ、協会の仕事なんだけど、桐ヶ谷さんにボチボチ復帰してくれないかって言われた。他の退魔師さんが壊滅した名古屋に応援に行ったり、休暇に行ったりして、ちょっと人手が足りてないんだって」

「あー、なるほど……俺はいいぞ。長く離れると勘が鈍るしな」

ユウセイ君はオーケーのようだ。

「キョウカも良い?」

「良いですよー。まだ期末じゃないですしね」

期末テスト……

「期末はいつ?」

「来月の初めです。まだ1ヶ月あります」

またその時になったらミリアム大先生に頼むか。

「わかった。じゃあ、来週の月曜の放課後にでも仕事をしようか。またあのファミレスの駐車場で待ってるからさ」

「了解」

「わかりましたー」

よし、これでこっちの仕事の方はいいな。

「モニカ、明日からのことだけど、どういう感じになるの?」

今度は王様の謁見と王妃様のお茶会について確認することにした。

「明日の午後からラヴェル侯爵のお屋敷に行きます。そこから前回と同様にラヴェル侯爵が馬車を出してくださいますのでキョウカさんとお城へ向かってください。あとは城の者の言われた通りにすればいいです。陛下へのお土産についてはラヴェル侯爵に託してください」

流れ的にはキョウカがいるだけで前回の叙爵式と一緒だな。

「その後は?」

「馬車に戻ってラヴェル侯爵のお屋敷にお戻りください。そのままラヴェル侯爵の家に泊まり、翌日に王妃様とのお茶会ですね」

ん?

「また泊まるの?」

「はい。理由は前回と同じです」

地方から来ているという建前になっているからラヴェル侯爵が宿を用意するってやつね。

「え? キョウカも?」

「まあ、奥様ですから」

マジかよ。

「キョウカ、大丈夫なの?」

「大丈夫ですよー。またワインを注ぎますね」

ありがたいけど、さすがに前回みたいに大量には飲まないよ?

「親には言ったの?」

「ちゃんと許可を得ましたよ。迷惑にならないようにって言ってました」

軽い親だな……

いや、逆か。

激重なんだ。

「そう……せっかくの土日なのに悪いね」

「いえいえ。またマリエル様とおしゃべりしてます」

仲の良いことで。

「モニカはクラリス様の家に泊まるの?」

前回もそうだった。

「そうなりますね」

「ミリアムはどうする?」

今回は一応、キョウカについてくれることになっている。

「私は転移でこっちに帰るにゃ。段ボールが良いにゃ」

猫だなー……

まあ、ルリを一人にするのも気が引けるしな……あれ?

「モニカ、ルリをどうしようか? 娘を一人残しているのかって批判されたけど……」

マリエル様に言われた。

「あー……いた方が良いと思いますが……ルリさん、どうします?」

「行った方が良いなら行きます」

ルリが頷く。

「あのー……お姉ちゃん呼びはダメですよ? ちゃんとお母さんかお母様です」

「お母さん……」

ルリがぽつりとつぶやくと、キョウカが立ち上がり、ルリの後ろに回る。

「うひゃー! ルリちゃん、可愛い! 私の娘だ!」

キョウカが興奮しながらルリを抱きしめ、頬ずりをした。

ルリは眉をひそめている。

「姉妹じゃない?」

親子には見えんぞ?

「姉妹という設定は非常にマズいです。マリエル様がものすごく冷たくなられます」

え? なんで……

「そうなの?」

「はい。それにキョウカさんとは血が繋がっていないという設定ですから大丈夫ですよ」

実際、そうだしな。

「ルリ、大丈夫」

「大丈夫です。お母さん、離れて」

「反抗期? ダメだよー」

キョウカは絶対にルリを放す雰囲気がない。

「ダメなのはお前だろ。やってることが例のあの人と一緒」

辛辣なユウセイ君がツッコむと、キョウカが真顔になった。

そして、ルリから離れると、隣に戻って、大人しくなる。

「じゃあ、皆で行こう。モニカ、お茶会は?」

「日曜日にマリエル様が連れていってくださいます。ここは完全にマリエル様に任せましょう」

マリエル様は王妃様と仲が良いらしいし、それがいいか。

「じゃあ、そうしようか。キョウカ、明日、昼前に来てよ」

「朝から来まーす。何なら泊まりまーす。ルリちゃんもお母さんと寝たいよね?」

しかし、キョウカがお母さんなのは非常に違和感があるな。

制服だし。

「お父さんと寝るからいいです」

うひゃー! 可愛い!

「ふっ、お母さんはウチに帰りな」

「すごい勝ち誇った顔する……」

勝った!