軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

想いの強さ

「イミアちゃん、大丈夫?」

助手がルナちゃん(仮)に抱きつかれたモグラを心配していますぞ。

「大丈夫だけど……」

「イミアちゃん、一緒に土掘ろう……土いじり楽しい」

「コウみたいにイミアちゃんを食べたくて狙ってるのと違うけど、フィロリアルって変わってるね」

「ガエリオンループしたいなの……」

助手やライバルは各国の兵士や村の奴隷達を重点的に育成しております。

もちろん、お姉さんのお姉さんも村の奴隷達の面倒を見ていますがな。

お義父さんや城から派遣されたコックは料理作りに追われている様でしたぞ。

フィロリアル様達は現地調達をしていますがな。

「兵士達の育成も大分上手く行ってるな。尚文、フィーロって奴は見つかったか?」

昼頃、錬と樹が昼食にやって来てお義父さんに聞きますぞ。

「それが全然でね。似た色合いになった子がいない訳じゃないけど、元康くんは違うって言うしね。もちろん、天使の姿になった時は髪の色とか色々と違うからそうなんだろうね」

「ですぞ! フィーロたんの色合いとは異なりますぞ」

「中々難しいんだな。とはいえ、ここまで来ると元康にもわかっていない条件があると見て良いだろう」

「そうですね。これだけ探して見つからない訳ですし、ルナさんだと思わしき方も異なるのでしたら、条件系と見て良いと思いますよ」

樹がモグラとじゃれるルナちゃん(仮)を見て言いますぞ。

ふむ、やはりそうなのですかな?

「あらーナオフミちゃんも大変ね」

「別にフィーロって子を見つけられなくても戦力の増強が出来るから問題は無いよ。ただ、元康くんの為だからね」

お姉さんのお姉さんがお義父さんの後ろから顔を覗かせております。

なんとも親しげな様子ですな。

助手がモグラに声を掛けてルナちゃん(仮)を撫でましたな。

助手はライバルが一番ですがフィロリアル様を嫌っている訳では無いですからな。

そこにライバルがトボトボと歩いております。

お姉さんのお姉さんはそんなライバルを見てからお義父さんに腕をからませて言いますぞ。

「今夜はガエリオンちゃんを招こうかしら」

「またそんな事を言って! サディナさんはもう少し自重する様にして欲しいんだけど……その、楽しむのは良いけど、それは俺やラーサさんだけにして他の子達を巻きこまないように、さ」

「あらー? お姉さんはナオフミちゃんの事を好きな子を誘ってるだけよー?」

「だからってサクラちゃんはないでしょ」

「んー?」

食事に夢中のサクラちゃんが顔を上げますが、お義父さんが気にしないで良いよと微笑み掛けました。

そうですな。食事中の話題ではないでしょう。

何よりもお義父さんの自制心には感銘を受けますぞ。

「あら? ナオフミちゃんはサクラちゃんがフィロリアルだから嫌なのかしら?」

「そういう訳じゃなくてね……ってその手には乗らないからね」

「それとも、サクラちゃんが幼いからかしらー?」

「サディナさん」

お義父さんの視線が若干厳しくなりましたがお姉さんのお姉さんはどこ吹く風とばかりに流してますぞ。

いや、お姉さんのお姉さんも視線が若干怖いような気がしますな。

「ねえ、ナオフミちゃん、ナオフミちゃんはナオフミちゃんの事を心の底から大好きな子に告白されたらどうするの?」

「え? いや、俺はサディナさんがその……一番好きな人だから……」

お義父さんの怒気が霧散しますぞ。

……もしやこれが噂に聞く、惚れた弱みという奴ですかな?

俺もフィーロたんに惚れた弱みを見せたいですぞ!

「あのねナオフミちゃん。私はね、ナオフミちゃんを好きな人が傷つくのはあんまり見たくないのよ。だからナオフミちゃんが幸せに出来るなら一緒に楽しい事をしたいわ」

「いや……その理屈は……確かに断るのは胸が痛むけど!」

「イミアちゃーん、ちょーっと待っててね。ナオフミちゃんは後少しでイミアちゃんも大丈夫になる様にお姉さんがさせて見せるから」

「サディナさん!?」

お姉さんのお姉さんがモグラに手を振りますぞ。

お義父さんが驚いた声を上げながらお姉さんのお姉さんとモグラを交互に見ます。

「あ、はい……」

モグラが赤面しながら頷きますぞ。

「ほらナオフミちゃん、もしもイミアちゃんに迫られたらナオフミちゃんは断れるのかしら?」

「イミアちゃんは子供だよ!」

お義父さんが断言しますぞ。

ですがお姉さんのお姉さんは引きませんぞ。

「違うわよ、ナオフミちゃん。イミアちゃんはもう大人になってるわ。亜人獣人はLv上昇で肉体の成長も早まるのよ?」

「そ、そうだけど! 俺は心の話をしているのであって!」

「もちろん、サクラちゃんやガエリオンちゃんみたいに外見が幼いという意味じゃなく、イミアちゃん自体、種族的に見ても大人なのよ? この場合はどうするのかしら?」

お姉さんのお姉さんが……なんて言うのですかな? 村でも問題行動の多かった者を諭す時の目つきをしております。

フィロリアル様もこの口調の餌食となって反省したのを見た覚えがありますぞ。

「イミアちゃん自体がナオフミちゃんに子供扱いしないで欲しいと強く答える時が来るわよ?」

「……」

モグラがその言葉にルナちゃん(仮)に抱きつかれたままで胸に手を当ててまっすぐにお義父さんを見つめます。

……お義父さんが徐々に包囲されている様に見えますぞ。

これがお姉さんのお姉さんの策略ですかな?

「お、俺は……」

「ナオフミちゃん、お姉さんと楽しい事を最初にする時に言ったわよね? ナオフミちゃんは私だけを愛すると言ったけど、みんなを幸せに愛して欲しいのよ」

「それはそういう気概でいて欲しいって意味じゃ……」

「あら? 言葉通りの意味よー? ナオフミちゃんの愛は一人だけを幸せにする程度なはずはないと私は思うわ」

お姉さんのお姉さんはお義父さんを後ろから抱き締めますぞ。

「尚文ちゃんはみんなを守れる盾の勇者なのよー? お姉さんもナオフミちゃんを守るわ。そしてみんなもナオフミちゃんを守りたいからこそ戦うの。それを忘れちゃダメよ」

「それはわかってるけど……」

「わかってるわ。ナオフミちゃん。保護欲が恋愛の邪魔になっている事、それは良いのよ。お姉さんだって幼すぎる子に欲情して近寄るナオフミちゃんはちょっと困っちゃうし、だけど相手がもう大人なら、拒んで欲しくないわ」

「あの……惚気なら余所でやってください。イミアさんもサディナさんとの宴に参加したいみたいですし」

樹が半眼でお義父さんに言いますぞ。

こやつは本当に空気の読めない奴ですな。

「あのね樹、イミアちゃんの年齢を考えてから言おうよ」

「イミアさん、親族に尚文さんと関係を持つ事を確約されてますよ? 親族と再会した後、話をしてましたし、イミアさんも親族の前に乗り気でした」

「え?」

「そうだな。尚文の前じゃそういう話を避けていたが、親族公認みたいだぞ?」

ギギギとお義父さんが錬と樹に視線を向けます。

お姉さんのお姉さんはそんなお義父さんにじゃれついてますぞ。

「むしろ尚文、イミアがお前以外の誰を好きになるんだ?」

「ですね。そして凄い勢いで肉体も精神も成長しているイミアさんがサディナさんが良いと言っている状況に乗らないはずはありませんよ?」

「え? でも……」

「イミアの同族の女の身長を見ろ。もうイミアは同じ身長をしてるぞ? 肉体的には大人だ。断ったら親族の風当たりが強くなりそうだな。尚文はそれで良いかもしれないが」

「世界が平和になってから好きにやって行けば良いんじゃないですか?」

「それは錬も樹も元康くんだって同じでしょ!」

お義父さんが強く言いますぞ。

ですが錬も樹も引きませんぞ。

「俺達と尚文じゃ関係性が違うだろ。国が用意した見知らぬ見合い相手と苦楽を共にした、失った居場所を取り戻してくれた恩人だぞ? 想いの強さも断られた時の絶望も天と地程に違いがある」

「元康さんの話に出てくる。最初の世界の尚文さんだってラフタリアさんって子に同じ事をして恋仲だったそうじゃないですか」

お義父さんが途端に黙りこみましたぞ。

ここで断ったらモグラが何か起こすのですかな?

「サディナと色々とやらかしてる尚文は獣人だからダメだって訳じゃなさそうだしな」

「そうよー現在ナオフミちゃんはお姉さんがササちゃんと一緒に獣人との楽しさを教えてる最中よー」

キャッとお姉さんのお姉さんが恥ずかしそうに言いました。

そんな反応に錬と樹は呆れ顔になりました。