軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

楽しい宴

「サディナお姉さんは村の子達をお願いします」

「はーい。本当に私が出なくて良いのかしらー?」

お姉さんのお姉さんの質問に友人が頷きますぞ。

「ラフタリアちゃんをお願いします。ラフタリアちゃんは、村で戦わないと行けない時だと思うから」

「そう……わかったわ」

お姉さんのお姉さんは頷くとお姉さんと共に村を見渡しました。

「大丈夫よ。ここには勇者様達もいるし、私もいるわ。前回のような事は絶対にさせない。今度こそ、乗り越えましょうね」

お姉さんのお姉さんはそう言って、お姉さんを後ろから抱きあげて微笑みかけます。

……残り時間が迫ってきました。

「じゃあ行ってきます」

「今度こそ乗り越えてやるぜー!」

村でも戦意を見せている奴隷達が声を上げ、お義父さん達は留守番する連中に手を振りました。

そして時間が来ると同時に俺達の視界に浮かぶ景色がフッと切り替わり、波が始まりましたぞ。

やはりリユート村近隣の波でしたな。

「あれが波……」

「今度こそ、乗り越えて見せる! 勇者様達! 行きましょう!」

お姉さんの友人の声にお義父さん達は頷きました。

「では行きますぞー!」

「「「おー!」」」

結果だけで言うと快勝でしたな。

本来なら俺を含め勇者達で圧勝出来る波なのですが、キールや友人の雪辱戦、お義父さん達の経験という事で、波の魔物相手に俺は若干手加減をして戦いました。

あまりにも早く波を鎮めると国民も波の脅威を理解しないという問題もありますからな。

意図的に逃した魔物によって、僅かに住民へ恐怖を味わわせてやりました。

適度な悲鳴と火があがった所で駆けつけた感じですぞ。

「勝ったぜー! うおおおおおお!」

次元ノキメラを倒し、波の亀裂を閉じさせた所でキールが雄たけびを上げました。

「やったー!」

お姉さんの友人がコウの背中で右手を上げて勝利を宣言します。

コウも大興奮、楽しげに跳ねていますぞ。

「やったー! コウがんばったよ。リファナー、ラフタリアも褒めてくれるかな?」

お姉さんとお姉さんの友人はコウにとって大切な友達になった様ですな。

「きっと褒めてくれるよ。さあ、早く帰ろう」

「このキメラの死骸はどうしようか?」

「母上には既に伝達を出しておきました。エクレール様と共に近隣の魔物処理は国が致します」

婚約者が勝利ムードの中で説明をしましたぞ。

ちなみにサクラちゃんと一緒に戦っていました。

サクラちゃんは大人形態だとやはり二刀流を好む様ですな。

「確か勇者様方が利用するのでしたよね?」

「うん。ついでにこのキメラの死骸も波に勝った証拠として持ちかえろうか、武器に入れるのは後で良いんじゃない?」

「そうですね。キールさん達も自慢の証拠にしたいでしょうし」

「ああ、勝った事を見せつけるのが良いだろ」

そんな感じでキメラの死骸はユキちゃん達を筆頭にフィロリアル様が荷車に乗せて運ぶ事になりました。

とはいえ、一旦は村に帰る事になりましたが、夜になると戦勝会として城に招待されました。

……そういえば勇者が揃ってメルロマルクの城で楽しげに参加するのは初めてではありませんかな?

前回は何だかんだで逃げましたし、前々回は樹がお義父さんと決闘、更に前はメルロマルクの波に参加すらしていません。

そう思うと感慨深いですな。

「報告による前回の被害とは異なる結果になった事、誠に喜ばしい限りです」

女王が代表として祝賀会でスピーチしておりますぞ。

「それも四聖の勇者様達とその仲間……国民が一丸となって波に挑んだお陰だと私は思っております」

村の者達と共に城で催される波を乗り越えた戦勝会。

三勇教徒らしき者達がいない訳ではないですが、今この時の変化を俺は深くかみしめておりますぞ。

今夜限りはお義父さんに対して不幸な出来事が起こらない様にと祈った甲斐もあり、俺の願いは届けられたと思える戦勝会ですぞ。

思えば長い道のりでしたな。

「なおふみ様、御馳走ですね!」

「兄ちゃん兄ちゃん! 俺こんな豪勢なパーティーに出るの初めてだぞ」

「あはは、みんな思い思いに楽しんで良いんだからね」

お姉さんの友人が盛られている料理に目移りしながらお姉さんとコウと一緒に食べ始めました。

「あら? 良いお酒ね」

お姉さんのお姉さんも酒を嗜むように飲んでおりますぞ。

お義父さんがいて、お姉さんがいる。

まあ、お姉さんは少々幼い感じがしますが、最初の世界のように揃ってメルロマルクで戦勝会を楽しむ事が出来ました。

その後はポータルで村に戻り、ぐっすりと休みました。

翌日、もちろん俺は頃合いを見計らって魔物商の所へフィロリアル様を購入しに行きました。

ルナちゃんは元より、知っている子も知らない子も集めますぞ。

とはいえ、魔物商の所は大体網羅しております。

おお、やはりルナちゃんを発見しましたぞ!

しかし……やっぱりここにはフィーロたんがいないようですな。

俺は村に帰るとキールにルナちゃんの卵を見せましたぞ。

「なんだ槍の兄ちゃん」

「これがルナちゃんですぞ」

「へー」

「何してるの?」

そこにお義父さんがやってきました。

「この子がルナちゃんの卵ですぞ。朝の内に魔物商の所へ行って買ってきました」

「あー……元康くんは次の波に備えてもう準備を始めてる訳ね」

おや? お義父さんが勘違いをしております。

俺はフィロリアル様を買いたいから買ってきたまでですぞ。

しかし……まあ訂正する必要も無いですな。

お義父さんもどうやらフィロリアル様を増やす事に否定的では無いようですからな。

「新しい戦力の増強は良いと思うよ。村の子達も着実に強くはなって来てるし」

「がんばりますぞ」

「ラフタリアちゃんも後少しで魔法が使えるようになりそうなんだってさ。やっぱ覚えるの早いね」

「おや? そうなのですかな?」

村の奴隷達の教育はほぼお義父さんと婚約者、お姉さんのお姉さんが担当しているので、俺は詳しく把握しておりません。

「うん。昨日の戦勝会や波での話を聞いて留守番をしていた子もやる気を見せているみたいなんだ。生兵法は怪我の元だけど、ちゃんと見届けるなら大丈夫かな?」

「問題ないと思いますぞ」

育成に関して言えば盤石の態勢ですからな。

むしろこれ以上の人材がいるのか、とも思える育成チームですぞ。

「で、ラフタリアちゃんなんだけど、メルティちゃんや魔法に詳しい人の話を聞くと幻を見せるのが得意なんだってさ。何か留守番だけをしていた自分が不甲斐ないと思ってるのか、昨日徹夜して覚えようとしてたみたい」

お義父さんが眠そうにあくびをしましたぞ。

「相変わらず夜泣きですかな?」

「……まあね。頻度は減ったけど、誰か近くに居ないと時々さ。それで元康くん。武器の素材にキメラの死骸を解体して入れたけど、残りは新しく育つフィロリアルのご飯にする?」

「お願いしますぞ」

そんな訳で俺はルナちゃんの育成に入りました。

「とはいえ……コウやクロちゃんが夜中お腹空いたからと言って結構齧ってたみたいなんだよねー……食べられる部位があんまり残ってないか」

「兄ちゃん兄ちゃん! 敷物にしようぜ! 俺達が狩った証拠! 家の屋根に吊るすのも良い!」

「ワイルドだね。そんな訳で少ししか用意できない……か」

「どっちにしろ狩って食料は調達しますぞ」

バイオプラントの畑から収穫出来る野菜も多いですからな。

ある程度どうにか出来ると思いますぞ。

なんて感じに波を乗り越えた翌日から数日の間はルナちゃんや他のフィロリアル様の育成に従事しました。

一方でお義父さん達は村の奴隷達と更なるLv上げとしてお姉さんのお姉さんの協力の下、メルロマルクの各地で危険な魔物の討伐、他国に赴き、魔物を倒す等を行いました。

もちろん、生態系には注意をするようにと錬も樹も理解させましたがな。