軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

永遠の盟約

「何!?」

お義父さんがお姉さんに顔を向けると、お姉さんは頷きました。

その反応を受けて、お義父さんは信じた様ですぞ。

既に二人の絆は固いという事ですな。

「はい、メルロマルクの国民は三勇教という宗教を信仰しているそうです。私の住んでいた村は別の宗教でしたが……」

「宗教的、敵……じゃあ盾の勇者を信仰する国と仲が悪いとかか」

「そうですな。盾の勇者は亜人が信仰する勇者で、シルトヴェルトがお義父さんを信仰する国ですな。シルドフリーデンはよく知りませんが、一応信仰対象らしいですぞ」

「グア?」

おお、フィーロたん……その小首を傾げる動作はとても可愛らしいですぞ!

その声も音声を記録する水晶に記録して24時間365日聞いていたいですな!

いつ寝るのか? HAHAHA、寝ている間も聞いていたいのですぞ。

しかも未来ではお忙しくて俺にさえも会えないスケジュールでしたが、今はそこまでお忙しい事はないご様子。

是非ともフィーロたんと仲良くして行きたいですぞ。

と、その前にお義父さんに許可をもらいませんと。

しっかりと説明しなくてはいけませんな。

「後はわかりますな。宗教的に悪魔や魔王と言われる盾の勇者であるお義父さんには何をしても良いと連中は思っていて、クズや赤豚はお義父さんを苦しめようとしているのですぞ」

「!?」

お義父さんが何やら目を大きく見開いております。

それから少しばかり考え込み始めましたな。

「宗教的理由で迫害されている……で? お前は俺に何を要求する気だ?」

「仲間にして欲しいのですぞ」

「そこじゃねえよ。仲間になって何をしたいんだと聞いているんだ」

「フィーロたんとの婚約を認めて欲しいのですぞ」

「お前は何を言っているんだ!」

「なんか……会話に脈絡が無いんですが、大丈夫なんでしょうか?」

「どうだかな。実の所、かなりやばいんじゃないかと思ってる。打ち所が悪かった的な奴かも知れん」

お義父さんがお姉さんと相談しながら俺を警戒していますぞ。

まだ信じてもらえていないのでしょう。

「まあ当ったのは頭じゃなくて股間だった訳だが……あれか、ヤリチンの脳は股間にあるというバカ話は本当だったのか……?」

お義父さんが微妙な表情を浮かべていますぞ。

まずいですぞ。このままでは信用してもらえないかもしれません。

よし、ここはお姉さんからも説得してもらうのはどうですかな?

「お姉さん」

「えー……ナオフミ様のお世話になっている順番から、私がフィーロの姉って事でお姉さんなんですか?」

「そうですぞ」

さすがはお姉さん、察しがよろしいですな。

フィーロたんのお姉さんであらせられる、ですぞ。

「わかりました。それで……なんですか?」

「お姉さんに信じてもらう為、未来の情報を話しますぞ」

「今度は私ですか……」

「何を言う気だ?」

「そうですなー……今まで何度もループしておりますが、実はお姉さんが居なくてもお義父さんの心の支えになる人が現れるとかですかな?」

「あなたは何を言っているんですか!?」

おや? これは逆効果でしたな。

お姉さんの警戒具合が上がってしまいました。

最初の世界のお義父さんが『お前は相変わらずバカだな』と仰っている様な気がしますぞ。

違いますぞ。俺は馬鹿ではありませんぞ!

愛に忠実なだけなんですぞ!

「ナオフミ様、絶対に信用できませんよ!」

「やはり打ち所を間違えて馬鹿になっただけか……」

「待ってほしいですぞ。聞いて欲しいですぞ! 間違えたんですぞ!」

「どうだか……」

冴えろ、俺のブレイン!

エンドルフィン過剰分泌ですぞ!

ハッ……以前経験したループからの知識が俺の脳内を駆け巡り、名案を閃きました。

「お姉さんの住んでいた村の住人の名前やお姉さんにお姉さんがいる事を知っているんですぞ!」

「ああそう……ラフタリアに姉がいるのか?」

おや? お義父さんが興味を持ちましたな。

居ますぞ、居ますぞ。

シャチ獣人の超強いお姉さんのお姉さんが。

「姉ですか?」

「いないのか?」

「居るはずですぞ! 近所で漁師をしていた、雷魔法を扱うシャチ獣人のお姉さんですぞ!」

「えー……もしかしてサディナ姉さんの事でしょうか? 確かにお父さん達が娘の様に大事にしていたとの話で、私にとって姉の様な人でしたね」

「そんなもん後から幾らでも調べられそうじゃないか? ラフタリアにフラれて、諦めきれずに経歴を調べるとかな」

く……確かに出来なくはない話ですぞ。

それからお義父さんはお姉さんと内緒話を始めました。

ですが強化されたこの耳、元康イヤーならば、小さな声さえも拾う事が出来ますぞ!

元康イヤー! フルドライブ!

「どう思います?」

よし、完全に聞き取る事が出来ますな。

これで俺も仲間外れではありませんぞ!

「嘘を言うにしては突拍子もないんだよなぁ……元康だって馬鹿じゃ……いや、普通ならもっと上手い嘘を吐くだろ」

「なんで途中でやめたんですか?」

「あれが演技でなければ、今のアイツはただの馬鹿だ」

「……そうですね」

「というか、未来だったか……確かにあんな強力なスキルが使えるなら決闘で何故使わなかった、という事にもなるんだよな……」

当然ながらあの時点での俺がブリューナクを使えるはずもありません。

ゲーム知識で使える様になる事は知っていましたがな。

愚かにも攻撃能力の低いお義父さんに刃を向け、挙句負けたという恥かしい過去ですぞ。

しかもあの赤豚が不正な手段を使って、神聖な決闘を汚したのです。

既に居ませんが、何度殺しても殺し足りない汚物の様な存在ですぞ。

ともあれ、俺は心を入れ替え、お義父さんとフィーロたんの目指す平和の世界の為に戦うと誓ったのですぞ。

この誓いは例え世界が平和になった後……新たなループが始まろうとも潰える事の無い、永遠の盟約なのですぞ!

「ま、まあ何か策謀があるなら良いのですが……」

「それであの女を殺したり、フィーロを嫁にしたいとか、俺達を説得する気がないだろ」

「いろんな意味でおかしいですよね。考えが、その、未来から来たと言う話が事実なのか、もう少し試してみては?」

「うーん……ただ……心当たりが僅かにある。どうしたものか……俺に振りかかる理不尽な事が実は宗教が原因だと言うのは収穫だが……」

お悩みの様ですぞ。

しょうがありませんな。

「ではお仲間になる証明として全財産を譲渡しますぞ」

懐から俺は金袋をお義父さんに手渡しました。

どれ位入っているかは知りませんが、こんな物、端金ですからな。

そもそも金銭は全てお義父さんに献上するのですから、これで少しでも信頼が得られるなら儲け物ですぞ。

お義父さんは俺の所持金を受け取り、ますます目を丸くしていますな。

「どうせ盗まれたとか言うんだろ!」

「言いませんぞ。それではお義父さんやフィーロたんに嫌われてしまいますからな。何ならもっと稼いで持ってきますぞ」

お金で信頼を築けるならそれはそれでありですぞ。

いざ、献上金!

献上、献上、金貨の山ですぞ!

「……」

俺の言葉にお義父さんは沈黙しながら金袋の中身を確認し始めました。

状況的に最初の波が終わって数日後辺りなので、そこそこあるはずですぞ。

まあこの程度の金銭、山でグリフィン共を根絶やしにしたり、盗賊などを狩れば簡単に稼げると思いますがな。

それこそ馬車馬の様に働いて、お義父さんに貢献しますぞ!

馬車馬という所にフィロリアル様と共通した精神があるのが魅力ですな。

「で、お義父さん。これからどうしますかな?」