軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

あの時

ですが……その日の波の事ですぞ。

「さて、これからどんどん忙しくなりそう」

「尚文さんが妻子持ち一番乗りですか……」

「結婚式とかやりたいな。盛大にさ。次は樹かな?」

樹は既に元気になったストーカー豚と仲良くしている様ですぞ。

元々潜在的な資質があるストーカー豚の目覚ましい活躍に樹も驚いておりました。

エネルギーブーストの習得をマンツーマンで教えたのが功を評したらしいですな。

樹曰く、エネルギーブーストの適性が異常だそうですぞ。

「そ、そうですね。リーシアさんとの結婚は視野に入れるべきでしょう」

「逆に錬はそういう話はまだ遠そうだね」

「ふん! お前等の様に色恋に現を抜かして無いだけだ」

ははは、久しぶりに不機嫌な錬が見えますな。

「元康くんはフィーロちゃんが見つかってないしね……ユキちゃんの好意とかどうなの?」

「俺の心はフィーロたんの物であり、ユキちゃんは娘なのですぞ」

「諦めませんわ!」

「うわーユキちゃんも負けないねー。なんて言ってる間に時間が近づいてるね」

「ですな!」

「さあ、今日も波を乗り越えて、世界が平和になるまでがんばろう!」

と、お義父さんの号令に招集された兵士やフィロリアル様達が応じ、波が開始する時間となったのですぞ。

ですが、波の開始で場所が転移したその時!

いきなり視界の数字が現れました。

01:30

この感覚、覚えがありますぞ!

「な! 一時間三十分!? この時間制限何!?」

今までの波では発生と同時にすぐに終わらせる事が出来ましたからな。

ですが俺には覚えがありますぞ!

波の亀裂から人影が現れました。

「敵か!?」

「人!?」

お義父さん達が相手の姿に驚きの声を出しています。

「波の亀裂とその先の相手と戦闘中の様です」

「確か最初の世界での記憶を紐解くと、味方が敵と戦っているはずですぞ!」

「味方なの!?」

「最初の世界のお義父さんとその仲間達が言っておりました」

「ここに来てまた新事実じゃないか!」

「ですがこれは良い話じゃないのですか?」

ですが視界に浮かぶ時間の数字が凄い勢いで減って行きますぞ。

一時間三十分という時間ではなかったのですかな?

「ここがアップデート先の世界か」

「早く始めようぜ」

「わかってる」

波の亀裂を広げる様に後方に居る集団が亀裂を手でこじ開けようとしています。

「させるか! みんな、行くぞ!」

錬の声に俺達は応じて駆け出しますぞ。

お義父さんの援護があれば百人力ですな!

「「「女神様から授かった新しい能力マジチート!」」」

「凄くウザイ台詞ですね!」

「何がチートだ。ふざけるな! どうやらあいつ等は神を僭称する奴の配下、転生者みたいだぞ」

「じゃあ遠慮なんてする暇ないね!」

「今度こそ、俺は負けませんぞ! ブリューナクⅩ! からのエイミングランサーⅩ!」

先制攻撃を俺は連中にぶちかましましたぞ。

最大強化された俺のもっとも強力な一撃を受けて蒸発しろ! ですぞ!

「おっと」

前にも見た転生者が手を前に出しますぞ。

すると俺のスキルが壁に阻まれました。

「早くしろよ。絶対防壁とは言え、そんなに長く持たないんだからよ」

「まさか元康くんのスキルを受けて無傷!?」

「制限付き絶対防壁!? 僕の世界にもある能力です」

「どんな能力なんだ!?」

「わかりませんか? 何をしても破壊する事の出来ない防壁を生成します。それがある限り、攻撃は通りません」

「く……これだけ強化されている俺達の攻撃すら阻むのか!?」

幾らなんでもおかしいですぞ!

俺達は波を乗り越えるために、いや、今まで戦った全ての敵に攻撃が通ったのに通じないのですかな?

「難点は自分達も攻撃できないという所でしょうか。僕の世界では上位クラスの能力の一つです。最上位は常時展開できます」

「く……」

「ただ……継続的な攻撃に対しては効果があると聞いた事があります! 接近して破壊しましょう!」

「わかった! 行くぞ!」

俺達は素早く敵に向かって突撃しました。

そりゃあこっちも軍単位での猛攻ですぞ!

これを退けられますかな?

「ブブーブブブブブブブ!」

転生者の周りにいる豚が何やら泣き喚いています。

うるさいので死ね、ですぞ!

00:54

どんどん残り時間が削り取られて行きますぞ!

早く奴らを仕留め無きゃ行けないのですぞ!

ぼんやりとしていた記憶が蘇ってきました。

「流星槍Ⅹですぞ!」

敵の張った結界を貫く為に俺は流星槍を放ちました。

星が流れるが如く敵の結界に飛んでいきますぞ。

しかし、俺の放った槍の軌跡は壁を貫く事が出来ません。

「流星剣Ⅹ!」

錬も同じくスキルを放ちました。

若干見た目の違う流星が飛んでいきます。

今や錬の流星剣で切れない物は無いとばかりの必殺剣となっているはずでした。

ですが、それさえも突破出来なかったのですぞ。

「フルバスターⅩ!」

銃を構えて樹は俺のブリューナクに匹敵する光のレーザーを射出しました。

これで突破出来ますかな!?

「ぐ……」

「もう少しです! 後少しで突破出来るはず! 攻撃を休めないで!」

「わかりましたぞー!」

みんな各々の必殺攻撃、魔法を駆使して敵の結界を攻撃しますぞ。

「おっと、癪だけどお前だけには任せてられねえな!」

と敵の仲間らしき転生者が結界の前で手をかざすと攻撃が横に逸れて行ってしまいました。

「く……危なかったな」

「中々重い攻撃みたいだ。いや、随分と強力じゃないか。ま、当たらなければ俺の敵じゃねえけど」

ウザいですぞ!

絶対に仕留めてやりますぞ!

「なんで波を広げるような真似をする!」

「そうです! 何が目的なんですか!」

錬と樹が相手に向かって尋ねますぞ。

「決まっているだろ? 世界を正しく導く為だ。ま、アップデートみたいなものだけどな」

「アップデート!?」

「ゲーム感覚なんですか!?」

ここに来て、俺の記憶が最初の世界とリンクします。

そう……これ等には覚えがありますぞ。

「そうですぞ。コイツ等は最初の世界でも争いました。お義父さんや錬、樹、七星武器の所有者と様々な後方支援を受けて尚、止める事が叶わなかったのですぞ」

「まさかここで元康くんはやられたとか!?」

「それは違ったかと思いますぞ」

そうですな。

確か残り時間が過ぎて……波で世界が変になった後……その後の記憶がまだおぼろげですぞ。

「この後に出てくる敵に俺は負けたのですぞ! これはまだ前座、波を早く終わらせないといけません!」

「シールドプリズンⅩ!」

そう、お義父さんは知恵を使って相手を押し出そうとしますが、相手も物量が多くて、じり貧になって行くのですぞ。

しかも最大強化されているはずの俺達に対応しているという驚異的な状況。

「なるほど!」

錬が敵の結界ギリギリにまで接近して……っとこの動きにも覚えがあります。

「フロートソード!」

剣を出現させて相手の結界内で暴れさせます。

「なんの!」

敵はその剣を受け止めて鍔迫り合いになりましたぞ。

く……七星武器の所持者が居ない所為か最初の世界よりも押しが弱い気がしますぞ。

確かお義父さんの攻撃に反応した鎌の武器を持った奴がスキルのような攻撃をしてきたはずなのですが、来る気配がありません。

ですが強化された俺達の攻撃で結界を破壊する事が出来ましたぞ。

あの時は00:18くらいですが、まだ00:35ですぞ。

「よし! みんな、たたみかけよう!」

「おっと、俺を忘れちゃ困るぜ!」

と、もっとも奥の亀裂からまたも敵が姿を現し、色違いの結界を幾重にも作り出しました。

しかもなんですかな?

紙が空中に舞って居て邪魔をしていますぞ。

「くっ! どけ!」

錬と樹、そしてお義父さんが俺と一緒に結界を薙ぎ払います。

今度の結界は先ほどのよりも弱い様ですぞ。

あの時とは違ってさらに強くなった俺の前では突破も容易いですぞ!

「邪魔をするな! この任務をクリアすれば、新たな力が授かるんだからよ」

「授かる?」

「なんだ知らねえのか? 必殺スキルの召喚が解放されるんだぜ」

これも聞き覚えがありますが、知りませんな!

そんな物は必要ないですぞ。