軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第154話 山田、ないわー ★

ユウセイ君とミリアムと一緒に焼肉を食べ終えると、家に帰った。

そのまま家でそれぞれが思い思いに過ごしていると、夕方には女性陣も帰ってきた。

「ただいまでーす」

「ただいま帰りました。すぐにご飯を作りますね」

「あ、手伝うよー」

キョウカとルリは帰ってくるとすぐにキッチンの方に行く。

そして、ルリから戦力外通告を受けているモニカがこちらにやってきた。

「おかえり。頼んで悪いね」

「いえいえ。早速ですが、マリエル様に見てもらう見本を買って参りましたので見てもらえます?」

モニカはそう言って、コタツ机の上にネックレスを並べていく。

ネックレスは3つあり、3つ共、宝石がついているが、全部違うし、チェーンの色も違う。

「この3つの中から選んでもらう感じ?」

「はい。チェーンの色、それに宝石の種類を選んでもらい、購入しようと思っています。その話はキョウカさんがされるようです」

キョウカ……

少し心配だが、何もわからない俺がするよりかはいいか。

「キョウカはいいって?」

「はい。明日、一緒に行くそうです。あ、ルリさんもですね」

あー、ルリも連れてこいって言ってたな……

「ルリー」

キッチンにいるルリを呼ぶ。

すると、ルリがキッチンから顔を出した。

「何でしょう?」

「明日、マリエル様のところに行くの?」

「はい。アップルパイを作ればいいんですよね? 材料も買ってきましたよ」

もう用意しているのか……

「悪いね」

「いえ、お料理は好きですから大丈夫です」

「じゃあ、お願いね」

「はい」

ルリは頷くと、顔を引っ込めた。

「そうなると、明日は4人?」

「そうですね」

4人か……

マリエル様とクラリス様を入れると、女性が5人……

「ユウセイ君も来る?」

男一人はちょっと……

「やだ。それに俺は明日、用事がある」

そっかー……

「仕方がない。ミリアム、お留守番を頼むよ」

そう言いながら膝の上のミリアムを撫でる。

「わかったにゃ。寝てるにゃ」

俺達は明日、マリエル様のところに行くことに決め、この日はゆっくり過ごした。

◆◇◆

私はクラリスと共にお茶を飲みながら山田さん一行を待つ。

「遅いですねー」

クラリスがぼやいた。

「まだ約束の10分前です。あなたは本当にせっかちですね」

この子は昔からそうだった。

今日だって約束の30分前には来て、お茶を飲んでいた。

「人生は短いんですよ。効率よく生きないといけません」

「まったくもってその通りですね。あなたも21歳になりましたか?」

そう聞くと、クラリスが慌てて、目を逸らした。

「良い人は見つかりましたか?」

「いえ……」

「でしたら私が良い人を紹介しましょうか?」

「結構です……」

この子は結婚する気があるんだろうか?

「ハァ……あなたという子は……」

ため息をつくと同時にノックの音が聞こえてくる。

そして、いつもの3人に加え、黒髪の女の子が部屋に入ってきた。

山田さん、キョウカさん、モニカ……もう1人の子は山田さんとキョウカさんの子か……確かに10歳くらいだろうか?

しかし、こうやって見ると、キョウカさんが産んだようには見えないわね……

親子より姉妹に見える……というか、この子、山田さんにもキョウカさんにも似てない気がする。

もしかしたら養子っていうのは本当なのかもしれない。

「マリエル様、おはようございます」

熟考していると、山田さんが代表して挨拶してくる。

「ええ、おはようございます。どうぞ」

席につくように勧めると、4人がテーブルについた。

「マリエル様、クラリス様、この子が私の娘のルリです」

山田さんが私とクラリスに娘を紹介する。

「ルリです。はじめまして」

ルリとかいう子が自己紹介をしてきた。

「マリエルです」

「クラリスよ。うーん、かわいい子ね」

クラリスがうんうんと頷く。

「そうなんです。自慢の娘なんですよ」

いつも遠慮がちで謙遜ばかりする山田さんが自信満々に頷き返した。

ただの親バカか……

まあ、利発で大人しそうだし、気持ちはわからないでもない。

「そうですか……まあ、言うまでもないですが、大事にしなさい」

正直、羨ましいな。

私も娘が欲しかったし。

「はい。それでマリエル様、厨房をお貸し願いませんか。ルリがこの前のアップルパイを作ると言っているのですが……」

そういう話だったわね。

まあ、期待はしていた。

朝食も軽くしたし。

「構いません。外にいるメイドに案内してもらいなさい」

「わかりました。少し外します」

山田さんがそう言うと、4人が一斉に立ち上がり、部屋を出ていった。

「4人で行くんですかね?」

「娘が心配なんでしょう」

あのくらいの子が火や刃物を使う厨房に行くのなら心配になるのもわかる。

ましてや、一人娘だろう。

「あのー……マリエル様」

クラリスが言いにくそうにしている。

「何ですか? 無神経にずばずば言うのがあなたの良いところでしょう?」

それでいくつかの縁談がなくなったのでしょう?

「嫌味…………い、いえ、あのルリって子ですけど、キョウカさんのお子さんだと思いますか?」

「違うでしょうね。似てませんし、雰囲気でわかります。養子と言っていたではないですか」

あの感じは親子ではなさそうだ。

距離感的に親子っぽくない。

「山田さんにも似てなくないですか?」

「離縁か死別かはわかりませんが、生母に似たんじゃないです?」

「ですか……」

何?

どうしたの、この子?

「気になることでも?」

「いや、その……あの子って本当に山田さんの子ですかね?」

「何が言いたいんですか…………ん?」

待て。

山田さんの子供じゃない……

山田さんは以前、キョウカさんの年齢を気にしていた……

ペド野郎……

「え?」

「これ以上は私の口から何とも……憶測ですし」

「そ、そうですね」

うわー……山田、引くわー。

クラリスでも嫁がせようかと思ってたけど、絶対にやめよ。