軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

透かし

裏路地ですな。

三勇教の刺客を警戒して隠れた者を焼き殺す炙り出しの魔法を唱えております。

女王にはこの事を説明しているので女王派の影が隠れる事はありえませんぞ。

まあ、その後に関してなのですが、お義父さんが商売をする意味で魔物商と交渉しました。

「しかし、勇者様が奴隷に興味を持っているとは驚きです。ハイ」

「盾の勇者である俺がこの国で仲間なんて手に入る訳無いだろ? 利用できる物は何でも利用するつもりだ」

ここでは引いては行けないと目つきを鋭くして応答しておりますぞ。

前々回のお義父さんがやっていた交渉そのままですな。

「尚文さんって値切りとか上手に見えますね」

「ああ、普段のちゃらんぽらんで締りの無い顔が嘘の様だ」

完全に観戦モードで錬と樹がお義父さんを見ていますな。

こういう所で頼りになるのがお義父さんなのですぞ。

「しかし……既に奴隷は解放しろと女王が命じているんですよね? 無駄足になりませんか?」

「国内でもある程度混乱しているみたいだからな。ここの奴隷商にあの子達の村の連中を探してもらう意味もあるのだろう」

「はい。そのように母上から仰せつかっております。何分……名簿のような物がある訳では無いので特定をするのに必要な事です」

おお、婚約者が補足していますな。

「覚えている限りの身体的特徴を説明してもらいたいと母上も仰っていました」

「そこを領地にしていた奴の娘が居るんじゃなかったのか?」

「騎士エクレール様は内政よりも武と礼節を重んじる方だったので、領地内の者を覚えてはいるでしょうが、ラフタリアさんとリファナさんの村の事は若干疎いという推測がされています」

「そうか……」

「出来れば槍の勇者様の仰るサディナさんと言う方がいらっしゃれば特定を早められると思うのですが……」

「居場所を聞いていませんからな」

「という訳なので、我が国も情報収集に終始するしかありません」

「なるほどな……本来だったら奴隷達の収集をしながら地道にLv上げをした方が良いのだろうが」

「タイミングが悪く活性化イベントが開催されていますからね」

錬と樹が困った様に頷き合います。

「母上の指示で抜き打ちで貴族の屋敷に訪問し、虐待奴隷の摘発をする予定です。ですから勇者様方は素早く強くなる事を推奨致します」

「ああ、元康と一緒に救助に行った時の事を女王は理解した訳だな」

「はい。我が国の貴族がああいう虐待用の施設を隠していると思われる為です」

「何処までも腐っているな」

うーむ……ここでフィロリアル様を購入すべきですかな?

今ならクロちゃんを購入出来るでしょうな。

どうするべきでしょうか。

迷いますぞ。

とりあえず婚約者の肩を突きますぞ。

「ここでフィロリアル様を購入しても良いですかな?」

「あ、はい……多少なら良いかと」

問題はあまり持ち込み過ぎると困ると言う話でしたな。

「では後で魔物商にお願いしますぞ」

クロちゃんは購入しておいて損は無いでしょう。

後はユキちゃん達を手早く購入して行く方が良いですな。

「ん? これはなんだ?」

テントの隅にある魔物くじを錬と樹は発見しましたぞ。

「ああ、魔物の卵くじですぞ。前回も前々回でもお義父さんがフィロリアル様の卵を購入する時に使いましたな」

「ほー……」

と言う所で魔物商の配下がさりげなくどうするかと合図をしています。

錬と樹はやらないけど見たいとばかりに覗きこんでいますぞ。

俺も見ますかな?

んー……確かルナちゃんの卵はここにあるのでしたな。

匂いで判別出来ると思いますが、見つかりませんぞ。

まだ仕入れていないのですかな?

「くじで魔物の卵を購入か」

「十個お買い上げになると、必ず当たりの入っている、こちらの箱から一つ選べますです。ハイ」

魔物商の配下が錬と樹に説明しますぞ。

「待った……何か、これはネットで見覚えがあるぞ」

「完全にガチャですね。しかも違法の類の……」

「コンプリートタイプか?」

錬も樹も何やら呆れ気味に卵くじを見ていますな。

ですが、即座に持ち直しました。

「別にフィロリアルだけが味方って訳じゃないんだからテイミングペットとかでも良いかもしれないぞ」

「そうですね。どれほどの戦力になるか未知数ですが悪い話じゃ無いかも知れません」

「まあ、余裕があったら視野に入れるで良いと思いますよ。面白そうです」

ルナちゃん、何処ですかな?

お? 見覚えのある子の匂いがしますな。

欲しくてしょうがなくなりますが、あまり数が多いと困るそうですな。

「元康さんが食い入るように卵の匂いを嗅いでいる……」

「差が分かるのでしょうか?」

婚約者が不思議そうにしてますな。

当然、わかりますぞ。

「ループしているからわかるんだろ」

錬と樹は興味なさげに背を向けました。

ここは恒例としているユキちゃん達を買ってあげるべきだと思いますぞ。

と言う所で槍が僅かに揺れ……卵くじの一つに刻まれている模様が赤く輝きましたぞ。

こ、これは……この卵から非常に嫌な気配がしますぞ。

それとなく俺は光る卵を一つ持ちます。

「あ、あの? 挑戦致しますか?」

魔物商の配下がおずおずと俺が持ちあげた卵を凝視しています。

これは!?

俺は魔物商の配下に持っている金銭を握らせますぞ。

もちろん女王から貰った金ですぞ。

金貨25枚くらいで良いですかな?

「これを頂くが大きく騒がないで欲しいですぞ? 後であそこに居る魔物商に報告しておけですぞ」

「は、はぁ……ですがその卵は……」

「わかっていて、黙らせているのですぞ」

俺は殺気を放って魔物商の配下を脅しました。

「は、はい。わかりました」

結果的に儲けになるのですから魔物商もそこまで追求はしないはずですぞ。

俺はさりげなくお義父さんと錬、樹その他に目を向けます。

ん? お姉さんの友人がこっちを見ていた様な気がしますが無視ですぞ。

さっと服のポケットに隠しました。

「どうせ料金を割り増しして偽物を提供するつもりだな? そうはいかない」

「なんと! 私共は信用を売りにしているのです。ハイ。メルロマルクに波が到来して、新たに奴隷になった者で探せば見つけ出せると思いますです。ハイ。もちろん、買い取り額に応じて値段は上がりますが、どうしますかな?」

「じゃあ銀貨……」

とまあお義父さんは色々と魔物商と交渉を終えた様ですぞ。

相変わらずの手腕ですな。

「後はフィロリアル様ですぞ!」

「うん」

お義父さんが道を開けて俺は魔物商に近寄ります。

「フィーロたん」

「は?」

「元康くん?」

おっと、思わず言ってしまいましたぞ。

「やっぱ元康の頭は大丈夫なのか?」

「どうも時々怪しげな挙動をしますよね。ループした時の弊害でしょうか?」

「言う事が間違っていないんだ。信じるしかないが十分に警戒しておこう」

錬と樹の雑談が聞こえてますぞ。

「フィロリアル様の卵が欲しいですぞ」

と言う事で俺は魔物商が用意したフィロリアル様の卵を確認しますぞ。

うーむ……前回の周回でも会った子ばかりですな。

おお、今ならまだクロちゃんの卵があるようですな。

では確保しておきましょう。

「ありがとうございました。では明日の来訪をお待ちしております」

交渉を終えた俺達は魔物商のテントを出ました。

「これである程度は集まるんじゃないか?」

「そうですね」

お姉さんとその友人は脅え気味でしたな。

何分、奴隷経験からのトラウマが疼くのでしょう。

まあ、気にしていたら始まりませんがな。

明日にはキールやその他の奴隷がある程度集まっているのではないですかな?

なんて感じにお義父さんが優しげにお姉さん達に語りかけております。