軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

絶滅

「ブブー!」

お義父さんの料理を食べ、お姉さんを初め、奴隷達は揃って楽しげな会話をしていましたぞ。

旗をお姉さんは大事そうに握りしめていました。

ちなみに先程のセリフはキールですな。

「ラフタリアちゃん……」

お姉さんの友人がお姉さんの肩に手を置き、頷きます。

「さーてと、こんな所かな? みんなちゃんと食べて明日の活力にしてね」

「「「おー!」」」

「ブブー!」

この時、キールはがんばるぞー!

と叫んだそうですぞ。

お姉さんも張りつけた様な笑みではなく、心から笑っていると思える笑顔でみんなを見渡して同意していました。

「なおふみ様、ありがとうございます」

「いいのいいの。今の俺にはこんな事しか出来ないからさ」

「はい……これからがんばろうね、ラフタリアちゃん」

「う、うん」

「戦いたくないなら別に良いからね」

お義父さんの言葉にお姉さんは恐る恐ると言った様子で頷いていましたぞ。

どうも俺のイメージのお姉さんとはギャップがあって違和感が拭えませんな。

そんなこんなでその日は就寝いたしました。

もちろん。お義父さんはユキちゃん達にも丁寧に食事を与えていましたぞ。

お姉さんは相変わらず夜泣きが酷く、お義父さんとお姉さんの友人が添い寝する事でやっと静かになりました。

「ここがドラウキューア山脈かー……」

山奥のキャンプ場と見間違える広場でお義父さんが感想を述べました。

入山前にある山への門で女王から承った手紙を渡したのですぞ。

すると門番が通してくれました。

キャンプ場兼、露店街を抜けて道なりに歩くと、メインとなるホテルが近づいてきますぞ。

他にも宿はありますが、俺達はここで宿泊する事になりました。

「ようこそいらっしゃいました四聖の勇者とその一行の皆様」

おや? 城の前に……カルミラ島でも見た様な案内員が居ますぞ。

確かノースフェラト大森林にもいましたな。

所属国が違うのかメルロマルクの軍服ではありませんが、態度が同一ですぞ。

旗に違和感がありますな。

「私、このドラウキューア山脈の地を任されておりますルーガル伯爵と申します」

「は、はぁ……」

「よろしくですぞ」

「宜しくお願いしますわ」

最初の世界ではお義父さんが代表として問答していましたが今回は俺と婚約者も同席していますぞ。

婚約者は営業とばかりにスカートの端を掴んで一礼していますな。

品を見せたつもりでしょうがそうはいきませんぞ。

「ピイ!」

サクラちゃんが婚約者の頭の上に乗って鳴いています。

錬と樹? 馬車に酔って奴隷達と一緒にぐったりしてますぞ。

今平然としているのは俺とお義父さん、婚約者位なものですな。

「以後お見知りおきを」

「ああ……よろしくお願いします」

「ルーガル伯爵様、四聖勇者と言うのはどうか伏せる様にお願いします。何分、重要な問題がありますゆえ」

「おお、そうでした。これは失敬、ではどう呼べばよろしいでしょうか?」

「名義としては私が代表という事になります。なので――」

「ではメルティ王女様一行と」

「王女は無しで問題ありませんわ」

「わかりました。ではそう対応させていただきます」

とまあ、俺達はお忍びでLv上げに来たという事になりました。

「では、皆さまにはこのドラウキューア山脈の始まりから知っていただきましょう」

完全にカルミラ島と同じ対応ですぞ! ノースフェラト大森林でも同じですな!

コイツ等は案内しないといけない病気にでも掛っているのですかな?

まあ、これが仕事なのかもしれませんが。

「別に俺達は観光で来たわけじゃないですぞ! 勝手は知っているのでサッサと行きますかな?」

「まあまあ……知らなきゃいけない事もあるだろうし、聞いておこうよ」

お義父さんが穏便に、とばかりに俺を宥めます。

まあ、お義父さんがそう言うならしょうがないですな。

「古くは伝承の四聖勇者がここで身体を鍛えたというのが始まりでして――」

完全に聞き流しても良さそうな話ですぞ。

というか……カルミラ島とほとんど変わりがないですぞ。

しかも城の入り口付近の広間には見覚えのあるオブジェがありますぞ。

そう、あのサンタ帽をかぶった開拓をしたらしい伝説の魔物共のオブジェですな。

俺がそのオブジェを見ていると案内員が気づいて説明を始めます。

「お? あれに気付くとはお目が高い。あれはこの地を開拓した伝説の先住民であるペックル、ウサウニー、リスーカ、イヌルトです」

「知ってますぞ。他にカルミラ島、ノースフェラト大森林にも同様のオブジェがありますからな」

同様の伝承があるのは何か意味があるのですかな?

そもそも、開拓した先住民とやらが何故、同じ種族なのでしょうか?

不思議でしょうがないですぞ。

「ちなみに名前の由来は四聖の勇者様が付けたという伝承があります」

「うわー……ネーミングセンスを疑うね」

「この世界の亜人種にも四聖勇者が付けた名前が結構あるらしいですぞ。ハクコとかシュサクとか」

「名付けた勇者の顔が見てみたいよ。もうちょっと良いセンスは無いのかな?」

おや? お義父さんの台詞にお前が言うなと誰かの声が聞こえる様な気がしますぞ。

ですが、俺はお義父さんのセンスを信じております。

ユキちゃん達の名付けの親ですからな。

更に言えば高貴なフィーロたんの名前を付けたのもお義父さんですぞ。

お義父さんが間違っているはずはありません。

「仲良くなった魔物だったそうなのですが、勇者様の世界基準で一番近い動物の名前を聞いて自ら名づけたそうです」

「ペンギン、ウサギ、リス、イヌだね。じゃあこの山脈に、あんなのがいるの?」

「いえ、開拓を終え。新たな地へ旅立ったそうです。その後、姿を見たものはいません」

「絶滅?」

「真相はわかりません」

「うーん……ミステリーなのかな? 元康くんの話だとカルミラ島って場所にも同じ伝承があるらしいけど……」

「フィーロたんが美味しそうと仰ってましたぞ」

お義父さんが俺の顔を見てから何か頷いています。

「フィロリアルに食いつくされ絶滅と……」

何か心外な事を仰っている様な気がしますが流しますぞ。

やはりオブジェの隣に石碑がありますな。

「アレは何だろう?」

「碑文ですな。勇者なら独自の魔法が覚えられますぞ」

「へー……そういえば昔、ゲームでそういう石碑を見た事があるな」

「ちなみに魔法言語が理解できないと読めませんぞ」

「じゃあダメじゃん。俺や錬、樹は女王様が支給してくれた玉で覚えた魔法しか使えないし……逆を言えば今までの俺達は魔法文字を覚えたんだ」

そういえばお義父さん達は出発の時に女王から魔法が使用可能になる玉を支給されたのですな。

とはいっても初歩のファストしか覚えていませんが、魔力の感知は出来る様になった様ですぞ。

ですが文字は読めませんし、熟練が居る要素なので、即席で難しい魔法を使うのは無理でしょうな。

「そうですな」

俺は石碑の方へ近づいて文字を探しますぞ。

やはりありましたぞ。

ノースフェラト大森林にも同様の石碑がありましたから予測は出来ていましたぞ。

「元康くんに解読してもらえば魔法が使える様になる?」

「無理ですな。魔法言語は読む人によって意味が変わりますし、魔力を感知する事から始めないと無理ですぞ」

「はい。魔法の習得には読み書きと魔力の感知が必要です。今の勇者様達では読むのは難しいかと……」

「あー……そうだね。決められたワードを呟くだけしかやり方わからないし」

「滞在中に文字は教えますぞ。上手く行けば覚えられるかもしれませんな」

「そうなると良いんだけどね」

話をしながら俺は碑文を読み解いていきますぞ。

「これは……ファスト・アブソーブの魔法みたいですな。という事は法則で言えばお義父さんはオーラ、樹はダウン、錬はマジックエンチャントですな」

初級の魔法という事ですな。

そういえばノースフェラト大森林ではドライファが記されていました。