軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

初めての共同作業。

ジェラルディーナと結婚して数日。

俺達はカーネリアン領で子供たちと一緒に暮らしている。

ディーナはアクアマリン領と行き来している感じだが、基本は義父上と補佐にフィルベールが残っているため問題なく回っている状態だ。

子供たちは俺の事を父と呼んでくれているし、慕ってくれているのが分かる。

最近はカイトスとアルナイルがパパではなく父上と呼ぶようになった。

五歳になったことで少しずつ貴族教育も始めているところだ。

ステラは唯一の女の子ということもあり可愛くて仕方がない。

勿論ほかの子達も可愛いのだが、女の子と言うだけで可愛いと思ってしまう。

今まで兄上が「娘は可愛くて、結婚相手を連れて来たら泣いてしまう」と言っていたが、今になってその気持ちがわかるようになった。

リゲルも拙いが話せるようになり、シリウスもハイハイして歩くようになっている。

本当に子供の成長というのは早い。

子供たちが庭で遊んでいるのを眺めていると、ディーナが庭に鉄板などを用意し始めた。

何かを始めるのかと思って眺めていると、ディーナが俺の事を呼ぶ。

「エリー!!どうせ見てるんでしょ?降りてきてちょうだい!!」

休憩中はいつも子供たちの様子を見ているからな。

ディーナにはそれがバレていたようだ。

俺はディーナがこちらを見ているのが見えると急いで庭に降りた。

「早かったわね……。んじゃ、皆集まってー!!」

ディーナは俺が庭に出てくるのを見ると子供たちを呼ぶ。

子供たちは何が始まるのか少し不思議そうな顔でディーナのことを見ていた。

「母上何するのー?」

カイトスが子供たちを代表して、何をするか聞いている。

「ふふふ。今日はね!家族皆が揃っているから、ママは考えました。今日は家族の日にしようって……っと、言うことでぇぇぇ!!皆でパンケーキを作りたいと思いまぁす!!」

パンケーキ……

初めて聞いた名前だ。

それに家族の日って……なんだか響きがいいな……。

ディーナはアクアマリン領の領主でもあるし、俺は俺でカーネリアン領の領主。

どうしても家族でいる時間は少なくなってしまっているのが現状だ……。

それにディーナは領地の経営以外でもバタバタと走り回っていた。

だったら、一ヶ月に一回でも家族の日を作るのはいいかもしれない。

「家族の日か……なんだかいいな……。」

俺の声が聞こえていたのか、ディーナが振り返った。

「でしょ?毎月一回出来ればいいけど……最低でも二ヶ月に一回は家族の日を作りましょう。」

ディーナが妻になってから、更に愛しく思うようになっている。

怒った顔も笑った顔も、少し拗ねた顔も全部好きだ。

「そうだな。で、パンケーキってなんだ?」

パンケーキについて聞くと、よくぞ聞いてくれました!と言うようなドヤ顔でこちらを見てくる。

「パンケーキはね、家族皆で楽しく作ることが出来る料理よ。焼く時は危ないから私がやるけど、それ以外ならカイトス達でもお手伝いができるしいいと思ったの。シリウスやリゲルは食べる専門ね!」

そう言うとパンケーキの作り方を説明していくディーナ。

パンケーキとは卵と牛乳、それに小麦粉と砂糖、それと膨らます粉を入れるとできるそうだ。

「卵は白くてモコモコになるまで頑張って混ぜ混ぜします!卵は私が割るから順番に混ぜていきましょぉ!」

「「「はーい!!!」」」

子供たちはディーナの話がわかっているか分からないが大きな声で返事をする。

少しずつ混ぜると、ディーナは俺にボウルを渡しながら「最後はパパにお願いしましょうね!」と子供たちに伝えた。

ディーナにパパと言われる響きが凄くいい。

と一人で思っていると、ディーナはこちらを見て混ぜるように伝えてきた。

そして混ぜるだけなら簡単だ……と思っていたのだが……。

そんな事はなかった……。

いつもディーナは簡単にやっているように見えただけに、まさかの大変さでびっくりだ。

それから十分頑張って混ぜ続けると卵がモコモコに泡立ってきた。

「お、お、終わったぞ!!」

「お疲れ様。じゃあ、カイトスはここに牛乳を入れて。アルナイルは砂糖ね。ステラは魔法の粉をいれてください。」

そう言って一人ずつに渡した材料を各々ボウルの中に入れていく。

「これをさっくり混ぜていきます!」

さっくりとはなんだ!?と思っていると、ディーナが「泡がなくならないように混ぜて」と言うので気をつけながら混ぜる。

「パパー!ステラもまぜまぜするー。」

俺が混ぜるのに集中していると、下からステラが自分も混ぜたいと言ってきたので一緒に混ぜる。

綺麗に混ざり終えるとディーナにボウルを渡した。

「ありがとう。ここからはママがやるから皆は見ててね!」

ママとパパ……なんだかいいな。

こう言うのを俺はずっと待っていたんだ……。

本当にこんなに幸せでいいのだろうか……。

ディーナが鉄板の上にパンケーキの生地を乗せていくと、少しずつだが膨らみ始めた。

パンケーキを見ている子供たちは膨らむのが不思議なのか、目をキラキラさせながら見ている。

「あぁ……幸せだな……」

俺の言葉が聞こえたのか、ディーナはこちらを見て満面の笑みを向けた。

「父上はしあわせなのですか?おれもとてもしあわせです!」

「ぼくも……しあわせ。」

「すてらもー。しあわせだよー。」

「し……あ……わせ。」

「あうあー!!」

ディーナだけでなく皆に聞こえていたようで、ワラワラと俺に抱きついてくる子供たち。

そんな間に次々とパンケーキを焼いてくれていたようで、いつの間にかふっくらと膨らんだパンケーキが出来上がっていた。

「さぁ、皆!!幸せのパンケーキが出来たわよ!今日のトッピングはバナナとチョコレート。それと……生クリームにバターがかかっているわ!」

とても綺麗にトッピングされたパンケーキは、皆で作ったこともあっていつも食べるパンよりもとても幸せな味がした。

「うん……たまにはいいな……んまい……。」

「皆の愛情が入っているから、それだけ美味しいのよ。またやりましょうね!家族の日。」

子供たちの笑い声は、いつまでも庭に響いていた。