軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

お祝い

「勇者様方、今回の席を準備してくださりありがとうございます」

「いえいえ、みんな遠慮しないで良いんだからね」

「はい」

何だかんだで大人しい連中ですな。

真面目とも言うのですかな?

「では村に戻ったらどれくらいの破損状況なのかを調査すべきだな」

「メルロマルクの女王様とセーアエット様が御力に成ってくださるのなら復興は思いのほか早く出来ると思う。問題は人手だ」

「波とはどれだけの長期スパンで戦い続けるかも重要じゃないか? 数が少なくなってしまったけれど、我等も数を増やさねば……」

「勇者様の御力に成れるように戦闘が出来る者も選定すべきだろう。選出はどうするか」

食事をしながらお義父さんの言葉を何度も反芻して村に戻ったら何をするか等を話し合っている様ですぞ。

ふむふむ、お義父さんの為に働くとはあっぱれですな。

その調子でがんばると良いですぞ。

「イミアちゃんが大丈夫だから普通に注文しちゃったけど、民族料理とかあるの?」

お義父さんの問いにモグラは頷きます。

そういえば村に居た頃、変わった料理を食べていましたな。

「あ、あるけど大丈夫、です。みんな楽しんでくれています」

「それなら良いけど……楽しむと言うよりも食事込みの会議になってる様な……」

ですな。

俺を褒めたたえているのはユキちゃんと一部の気を利かせたモグラ達だけですぞ。

「お姉さんが盛り上げるわよー! 誰か飲み比べをしましょうよー!」

「サディナさんはこれ幸いとばかりに酒を飲み始めちゃったし……まあ盛り上げてくれるなら良いんだけどね」

豪快に酒を飲み始めたお姉さんのお姉さんに酒場に居た傭兵や冒険者達はエールを送りますぞ。

そのノリに釣られてモグラ達も徐々に真面目そうな空気から和気あいあいと楽しげな空気へと変わって行きました。

「さあさあ! じゃあ皆さんの自己紹介と……ちょっとしたゲームをしましょうか! 負けた人は気になってる人とかを暴露してねー!」

お義父さんもお姉さんのお姉さんに負けじと盛り上げようとがんばっておりますぞ。

何のゲームですかな?

そう思っているとサイコロを使ったハイ&ローの様ですぞ。最後まで当てられなかった人が罰ゲームをするようですな。

幹事をしていたというのは本当だったのですな。

昔、合コンに参加した時にもこうやって盛り上げようとした者がいました。

嫌がる者も多いでしょうが、こういう物は盛り上がりますからな。

特に酒が入っていれば更に盛り上がるでしょう。

ちなみに気になっている相手を暴露させるのはモグラ達の会話からお義父さんが察して提案したそうですぞ。

集落的に数が減ってしまったので、人手……種族的にも人員を増やす為には婚姻を結ぶ必要があるとかなんとか。

親戚同士じゃないのですかな?

なんて思ったのですが、モグラ達もある程度は理解しているのでしょう。

そもそも、モグラ達は奴隷時代に知り合った同族とかもいるのである程度問題は無いとか。

「うわー! 負けたー!」

負けたと言うのに敗北したモグラは恥ずかしそうにしていますが嫌では無いみたいですぞ。

「俺が好きなのは――」

とまあ、告白してその相手が赤面している様な事が発生しておりました。

カップル誕生ですかな?

「あらー! ナオフミちゃんの方は楽しそうな事をしてるわねー! お姉さんも負けないわよー!」

「サディナさんは飲んでるだけでしょ!」

お義父さんが指摘しますがお姉さんのお姉さんは止まりませんな。

いくら飲んでも止まらないのがお姉さんのお姉さんですぞ。

お義父さん程ではありませんが酒には物凄く強いらしいですからな。

「あらあら? お食事が進んでないわね。何か嫌いな物でもあったのかしら? お姉さんが食べてあげちゃおうかしら?」

で、お姉さんのお姉さんは酒を飲みつつ、モグラ達の中で年齢が幼い者に近づいて緊張をほぐす様に優しく語りかけていました。

ワイワイと楽しげな食事が……あっという間に過ぎて行きました。

1時間半程の食事会でしたが、モグラ達は満足した様ですぞ。

錬とエクレアが迎えに来た時には、みんな楽しそうな表情をしており、幼い者は終わりを察して泣きそうになっておりました。

「もう終わりなの? また……苦しい思いをさせられるの?」

お義父さんとお姉さんのお姉さんはモグラを連れて幼いモグラに優しく……まるで両親の様に諭す様に微笑んで答えますぞ。

「とても楽しんでくれたなら嬉しいな。で、さっきの質問だけど、終わりじゃないよ。これは始まり……かな?」

「そうね。ナオフミちゃんのお話通りなら、明日からもっともーっと楽しくなるわよ。貴方達は自由になったんでしょ?」

優しく諭すお義父さん達と、モグラが大丈夫と幼いモグラの手を握りましたぞ。

不安に押しつぶされそうになっていた幼いモグラはホッとした表情を浮かべておりますな。

「じゃあ、これから移動します。みんな、安心して剣の勇者である天木錬と領主の娘であるエクレールさんに付いて行ってくださいね」

「わかりました。勇者様の歓迎会、心遣いに応えられる様にこれからがんばります」

鍛冶モグラが代表としてお義父さんに一礼してから錬とエクレアの方に向いてお辞儀をしましたぞ。

「じゃあな、尚文。パンダの勧誘は任せたぞ」

「夜も大分過ぎたのに無茶な要求をするね……あの人、可愛い物好きみたいだからサクラちゃんやガエリオンちゃんを着飾って行けば良いかな? 昨夜も良い所までは行ったから後はドサクサに紛れてリボンとかを巻いてみるだけなんだ」

「なの! なおふみに頼まれたならガエリオンがんばるなの!」

「んー?」

「まあ、後は――」

という所で今まで一緒に居たモグラが手を上げますぞ。

「私は……その、お手伝いをしたい。です」

「そうだね。イミアちゃんも良いかもね」

モグラはお義父さんが気を使って色々と着飾らせたりしていましたからな。

サクラちゃん達と変わらず、可愛がっていたのですぞ。

あのパンダはキールに過敏に反応していましたが、全ては俺とお義父さんの用意した衣装が関わっていました。

その点で言えば良いかもしれませんぞ。

「じゃあイミア。勇者様達の御力に成れるようにがんばるのだぞ。応援しているぞ」

「はい!」

と鍛冶モグラとモグラは話を終えました。

「それじゃあ俺達はメルロマルクに向かう。尚文、元康でも良いがポータルで送ってくれ」

現在、錬のポータルはクールタイム中ですからな。

「わかったよ。ポータルシールド」

と、そんな感じで錬とエクレア、モグラ達はメルロマルクに飛んで行ったのですぞ。

「さてと」

お義父さんは背筋を伸ばしてからお姉さんのお姉さんをチラ見してモグラに声を掛けます。

「ガエリオンちゃんとサクラちゃんじゃあの人を止められるかわからないからイミアちゃん、俺が合図したら眠そうにあくびをしてね」

「は、はい!」

お義父さんはお姉さんのお姉さんに視線をさりげなく向けながらモグラに頼み事をしました。

確かにモグラならそういうのは向いているでしょうな。

「元康くんも来る?」

「俺はユキちゃんのコンディションチェックをしなければいけないのですぞ」

ユキちゃんはレースが控えていますからな。

生産者の注意を受けて、出来る限りユキちゃんがやりやすい様に早めに休ませるべきですぞ。

「了解、まあ……どうなるかわからないけど、今日は一歩前進したね。元康くんもがんばってね」

「ですぞ!」

「ガエリオンは盾の勇者と行くの?」

「なの! お姉ちゃんは寝る時間なの」

事もあろうにライバルは助手を寝かせようと手を振ってますぞ。

助手は微妙な顔をしていますな。

それはお義父さんも同じですぞ。

「いやいや、ウィンディアちゃんだけを仲間はずれにしてどうするの。とはいえ、寝る時間も必要かー……うーん」

お義父さんが困っていますぞ。

「ではお義父さん、サクラちゃん達と入れ替わりに俺が迎えに行きますぞ」

つまりお義父さんが懸念しているのはサクラちゃん達の健康ですな。

夜更かしをしない様にしたいと。

ですがサクラちゃん達が居ないとパンダとの会話の切り口を開けないのですな。