軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

真のLv上げ

「まー……言う事に間違いは無いかもね」

「槍の勇者に同行ねー……ドラゴンを足蹴にする様な奴だし、そっちの方があたいには怖い所かねぇ」

「そうであろうな。血塗れでいる時もあるのでな、平然としているがどれだけ壮絶な戦いをしているのか……」

「エクレア達のLv上げをしますかな?」

ライバルの育成以外なら手伝いますぞ?

「それも良いけど」

「あのな? あたい達の役目がなんであるか位は理解して欲しい所だね」

パンダ達の役目ですかな?

一応、国が用意したお義父さんの護衛ですぞ。

妾候補でもあるのでしたかな?

「とは言っても元康くんに一日Lv上げをしてもらえばラーサさん達も効率よく立ちまわれる様になると思うんだけど?」

「そうかもしれないけどねぇ。今でも十分戦えてるじゃないのさ」

「確かにそうだけど……もうちょっとペースを上げるのも悪くは無いと思ってるんだ。何か嫌な予感がしてね……」

嫌な予感ですかな?

なんとなく気持ちはわからなくもないですが、タクト残党が暴れた所でどうにかなる程、俺達は弱くないですぞ。

「なの! 槍の勇者に任せるよりもガエリオンのLv上げをするなの! 潜在能力をなおふみに引き上げてもらってから戦えば効率が上がるなの」

ライバルの台詞にエクレア達がやや疲れた様な溜息をしますぞ。

「そんな訳だから元康くんが手伝いをするのはもう少し後にしようか」

「わかりました! ではエクレア達に良い武具等の支給しますぞ!」

幸いドロップ品でそこそこ有能そうな品々は見つけました。

ゾウが使用するには難しいでしょうがエクレアとパンダ辺りは使えるでしょう。

俺は槍からドラゴンやグリフィン等を倒して得たドロップ装備を出しますぞ。

「パンダにはコレですな」

エクレアに既に支給済みのグリフィンエッジと似た武器であるグリフィンクローとドラゴンのドロップ武器であるドラゴンクローを渡しますぞ。

ちなみにドラゴンクローは色々と種類があるようですな。

今渡したのはウインドドラゴンクローという風属性のツメですぞ。

敏捷を上げる効果もあるので、やや動きが遅いパンダの動きを速めてくれるでしょう。

「あ、ありがとうさね……フィロリアルに持たせないのかい? サイズはあってそうだけどね」

「フィロリアル様はドラゴン由来の武器を嫌いますから不要な品なのですぞ」

むしろ槍の中を圧迫するゴミですぞ。

グリフィンも好まない子が多いので、不要ですな。

「ああ、そうかい」

「エクレアも受け取れですぞ」

グリフィンエッジの予備としてレッドドラゴンソードをエクレアに渡しました。

最初の世界における錬の師匠であるエクレアなら使いこなせると思いますぞ。

「これまた相当な業物を簡単に渡してくれるものだ……」

エクレアは俺が渡したレッドドラゴンソードを軽く振りながら答えますぞ。

前にグリフィンエッジを渡した時よりも自然に持っていますな。

しっかりとLvや腕前が上がっている証でしょう。

「ゾウはどうしますかな?」

「……エルメロさんをゾウってそのまま呼んでる」

「いえ、お気になさらず……」

岩石投げが鉄板な様ですからな……むむむですぞ。

しかもサイズが大きすぎて難しいのではないですかな?

「あ、エルメロさんなら気にしないで大丈夫だよ」

「そうなのですかな?」

「うん。さっき狩りに行った時にドロップ品で使えそうな武器が出たよ」

そう言ってゾウの方を見ると、大きな鎖付きの鉄球を持っておりますぞ。

おお、こんな品もドロップするのですな。

「仲間に合わせた武器のドロップとかもするのかな?」

「どうなのですかな?」

この辺りの検証はあんまりしていませんな。

ゲーム知識等で見知った魔物のドロップ等を思い描いたりしている事があるので、もしかしたら武器がドロップ品をある程度、俺のイメージなどから変化させている可能性も否定できません。

まあ、いろんな武具を入手できる機会でもあるのでそこまで気にせず行くのが良いでしょうな。

「防具に関してはドロップ品は元より、オーダーメイドでも良いと思いますぞ」

シルトヴェルトの職人等はお義父さんの依頼ならば寝る間も惜しんで作ってくださるでしょう。

その辺りに気を付けないとゾウは装備出来ないのではないですかな?

「そうだね。俺は元康くんから渡された鎧とかも使っているし、使えそうな品を見繕って行けば戦力アップは簡単だよ」

「後はそうさね。刃渡りの小さい投げナイフなんかあるといざって時に便利なんだけどね」

「ナイフ系のドロップ品を使えば良いかな? ちょっと勿体無いかもしれないけど」

傭兵は武器を選ばないのですな。

「じゃあ休憩もこれくらいにして、また出かけて来るよ」

「わかりました!」

こうしてお義父さん達はまたも出かけて行きました。

その日の夜になるまでの間にエクレア達も十分にLvが上がり、資質向上をして行った様ですな。

大分戦えるようになり、ライバルがかなり力を付けて来ているのが伝わってきますぞ。

「勇者ってのは経験値の入手を増やす効果があるんだねぇ。最初は驚いたけど、こりゃ利用しない手は無いね」

「ああ、やっぱりそうなんだ?」

「だろうな。私もイワタニ殿達との旅の時に感じていた。魔物を狩る事にも馴れたラーサ殿がそう言うのならば間違いない」

当然の発見ですな。

最初の世界でも言われていました。

「明日はもう少し奥の方まで行くなの! じゃないと槍の勇者が叩き出す効率に手も足も出ないなの。もっと早くガエリオン強くなりたいなの」

「既にガエリオンちゃんは十分に暴れて来てると思うけど」

「まだまだなの。もっと力を身に付けないと、この先が思いやられるなの」

「そっか……じゃあがんばって行こうか。息も合って来てるし、良い感じになりそうだね」

認めるのは悔しいですが、ライバルはよく理解していますぞ。

ダテにループを便乗していないという事でしょう。

この程度で満足してくれるのであれば、俺としては楽なのですがな。

「タクトのドラゴンのLvは250は行っていたらしいですからな。今のライバルはどの程度なのですかな?」

「え? ガエリオンちゃんの指示で素質向上とか色々としているから一概には言えないけど、今はLv80だね」

ふ……その程度なのですかな?

「槍の勇者、お前は馬鹿なの」

「なんですかな!?」

「これは下準備。この先はガエリオン達の真のLv上げが始まるなの。見ていろなの! 次の戦場は既に決まっているなの!」

そう言いながらライバルは過去に見せた水属性っぽいお姉さんのお姉さん風な肌をしたドラゴンに姿を変えますぞ。

こやつが何を言いたいのか理解出来ませんな。

「なおふみ、明日から海でのLv上げにシフトするなの! この世界は海の方が経験値が入るなの」

「え? そうなの?」

「なの! 本当は大陸の方でも経験値を増加させる方法があるけれど、今やると敵も強くなりやすい土壌になるから避けるべきなの」

「そっか……でも水中戦となるとラーサさんやエクレールさん達は難しそうだね」

「その辺りは育ててくれた分、ガエリオンががんばるなの。だからなおふみはガエリオンに掴まって守っていて欲しいなの」

「わかったよ」

ぐぬぬ……ですぞ!

ライバルめ!

俺やフィロリアル様達が手伝えない事による環境を最大限利用していますぞ。

ここでエクレア達のLv上げを俺が提案するとライバルとお義父さんの二人きりになってしまうので言えませんぞ!

このドラゴンめ!

結局、合計で一週間ほどお義父さん達の強化合宿が行われ、ライバルは元より、お義父さんの周りの者達の能力は予想よりも遥かに早い速度で伸びて行ったのですぞ。

限界突破のクラスアップも実行されましたな。

ライバルは施しとばかりにフィロリアル様達にも限界突破を施しておりました。

悔しいので俺はよりフィロリアル様の育成、余裕のある時にエターナルフィーロたん計画の研究を進めたのですぞ。

主治医が連日相談に来る俺に対して溜息をついていた様な気がしましたが気の所為でしょうな。

「この辺りの姿が国の者に見せるのに丁度良い姿なの?」

「うん、あっちで信じられている伝説とかに合わせるとそれが良いね」

一週間後、狩りから帰って来たお義父さんにライバルが言いました。

この一週間でライバルは色々と姿をコロコロと変えていますな。

お義父さんやエクレア、パンダ辺りは元より、シルトヴェルトの者やシルドフリーデンの者にも相談した様ですぞ。

如何に神々しい、信仰対象になりえるドラゴンの姿を取るかを決めていたとの話ですな。

大分決定した様ですな。

タクトのドラゴンは青系の大きなドラゴンだったとの事ですぞ。

それに対抗する様に赤系を混ぜつつ、やや神々しさを意識した白い部分も混ぜると言っていますぞ。

「じゃあ次はこれなの! なおふみ、この姿はどうなの?」

やがてライバルはプレゼン用の姿をやめて……茶色と黒の縞々子供ドラゴン姿をお義父さんに見せますぞ。

尻尾がお姉さんを連想する……いえ、お姉さんを元に作りだした生き物とドラゴンを混ぜた姿になりました。

「え? ああ、なんか凄く可愛いデザインだね」

「最初の世界のなおふみが好きな生き物のデザインなの。ガエリオンしっかりと記憶しているなの」

「へー器用なんだね」

「ちなみに色合いを変える事も出来るなの!」

ライバルは茶色から白と黒のパンダ柄になりました。

「ぶ!」

お義父さんがそこで盛大に噴きますぞ。

徐にパンダの方を見ましたな。

「……」

パンダは凄く渋い顔でライバルを見ております。

「あたいをバカにしているのかい?」

「ガエリオンは自分の出来る芸を見せているだけなのー」

ライバル、お前の体は粘土か何かなのですかな?

いえ……考えて見ればお前は元チョコレートでしたな。

「さてと……そろそろシルドフリーデンに行くなの。準備は万端になったと思うなの」

「うん、そうだね。その為にガエリオンちゃんに力を貸してもらおうと思った訳だしね」

「じゃあ威厳と驚きを見せる為にガエリオンも人の姿を取るなのー!」

そう言いながらライバルは……魔法を唱えて姿をみるみる変え、前に見せた人化姿に成りましたぞ。

大人形態のライバルですな。

相変わらずお義父さんの好みを狙った姿を取っていますぞ!

「まあ、こんなものなの」

「うわ……ガエリオンちゃん、大人なんだね」

「ふふん、これくらい竜帝の知識があれば造作も無いなの。もっと褒めてほしいなの」

「凄い凄い」

くう……。

「サクラちゃん! GOですぞ!」

「んー……? ナオフミ……」

サクラちゃんがゆっくりとお義父さんに近づいて見上げますぞ。

お義父さんは屈んでサクラちゃんと同じ目線の位置になりました。

「どうしたの?」

「ぶー」

ちょっと不満そうにサクラちゃんは鳴いております。

ですがお義父さんは優しくサクラちゃんの頭を撫でるだけですぞ。

ここでサクラちゃんがフィーロたんならどんな反応をしていますかな?

『ごしゅじんさまー! フィーロの方がガエリオンより凄い!』

そう言いながらピョンピョンとお義父さんの周りで跳ねまわっている様な気がしますぞ。

幾ら愛を司る天使であるフィーロたんであろうともドラゴンには譲歩などしません。

そう言った点で考えると……サクラちゃんとフィーロたんが同一人物だと思えないのも当然ですな。

俺が気付かないのは当たり前なのですぞ。

「ナオフミ、最近ガエリオン達ばかり……ぶー」

「しょうがないじゃないか。サクラちゃん達はドラゴン嫌いなんだから」

「ぶー……」

「ごめんね。この埋め合わせは必ずするから」

ヘソを曲げる様に抗議するサクラちゃんをお義父さんは困った様な表情をしてから俺の方を見ますぞ。

「元康くん、サクラちゃんをけしかけるのはどうかと思うんだけど?」

「俺は悪くありませんぞ! サクラちゃん達の事も重要なのですぞ」

「その通りだとは思うけど……」

「まあ、しばらくはガエリオンの方が忙しくなるはずなの。サクラにはなおふみを守るのを任せてやっても良いなの」

おや? ライバルにしては殊勝な心がけですな。

お前なんぞしばらく所かずっと留守にしていても良いのですぞ。

「ぶー」

「そうなの?」

「一応、なおふみが立ち寄る所もあるとは思うけど、ガエリオンがシルドフリーデンの各町を周って広報しつつ、支持を集めようと思っているなの」

これ幸いに付き纏う訳ではないみたいですぞ。

しかし、どんな心変わりですかな?