軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第196話 必要なのは覚悟?

ロザリーはいつものようにあっという間に姿を消してしまった。

「桐ヶ谷さん、どうします?」

「保留というか、様子見しかありませんね。先程も言いましたが、後日、体調が戻った加賀美さんと話をします」

ロザリーはミリアムが負けるとは言わないが勝てるとも言えないって言うくらいの悪魔だしなー。

「わかりました。その話にも同席した方が良いです?」

ちょっと嫌なんだけどな。

「いえ、それは結構です。こちらで話をしますので」

「そうですか。では、お願いします」

「はい。山田さん、本日はありがとうございました。また今回の正式な依頼料が決まったら連絡します」

500万!

「こちらこそ、ありがとうございます。では、戻りましょうか」

「そうですね」

俺達はコーヒーを飲み干すと、喫茶店を出る。

なお、コーヒーは桐ヶ谷さんが奢ってくれた。

まあ、経費なんだろうけど。

「山田さんチームは来週から仕事を再開ですか?」

協会に戻るために歩いていると、桐ヶ谷さんが聞いてくる。

「まだ2人に確認はしていませんが、そう考えています」

「そうですか。できたらお願いしたいですね。一部の退魔師さんは名古屋に行ってもらいましたし、活動を控えていただいた退魔師さんの中にはこれ幸いと休暇を取ってしまった方も多いんです。おかげでちょっと人手が足りてません」

あー、そういうことになっているのか。

確かに名古屋支部が壊滅しちゃったから何とかしないといけない。

それに悪魔教団取り締まりに参加しないなら休暇にする理由もわかる。

「わかりました。その辺りも考慮して、2人と相談します」

「お願いします」

俺達は協会まで戻ると、エントランスで別れる。

そして、地下の車に乗り込み、帰宅した。

家に帰ると、当然誰もいなかったが、ミリアムを膝に乗せ、コタツに入る。

「ハァ……これで本当に一息つけるよ。長い2日だった……」

思わずため息が漏れた。

「濃厚なキャラの2人だったからな。でもまあ、終わって良かったじゃないか。金も入るわけだし」

それはそう。

「まあね。桐ヶ谷さんも贔屓してくれるし、そこは万々歳だよ」

「あとは週末のあれか……」

「あれだね……」

王様との謁見と王妃様とのお茶会だ。

すでにお土産などは用意している。

「誰もいないから言うけどさ、妻役はモニカで良かったんじゃないかって思ってる」

絶対に言えない。

「うーん、それはどうだろう?」

おや?

「ミリアムはそう思わないの? モニカだったら表に出しても恥ずかしくないでしょ」

別にキョウカが恥ずかしいわけではない。

ただ、あの子はちょっと素直というか子供っぽいところがある。

それは俺にはないものなのでそこも良いところだなと思っているんだけど、陛下や王妃様と考えると不安が残るのも事実なのだ。

「モニカも言っていたが、あいつは色々なところに交渉に行くこともあるし、村の運営をしている人間にゃ。それを妻役にすると、お前が何してんだってなるにゃ」

それはわかるし、モニカもそう言っていた。

「まあねー……」

「あと、お前が将来困る」

「なんで?」

「モニカはどう見ても一歩引いて、キョウカを立てている。キョウカの性格を見て、そちらの方が御しやすいと考えたんだろう。実際、私もそう思う。キョウカはキョウカでモニカの立場と色んな意味での能力差を見て、否定するより肯定することで一番を確保しようと考えたわけだにゃ」

へ、へー……

「つまり?」

「あえて、例えばという言葉使ってやるが、例えば、お前がキョウカと結婚したとしよう」

「うん」

今のところ、肯定できないが、否定もできない。

「そうなった時にあっちの世界の妻役をモニカにしていると、ややこしいぞ。さっき言ったようなことで話がついているのにキョウカの立場がないだろ」

まあ、わからないでもない。

というか、話がついているんだ……

「ねえ、ミリアム……アドバイスとかある?」

「ロザリーと同じことを言うかな……」

「あ、はい」

俺は色々と考えながらミリアムを撫でる。

そうこうしていると、夕方になり、玄関の方から扉が開く音がした。

「ただいま帰りました」

「まだ冷えますね」

ルリとモニカがリビングに入ってくる。

そして、ルリがいつもの席に座り、モニカが隣に座ってきた。

「あれ? キョウカは? 一緒じゃなかったの?」

モニカが隣に座るということはキョウカがいないということだ。

「キョウカさんは帰られましたね。今日はご家族で外食に行くらしいです」

あー……まあ、仲が良さそうなご家族っぽいし、そういうこともあるか。

「買い物はどうだった?」

「良い感じですね。舗装工事が終わり、村の道も舗装したら温泉作りには取りかかっても良いと思います」

「じゃあ、それでお願い。村の人にも給料を出しておいてよ」

タダでやれとは言えない。

ちゃんと働いてくれた分には払わないといけない。

「わかりました」

「それとモニカの家はどうする?」

「私の家は急ぎではないですし、タツヤさんのセカンドハウスを優先してもよろしいですよ?」

「いや、それはもうちょっと考えることが多そうだからモニカの家と共にキョウカが言っていた研究室と繋げるのも合わせて進めてよ。どちらにせよ、温泉を作っても脱衣所がいるでしょ」

セカンドハウスは考えることが多い。

まずは決まっていることから進めるべきだろう。

「かしこまりました。では、それを進めさせて頂きます」

「お願い」

俺達はその後も温泉やモニカの家のことを話しながら過ごし、夕食を食べると、いつものように皆で過ごした。